気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

河野裕子さんご逝去

2010-08-13 18:29:21 | きょうの一首
遺すのは子らと歌のみ蜩のこゑひとすぢに夕日に鳴けり

(河野裕子 母系)

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河野裕子さんが亡くなられた。ミクシィのほかの方の日記で知ったが、わが家に夕刊が来てから、確認しなけらばならないと思った。

夕方まで毎日歌壇の選歌をしておられて、亡くなられたのは午後八時過ぎというから、その直前まで歌に関わっておられたことになる。そばには家族のどなたかがおられたのだろうか。

裕子さんとお話したことはないが、家がご近所なので、近くのスーパーなどで買物をしておられるのを、何度か見かけた。小柄でごくふつうの主婦という感じ。

青磁社のシンポジウムのとき、司会をされる淳さんを、舞台のそでで、ほこらしくもあり、また不安でもあるような眼で見ておられた姿が印象に残った。まぎれもなく母親の目だった。

若くして、角川短歌賞を取り、歌人として歌壇の中心的な位置におられ、家庭的にも恵まれて来られたのに、病気だけは残酷だった。

きのうの今頃はまだ、此の世に居られた時間だ。

ご冥福をお祈りします。

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2 コメント

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Unknown (山寺修象)
2010-08-17 16:18:16
 河野裕子さんが亡くならたのですね。
 多分、一、二度、何かの会合で同席したことがあります。その会合で、生きている歌人で一番気になる(?)歌人は誰ですか、と短刀直入にきいたところ、小池光と即答されたのを覚えています。九州出身者らしく、人前では気さくで明るい印象の人でした。
 日航機事故のちょうど4分の1世紀後の日に亡くなられたのも、なにか不思議です。

 今朝、もうひとつコメントを書きましたが、「かすみ草」の方の前回の僕のコメントは、亡くなられた竹山広さんについてのものでした。
 今年は、僕が知っているだけでも、竹山広さん、加藤克己さん、玉城徹さん、河野裕子さんが亡くなられました。
 すこし前には、安立スハルさん、柏原千恵(正漢字)子さんも亡くなられました。
 いい歌人が次々に亡くなってしまうのは、とてもかなしいことです。そして、生き残るのは、いい歌人ではない歌人のみになっていくのかもしれません。
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Unknown (かすみ)
2010-08-17 19:37:50
山寺さん こんばんは。

河野裕子さんの最後の作品かもしれない塔8月号の歌を、三月書房で立ち読みして来ました。
私が、買ってしまうと、ほかの人が読めなくなると思って、それは買わず、文庫本の『ゆふがほ』を買ってきました。

塔8月号では、小池さんの『山鳩集』が届いて読みたくて気になるけど、気力が出ないといった歌だったと思います。正確には覚えていません。

優れた歌人が亡くなられることは、悲しいことですが、私たちが忘れずに読み継いでいくことが、大事だと思いました。

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