千恵子@詠む...................

リンクにて開く世界は万華鏡 あれやこれやと交差の果てへ

不細工な猫の一生「猫鳴り」に涙とまらぬ 沼田まほかる

2020年01月26日 | 詠む

「猫鳴り」  沼田まほかる  双葉社文庫

Aさんが言及してたので、読む詠む。猫いない歴50年なので、ふーむ。そうなんだあと気づくこと多し。

第一部 拾った猫に餌をやって傷の手当をして、何度も捨てる元妊婦。拾った猫が不細工だからか小学生の娘に捨てさせにいく母。

単純な私には到底想像できない範疇だが、そいういうひと状況もあるんだ。ともあれ、モンは生きていく。

第二部 幼児をナイフで刺そうとする中学生は、猫には優しいんだ。ペンギンという名前が可笑しい(微笑)。

これはこれで、ひとつの物語。成猫モンと、ペンギンが交差する。

第三部 20年後の老猫モン、妻に先立たれた夫も七十翁。死が、ひたひたと近づいてくるさま。

買い物籠の場面では、涙ぼろぼろ。ハリネズミを通り越して、イグアナみたいな顔かあ。

最後は号泣。こんなに衝撃を受けた小説は、あったろうか。

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