千恵子@詠む...................

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なまなまし実験なのだ 「ファシズムの教室」

2021年03月25日 | 

救援連絡センター発行「救援」紙の、2面の連載コラムより

なまなまし実験なのだ    「ファシズムの教室」

甲南大学でのファシズム体験実験に、著しく感動したので簡単に紹介する。

講座の名前は「社会意識論」。集団の暴走の疑似体験。心理的ストレスを受ける可能性があるので、耐えられないと感じた場合は受講を停止してもよいなどの諸注意あり。

まず指導者を選ぶ。教授が「指導者をやろうと思うが、反対の人はいますか」と質問する。手を挙げる人がいないことを確認するしたうえで、承認されたことを宣言する。「じゃあ賛成ですね。賛成の人は拍手をしてください」、民主的な方法で選ばれていると見せかけるため。満場一致で指導者を承認することが独裁制の確立へ向けた第一歩。

田野総統に対して「ハイル、タノ!」と右手を斜め四五度で敬礼することを決める。他人事のように考えている受講生が多いので「もっと声を大きく」などと何度か練習をする。

独裁を支える団結とは何か。教室内を巡視しながら、起立敬礼を要求し、発言後には全員に拍手を促す。うまく答えられないものには深呼吸を促す。独特の空気が醸成されていく。

規律と団結の力の説明の後に、再度全員を立たせて敬礼と行進の練習。笛の合図に合わせて右足左足の順で足を踏み鳴らす。「もっと強く足を踏み鳴らして」などと要求し徐々に教室が轟音に包まれるようになる。

下の階は学生食堂。「迷惑かもしれないけど、許可は取ってある。たむろしているリア充どもを蹴散らしてやろう。憎しみを込めて足を踏み鳴らして」と。

誕生月順に席替え。友達同士で座っているのを分断する。指導者と大衆の間にある中間集団を破壊する。

共同体の力は全員一緒に行動していないとすぐに消えてしまう。考えさせる。制服への誘導。白シャツとGパン。忘れないように、すぐに手帳やスマホに記入させる。

さらにロゴマークへの誘導。ガムテープ製ワッペン。

二日目。白シャツ集団のなかに、柄シャツ&私語のサクラ。両脇の白シャツ二人に連行させ「反抗しました」プラカードを胸につける罰。

山場の屋外実習。校庭に整列、そして隊列行進。

カフェのテラスに座っているカップル。仮想敵としたリア充を糾弾する。拡声器の号令に合わせて「リア充爆発しろ!」と叫ぶ。

カップル退散を見計らって勝利宣言。サクラだと分かっていても高揚する学生たち。

教室に戻って、意識の変化を書いてもらう仕組み。

書籍「ファシズムの教室 なぜ集団は暴走するのか」 田野大輔 大月書店
  

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1 Comments

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著者からツイッター (千恵子)
2021-03-27 14:32:14
いいね! もらっちゃった。嬉しいな。
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