ギリシャ神話あれこれ:ヘラクレスの復讐(続)

 
 アウゲイアス王は、モリオニダイと呼ばれる双子、エウリュトスとクテアトスを大将に構えて応戦。彼らは体が一つにくっついていて、とてつもない怪力を持ち、さすがのヘラクレスも一度は撃退される。
 が、ちょっと悪どいヘラクレス、双子が祭儀に参加していた際、待ち伏せして殺してしまう。で、王らも皆殺しにし、自分を庇って亡命していた王子ピュレウスを呼び戻して、王に据える。

 ヘラクレスは徐々に暴走する。彼はさらに、以前、イピトスを殺した際に罪祓いを拒絶された恨みから、ピュロスを攻略、王ネレウス(海神ネレウスではない)たちを皆殺しにする。

 さらにさらに、同じ恨みからスパルタを攻める。
 このとき彼はテゲアに立ち寄り、王ケフェウスに援軍を求める。テゲアを離れることはできない、と断る王に、ヘラクレスは、大丈夫、もし敵が攻めてきたら、これを城壁から3回見せろ、と、メドゥサの首が入った青銅の壺を、王女ステロペに渡す。

 こうして援軍を得た彼は、スパルタ王ヒッポコオンらを皆殺しにする。が、この戦いでケフェウス王は戦死。……なんかケフェウスって馬鹿みたい。
 ヘラクレスは、かつてヒッポコオンから追放された兄テュンダレオスを、スパルタの王に据える。ちなみに彼は、絶世の美女ヘレネらの父に当たる(ヘレネは、カストルとポリュデウケスの双子と同時期に産まれるが、この双子は何度もヘラクレスと共に行動しているので、やはり時期が合わない)。

 ヘラクレスはますます暴走。ついに、再びテゲアに立ち寄った際、美しい王女アウゲ(ケフェウスの妹)を見初め、酒に酔っ払って無理やり犯してしまう。
 あー、もう手に負えない色情魔!

 画像は、ルーベンス「酔っ払ったヘラクレス」。
  ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens, 1577-1640, Flemish)

     Previous / Next

     Bear's Paw -ギリシャ神話あれこれ-
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )