あまり行く機会のない金沢への出張の機会が巡ってきた。金沢に来るのは人生で3度目かな。小松空港から高速バスで海岸線を走ると、まだ赤く染まった西の空の水平線辺りにイカ釣り漁船の漁火がいくつも見える。そんなローカル色豊かな風景も金沢市内に入って犀川を渡るとガラっとネオン街になる。歓楽街ど真ん中の片町で降りると予約してあったホテルは直ぐ目の前にあった。
ご存知だろうか。例のユニークな女社長で有名なAPAホテルは石川県が発祥の地。片町界隈だけで3軒もある。小生の泊まった『APAホテル片町中央』は建物もきれいで、屋上にはな、なんと温泉露天風呂までついている。これで前日ネットで予約して特価4000円也。最高です!
チェックインすると早速夜の街に繰り出す。ラブロの脇から伸びる木倉町通りの飲み屋街をしばらく歩いて行った先に目指す『源左エ門』はあった。
20時過ぎに入店したが、テーブル、カウンター共にお客は半分くらいの入りといったところか。テーブルにはフランス人の家族連れがいた。ユーロ高を背景に日本で長期のバカンスを楽しんでいるようだ。横にはサラリーマン男性のグループが近くの店から出張で女性を呼び寄せている。なるほど酒、肴、女とすべて一箇所で済ませることができるわけだ。
カウンターのど真ん中に陣取ると目の前のケースには魚介類が並んでいる。カウンターには二十歳そこそこの若い女性の板さんが。この板さんといろいろ話ながら楽しく過ごすことができた。
ここは石川県の地酒が揃っている店。ビールを飲んではもったいない。まずは金沢ではポピュラーな酒『萬歳楽』の純米酒、甚800円也をいただく。お通しは鰯の生姜煮。

(カウンターは板張り)
料理の方はお刺身盛り合わせ1800円也を注文。がんど(鰤の子供)、さわら(こちらではカジキマグロをこう呼ぶ)、平目、アカイカ、鰯、甘エビが超綺麗に盛り付けられている。食べた中では鰯やアカイカが一番うまかった。金時草(きんじそう)の酢の物350円もこちらの名物だ。やはり北陸は冬に行ってこそ美味にありつけるなんて贅沢は言うまい。

(どうですか、がんどとさわらのぶ厚さ。右は金時草。)
さてカウンターの端にはタンクが置かれている。蔵元直送の生貯蔵酒などと聞くとほってはおけない。『寿喜娘(すきむすめ)』600円也。これはお得かも。続いてフルーティーな『みなもにうかぶ月 』を注文するも半合ほどしかなくラッキーにもサービスにしていただいた。前週に大阪の『利き酒家』でいただいた『遊穂』も置いてあった。板さんによるとこの酒は県外で人気があって、県内では入手困難とのこと。
さて本日のお勧めから『白えびのかき揚げ』1000円也を注文。桜えびとはまた違った香ばしさが口のなかに拡がる。
最後は『さわらの三角焼き(かじきのかま焼き)』を注文して、あっさり生ビールでしめた。

(まさにスペアリブ状態。)
合計6000円ちょっと。お店の方も皆さん気さくで万人にお勧めできる良い店。でもぜひ今度は冬に仕事を作ってでも再訪してみたいです。