気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人2月号 二月の扉

2011-01-29 01:11:16 | 短歌人同人のうた
終電に遅れたときは始発まで待てばいい まあそんな感じで

旅びとのごとくH氏が橋渡りゆきてそのあと木枯らしが追ふ
(長谷川莞爾 H氏-木枯らしの歌)


天辺に賞味期限を示したるシールを載せてならぶ卵は

慌ただしく出会ひと別れをくり返しわが細胞も移りにけりな
(真木勉 卵)


ふくらんでふくらみきって耐えられず照葉(てるは)の森を飛び出す小鳥

水仙のすべては海を向いて咲くひと色だけを目に染みこませ

ふさいでもふさいでも空くみぞおちの穴から夏が夏が流れる
(谷村はるか まだ感謝ではない)

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短歌人2月号、二月の扉から。

長谷川莞爾さん。題のH氏はご自身のことだろう。軽さと自分を客観視する目線の歌。

真木勉さん。選んだ二首は、針小棒大に物事を言う種類の歌。はじめて全国集会に出たとき、私の歌を取り上げてくださったことを忘れない。

谷村はるかさん。口語のストレートな詠いぶりから、何かが変わりつつあるように思える。言いさしの表現が多かった。リフレインから切羽詰まった感覚が伝わる。

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