チエちゃんの昭和めもりーず

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チエちゃんの青春 第2回(昭和ダイアリー編)

2007年10月29日 | チエの玉手箱
チエちゃんは「かぐや姫」の大ファンだったわけですが、かぐや姫の代表曲といえば、みなさんは何を挙げますか?

「神田川」

そうですね。彼らをよりメジャーにしてくれた曲ですし、4畳半フォークの代表曲といっても過言ではないでしょう。
しかしです。チエちゃんとしては、敢えて、「神田川」以前の「アビーロードの街」または「僕の胸でおやすみ」を挙げたいと思います。
このあたりがチエちゃんの天邪鬼なところでありまして、「神田川」は作曲が南こうせつさんですが作詞は喜多条 忠さんです。純粋な意味での彼らの曲ではないんですね。
あまりにも、商品化されてしまったというか、ヒットを狙ったというか・・・。
でも、「神田川」が名曲であるということはチエちゃんも認めます。
この辺は、賛否両論、意見の分かれる部分ではないでしょうか。(分かれないかなあ、笑)
みなさんのご意見をお待ちします。

そして、チエちゃんのお気に入りは、次の3曲。

「じんじろ橋」 「加茂の流れに」 「あの人の手紙」

全部、悲恋の歌です。超泣ける。

 さて、チエちゃんのその後は・・・・。
高校生になったチエちゃんには、あこがれの先輩がいました。
高1の時って、なぜか2コ上の先輩(高3)方がカッコよく見えて気になるものです。
1コ上(高2)の先輩方はアウト・オブ・眼中。
あこがれの先輩の名前は、鈴木 剛くん。
「つよし」って読むんだけど、通称「ゴウ」くん。今のタレントでいうとKAT-TUNの亀梨和也くん似の超イケメン君です。

 ある時、本屋さんで剛くんを見かけたチエちゃん。
どんな本見てるのかなあ。こっそり様子を覗いてみると、なんと「かぐや姫フォーク全集」を見ているではありませんか。この本はチエちゃんも欲しくて、買いたいと思っていたものです。
やがて、剛くんは本を持って、レジに行きました。
ああ、残り1冊だったのに剛くんが買ってしまった。
でも、彼もかぐや姫ファンであることがわかりました。うれしい~。

 チエちゃんは、どうしても「かぐや姫フォーク全集」が見たい。
そして、剛くんにアタックするチャンス。
意を決して、3階の3年生の教室に行きました。そして、剛くんを呼び出してもらいました。
それまで一度も口を利いたことはありませんでしたが、彼の周りをウロチョロしていたので、きっとチエちゃんのことは知っているはずです。

 チ エ:あのう、突然すみません。
     この前、本屋さんで「かぐや姫フォーク全集」買いましたよね。
     あれ、私もどうしても見たかったんです。貸してもらえませんか?

 剛くん:うん、いいよ。

あっさりOKしてくれて、拍子抜けしました。あんなに緊張して、3年生の教室へ行ったのに。
そして、教室から本をとってきて貸してくれました。
天にも昇る気持ちというのは、こういう時をいうのでしょうか。
やった! 剛くんと始めて話した。かぐや姫フォーク全集を貸してくれた。

1週間後、チエちゃんはかぐや姫フォーク全集を返しに剛くんの家に行きました。
なぜ、剛くんの家を知っていたかって?
そこは、ストーカー・チエちゃん・・・じゃなくて、知ることは簡単だったのです。
チエちゃんも、剛くんもバス通学で、同じ方向のバスで通っていました。
チエちゃんの村の隣町に住む剛くんは、あるバス停で降りると、その真前の家に入って行くので、ココが剛くん家なんだと知りました。
呼び鈴を押す時も、ドキドキです。お母さんやおうちの人が出てきたら、どうしよう。
運よく、剛くんが出てきてくれました。

 チ エ:あの、「かぐや姫フォーク全集」どうもありがとうございました。

 剛くん:なあんだ、わざわざうちまで来てくれたの。学校でもよかったのに。

チエちゃんは、お礼にギターのピックをプレゼントしました。どうやら剛くんがギターを弾くらしいからです。そして、剛くんの優しい言葉に満足感でいっぱいになり、剛くんの家を辞したのでした。

 チエちゃんと剛くんの関係は、その後、何の進展もありませんでした。
高1の女の子とあこがれの先輩という関係以外は。
それでも、チエちゃんの青春の1ページを飾る大切な思い出です。

追記 「かぐや姫フォーク全集」はその後、本屋さんに取り寄せ注文をして買い求め、今も大切に持っています。(画像)

つづく




注; この記事は、2007年1月10日昭和ダイアリーに掲載されたものを一部編集しました。