三味線弾き語り芝居、青柳ものがたり、ギャラリーリハーサル。
この作品は、一般にほとんど知られていないようだ。
人間と妖精の異類婚姻譚という物語の話素は、雪女とほぼ同じなのだが、知名度の差は何故なのだろう?
純白の雪の妖精お雪さんと、若い柳の聖霊青柳を比較すると、お雪さんの方が恐怖度と迫力、行動力に置いて勝る。
どちらも美女なのだが、ヒロイン独自の活躍は青柳には少ない。人気がないのは、そのためかもしれない。
けれども私はあまり活発には動かない青柳の、ものがたり後半、柳の精霊と正体を明かした彼女が、夫の前から、ゆるやかに、すうっと、消えてゆく場面の情景描写の繊細に惹かれる。
民話伝説を原型にしていても、この優美なくだりはきっと小泉八雲のオリジナルに違いない。
あまり話すとネタバレになってしまう。
今日は晴れやかな真夏の陽射しに恵まれ、緑潤い花が咲き揃う房総の風景は美しかった。
愛と感謝。