気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人1月号 同人のうた

2016-01-11 23:03:06 | 短歌人同人のうた
十八の莟がすべて開くまでわがいのち静かに百合と向き合ふ
(有沢螢)

わたしというわたしがもれなく眠りいる総武線、風の衣服で走る
(内山晶太)

ふくふくと豆炊く息に会話する老夫婦ゐてたちばな古書店
(和田沙都子)

ゆびさきはふれるささくれのくちびるにわたしの春の荒野はここだ
(花笠海月)

左利きの生徒に板書させながら鏡の中を見る心地する
(岩下静香)

われにこんな静かな秋のいちにちがありて胡桃の落ちる音する
(関谷啓子)

できたてのクリームパンだと勧められ一つ購う素直な私が
(高野裕子)

咲き終へし彼岸花あをき実のさきに花のなごりのほそき糸垂る
(大森浄子)

陽のなかに出ることかなはぬ母のため葡萄一房テーブルに置く
(原田千万)

むなしさを言いつのる友に黙したり朱塗りの橋が遠くに見える
(木曽陽子)

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短歌人1月号、同人1欄より。

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2 コメント

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Unknown (teruo)
2016-01-12 11:31:37
いざやいざ陽のきはみより落ちゆかむマスカット・オブ・アレキサンドリア

このブログ主の意図がどうであれ、自分にとっては、消え入りそうな創作の熾火をかきたてる一つとなっていることはまちがいないようで、ありがたく思っています。
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Unknown (かすみ)
2016-01-12 17:28:51
気まぐれでやっているので、すみません。
短歌を続けるモチベーションを保つには、結社に入るのが効果的です。ぜひ短歌人会へどうぞ。
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