気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2010-08-16 23:19:23 | 朝日歌壇
ゆらゆらと風を送りて夏の暮れ西日に泳ぐうちわの金魚
(東京都 飯坂友紀子)

囚われて両親(おや)の死目に会えもせで歌詠むなどと我は愚か者
(アメリカ 郷隼人)

潮招きは穴にこもりて一斉に出でては消ゆる仕事なるらし
(東京都 高須敏士)

*********************************

一首目。ゆらゆらと読んでいくと終りに来るのは「うちわの金魚」。たしかにうちわの図柄にはよくあるが、これを歌にしたのはめずらしく興味をひかれた。
二首目。下句がいい。つくづく共感する。上句にはそれぞれ自分の境遇を入れたら、それぞれ面白い歌が出来そうだ。
三首目。結句の「仕事なるらし」がいい。突き離して見ている目だ。ここで一字開けすれば、もっとその効果が出ると思う。そこまでやるとあざといかも知れないが、私なら一字開けする。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (山寺修象)
2010-08-17 10:42:08
 昨日からカンボジア・セムリアップに来ています。3ドルのゲストハウスのドミトリールームに泊まり、知人がやっている日本語学校の広いベランダのハンモックで半日読書(とほんのすこしの作歌)の毎日は、天国みたいです。
 2首目、郷隼人さんは、久しぶりの登場ですね。アメリカの刑務所で作歌にがんばって欲しいものです。僕は勝手に、坂口弘と郷隼人は自分のライバルだとおもっていまので。
 この歌は、やはり結句が蛇足だとおもいます。
返信する
Unknown (かすみ)
2010-08-17 19:42:50
ハンモックで読書、涼しそうでいいですね。
京都は一向に涼しくなりません。

郷隼人さんの歌の結句が不要。なるほどと思います。新聞歌壇は、言いすぎの歌が多い気がします。山寺さんにかかったら「要らない」言葉が多すぎるということになるでしょう。私でさえそう思うもの。
返信する