掲示板の功罪

 
 夏に宝剣岳に登って、すっかり宝剣岳にハマってしまった相棒。以来、何かにつけて宝剣岳の話ばかりする。で、つい先日、宝剣岳での遭難事故をニュースで聞きつけて、眼をピカッと光らせた。
「なんで初心者が冬の宝剣岳に登る理由がある?」

 で、相棒の奴、あれこれ漁って、とあるウェブ上の掲示板にたどり着いた。雪山登山の仲間を募集するトピックで、投稿は、トピ主の男性(夫婦でやっている)の呼びかけに応じて、初心者が冬山に同行するらしい内容で終わっている。
 途中、何人もが、ガイド資格のない人間が、面識ない人間(初心者を含む)を掲示板で募って、冬山へ連れてゆくことの安易さ、軽率さを危惧していた。

 ニュースでは、事故当事者たちはインターネットで知り合った、とあったが、これ以上はもう、憶測で書ける内容じゃないので、取り上げない。

 ただ、以前ウェブ掲示板に関わった際、うんざりした経験があるので、その点に限ってまとめておく。

 匿名掲示板は情報交換には便利だが、そこで集団が形成されると、その集団はイエスマン的な集団となる場合が多いように思う。
 これには匿名性も関係している。匿名であれば、経歴などを詐称できるし、自作自演の投稿によって、自分に多くの賛同者がいるよう見せかけることもできる。
 だから匿名掲示板では、ある人が、自分がその分野でいかにも優秀であるかのように装い、同時に別HNがその優秀さを持ち上げることで、その分野に憧れているが疎い人々を、容易に集めることができる。

 To be continued...

 画像は、セガンティーニ「死」。
  ジョヴァンニ・セガンティーニ(Giovanni Segantini, 1858-1899, Italian)

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