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ふと
自分の話す声を、ときどき忘れる。
なまな声でシゴトをするのはよくない、と思っているのだが、作り声はわざとらしいし、おだやかに陽気にと考える。
福祉の仕事はありがたい。学ぶことは多いが、なにより自分の労働をささげる気持ちではたらけることだろう。
正直、決して見あうことばかりではないし、やさしければやさしいほど、余分な作業をするワーカーもいると聞く。
それで、彼女たちは何を得ているのだろう?
たぶん、自分のなかみを人に知られず耕しているのだろう。
声は正直なので、相手の体調も、気持ちのありかもときどき教えてくれる。
短い時間でも、そんなことを気遣いながら努めようと思う。
もっともわたしは、地道につとめている職場のワーカーさんにくらべれば、ひとりよがりでいたらないところだらけだ。