千恵子@詠む...................

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フランス映画「シモーヌ」 収容所--生還と回復と前進

2023年08月26日 | 

フランス映画「シモーヌ」  

収容所--生還と回復と前進

「私たちはあなたを愛しています」|フランスで最も愛された政治家シモーヌ・ヴェイユの生涯は、揺るぎない勇気に支えられた「戦い」と「正義」に貫かれ、彼女の情熱はフランスを変えた。

フランスの女性を自由にした彼女の名前が冠された法律はフランスの誇りである。

偉大な女性の一生を描くこの素晴らしい映画が日本でも公開されることは何よりも嬉しい。

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上記はフランスの法曹資格も持つ金塚綾乃弁護士のコメント。

へええ、シモーヌ・ヴェイユって哲学者だと思ってた。ものすごいインテリなのに工場で女工として働いて思索したひと。片仮名で書くと同じ名前なんだ。別人。

その法律とは何か。七四年、パリ。カトリック信者が多数を占め更に男性議員ばかりのフランス国会で、彼女は強姦による悲劇や違法な中絶手術の危険性、若いシングルマザーの現状を提示し「喜んで中絶する女性はいません。中絶が悲劇だと確信するには女性に聞けば充分です」と圧倒的反対意見をはねのけ、後に彼女の名前を冠してヴェイユ法と呼ばれる中絶法を勝ち取った。

背景には年間百万件もの中絶手術があった。女たちはヤミ中絶で危険な目にあっていた。ボーボワールが起草した署名は、サガン、カトリーヌ・ドヌーブ、ジャンヌ・モロー達も参加し、三百人以上が自ら中絶したと宣言した。これは市民的不服従であり、誰ひとり処罰されなかった。

彼女の信念のもとはアウシュビッツ収容所体験である。両親と兄の死を経て、それでも生き抜いた少女。しかし語ることは憚られたフランスの戦後。

五十年代、刑務所の執行官になったときは女だからと視察を拒否された令状を手に入れ、財源を確保し、不衛生な環境の改善や診療所と図書館の設置に奔走する。アルジェリア独立運動で収容された女たちへの拷問を知り、現地からパリの刑務所に移送する。

七十年代には保健大臣のあと欧州議会で女性初の議長に就任。猛反対のなかで「女性の権利委員会」の設置を実現。

九十年代には社会問題・保健・都市計画大臣に就任。回想のなかに挟み込まれた収容所の地獄。そこからの生還と回復と前進。

★ 映画 「シモーヌ フランスに最も愛された政治家」

 

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