気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2014-06-02 18:55:17 | 朝日歌壇
パチパチとボウルの水吸い音たてて初夏の厨に目覚める大豆
(アメリカ 中條喜美子)

わが歌の選ばれし朝目に染みるまな板の白キャベツの緑
(久喜市 白石由紀)

ねむり花咲きて五月雨上がりけり浄瑠璃寺への野辺の坂道
(船橋市 藤井元基)

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一首目。おいしそうな歌。私も豆類は大好きでよく食べる。しかし自分で調理することはなく、パック入りの煮豆や缶詰のミックスビーンズ、納豆を食べている。作者は、自分で豆をもどして調理している。本当にボウルの中でパチパチと音がするのだろうか。それなら一度聞いてみたいものだ。勢いよくおいしそうな歌に好感を持った。
二首目。朝日歌壇は応募者が多いので、掲載されるのは難関。新聞紙上に自分の名前を見つけた弾むような気持ちが現れている。下句で、具体的な道具、野菜とその色を出して、生き生きしている。
三首目。ねむり花を知らなかったが、調べると海棠とのこと。浄瑠璃寺が固有名詞として魅力的。雨あがりの爽やかな空気を感じさせて、良い歌だと思う。

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