「任務の終わり」 スティーヴン・キング 文春文庫
三部作の「ミスターメルセデス」そして「
最初の頃に、ヘリウム自殺。週イチ銭湯研究家、月イチ自殺研究家としては気になるところ。でも難易度が高いから無理かな。
さすが、帝王キング。うまい。初のミステリーと銘うっているが巻末解説を読むと、そうでもない。本作の後半はホラー(超異常現象)でてくるし。
定年退職した元刑事は、いまや膵臓がんの末期。わたしと同じ年頃。不安神経症だが電脳活躍のホリー。高校生となった黒人青年。彼らが、年齢、性別、出自を超えてチームを組む。三人三様の生長譚でもある。
スマホ画面にでてくるゲーム。ピンクの魚を捕まえたときの数字を足していくうちに、催眠術にかかる。同時多発の大量自殺ぞくぞく。そう、自殺洗脳シリアルキラーと闘うのだ。
今回は中年女ホリーが予想外に活躍しているのが、嬉しい。最後に主人公の墓碑の前で任務を続けると宣う彼女の姿に、希望を見る。