お気に入りその119～鬼平犯科帳31

今回のお気に入りは、鬼平犯科帳パート31、多岐川裕美です。

多岐川裕美演じる奥方久栄がお気に入りです。
久栄役は、淡島千景、三ツ矢歌子が過去に演じているそうです。
どちらの久栄も観たことがありませんが、想像するに、淡島・久栄は如何にも武家の奥方という硬いイメージ、三ツ矢・久栄は如何にもおっとりとした優しい奥方というイメージです。
多岐川・久栄はというと・・・かわいい箱入り娘が鬼平の妻になり気丈に夫を盛り立てている・・・というイメージです。その可憐さと健気さがたまりません。平蔵をうらやましく思った方は相当いたでしょうね。
（もっとも女性にすれば平蔵のような男の妻になった久栄をうらやましく思った方が相当いたでしょうけれども・・・。）

今年制作された鬼平スペシャルでは、容姿の衰えを指摘する声がファンの間で多かったようです。特に可憐さが際立つひとなのでより一層目立つのでしょうが、17年も同じ役を演じているのです。衰えるなと言う方が無理なのではないでしょうか。長い付き合いなのですから、家族を見るような暖かい目で見守って欲しいものです。

多岐川・久栄について語られるときは久栄が主役の「むかしの男」がよく出てきます。たしかに平蔵と久栄の馴れ初め、愛情の深さを知るのには良いストーリーですが、里中哲彦著「鬼平犯科帳の真髄」ではそこのところに触れず、他のストーリーにわずか数行だけ書かれているふたりの会話を引用して多岐川・久栄を評しています。さすがです。

そう言えば、多岐川裕美は現在放映中のＮＨＫ大河ドラマ「功名が辻」で主人公千代の養母きぬを演じています。きぬは平蔵の奥方久栄とよく似た性格設定で、観ていてダブることがあります。どちらも明るく聡明で、夫や子を愛し、逆境に気丈に立ち向かう強い女性です。

写真の多岐川裕美は「すっぱい経験」を歌った頃の色っぽさがありますね。