お仕事をすませ、すこし家のことをかたづけて、ずうっとおあずけだった読書週間。
作家ごとに、心に触れてくる色合いがちがう、そのたのしさを味わうのはひさしぶり。
午後じゅう活字を追って、目がつかれたので、これもまたひさびさに細棹を。
皮が破れていなかったのでほっとする。糸をまきなおし、おそるおそる。
なまけていたから指先はすっかりやわらかくなってしまっている、どうだろうか、とあやぶんだけれど、とても素朴ないくつかの旋律は、以前のように響いてくれたみたい。
五木の子守唄など。それから、フランスの古楽めいた小品。
おとぎばなしの間奏曲のような短いしらべ。
ほんのすこしだけだけれど、音筋と音筋のあわいをさぐっていると、時間の過ぎ越しを忘れてしまいそう。
夕方の風が吹く。
風鈴が、まだ涼しく聞こえる。