HAPPY MANIA

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ティエリさんのフランスパン(千葉県/八千代市)

2013-05-07 07:33:33 | ∞BREAD∞
ティエリさんのフランスパン、に行ってきました。

千葉県の八千代市にあって、
きっとナビがなければたどり着くのは至難の業、
という場所にあります。





でもね、近くまでくればすぐわかります。

とても分かりやすい、看板が目印!





店内には数種類のパンが並んでいます。

ほとんどが、天然酵母を使ったハード系のパンで、
そのほかには、
ブリオッシュと編み込みパン、
よんぶんのよん、と表記されたカトルカール、くらい。





山パン(Pain de montagne)とトマトパンが定番で、
それ以外はすべて週替わりなんですって。

わたしがうかがったときは、
山パンベースのパンが数種類と、
サラザンベース(そば粉のパン)のパンが数種類。

土曜日の午後1時くらいにうかがって、
山パンにレーズン、と、ブリオッシュは売り切れでした。





お店の横には、大きな窯があります。

この薪釜を使って伝統的な焼き方で、
長時間かけて発酵させた天然酵母のパンを焼くのだそうです。

わたしの前にいらっしゃっていたお客さんが、
ティエリさんにいろいろな質問をなさっていました。

焼き直しするときは、霧吹きをしたほうがいいのか、とか。
(霧吹きはしなくていい、との答え)
残ったパンは冷凍したほうがいいのか、とか。
(冷凍は好きじゃない、との答え。
 わたしは、この答えがとても好きです。笑)

天然酵母のパンは時間とともに熟成が進むので、
時間がたてばたつほど味わいが深まっていく。
7日間はおいしく召し上がれますよ、とのことでした。





山パン
Pain de montagne


オリジナルブレンドの小麦粉、
自家製天然酵母、水、塩、のみから作られたパン。

日本ではバゲットのことを「フランスパン」というけれど、
本来はこういうパンのことを「フランスパン」と言うのだろうな。

ティエリさんにお会いしてパンのお話をうかがっているうち、
コルドンブルーで学んでいた頃の
シェフのお話が次々と思いだされることが不思議でした。





パンはね、
フランス人にとって“毎日食べるもの”なんだ。

パンで迷うことがあったら、想像してみて。
フランスの気候や、
フランスのブーランジェリーの工房のこと。

昔はホイロなんてなくて、
日常的な環境の中でパンを焼いていたことを。

今でも、地方には、
家の中に薪釜がある家庭だってあるのだから。
(モザイクで装飾された素敵な窯だった)

天然酵母は、嫁入り道具みたいなもので、
代々その家庭の味が受け継がれていくんだ。


そんな、いろいろな、ことを。





天然酵母のパン、といっても、酸味はほとんど感じません。

それも、ゆっくり、じっくり、
長時間かけて発酵させているからだろうな。

経験値で言うと、
ここで発酵を急がせて(発酵温度を上げる、ということね)しまうと、
酢酸発酵が進んで酸味がでてしまう気がします。

噛めば噛むほど、味が出る、というか、
とても滋味深い味わいのパンです。





パン・オ・サラザンにオレンジピール
Pain de sarrazin et peaux d'orange


精白小麦粉(20%)、そば粉、
自家製天然酵母とオレンジピール、
オリーブオイル、塩、を使って作られたパン。

コルドンブルーのルセットでも、
サラザンのパンには
クルミオイルやグレープシードオイルを使いました。

サラザンのパンは、香りもいいですよね。





ティエリさんのパンは、
ミキシングも伝統的な練り桶を使って手でこねるのですって。

パンを味わってみても、
とても“自然”なパンだなぁと思いました。
無理がない、というのかな。

同じ形じゃなくてもいいし、
もちろん、整っている必要なんてなくて、
そのまま、が、いちばん素敵で、おいしい。





うすく、1cm厚くらいにスライスして、
お料理に合わせてもいいし、
シンプルにバターだけでいただいてもおいしい。

少しづつ切り分けて、
大事に味わいたい、ティエリさんのフランスパン。

「しあわせのパン」では、
カンパーニュの語源である“カンパニオ(ラテン語)”には
パンを分け合う人々、という意味がある、
という台詞がありましたよね。

分け合って、味わい、楽しむことが、
パンの醍醐味、だと思うのです。


ティエリさんのお店の営業日は、水曜日と土曜日のみ。
8月はお休みです。

ご訪問の際は、お気を付けくださいね。



フランスパン Thierry Siaud
千葉県八千代市吉橋2825-2
047-429-8207




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