気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人2月号 同人のうた その1

2011-01-30 19:10:18 | 短歌人同人のうた
窓の結露をてのひらばかり拭ききよめ天に二十日の月を見たりき
(酒井佑子)

竹群の蒼きなだりにときをりは盛り上がりつつ風わたる見ゆ
(大谷雅彦)

青柳守音がまづ立ちあがる筆ぐるめ年賀状住所録とりあへず閉づ
(有沢螢)

雪の日の店内暗き魚屋に鰈の腹のしらじらとあり
(梶倶認)

蔦の葉はかがやくまでに錦せりとほい廃校の壁をおほひて
(川本浩美)

古書店に歌を探せばひっそりと活字の隅に鳴けるこおろぎ
(守谷茂泰)

晩秋のそらの把手にぶらさがる小公園に車いす止めて
(紺野裕子)

消えてゆく虹をながめてたたずめばかなしみとうもの風に流るる
(岡田経子)

墨流しの雲残りおり大風が掃き忘れたる空の一隅
(山本栄子)

幽霊になるなら図書館憑きがいい古きミステリ積まれるあたり
(森澤真理)

*****************************

短歌人2月号、同人一欄より。

最新の画像もっと見る