根岸より地下鉄を二度乗換えてりんかい線で子規居士来れ
ジャズソング口笛で吹く洒落男この月光の値千金
黄昏に沈む世界のよろこびを五感に享けて果てし、と告げよ
圏外という人生をうべなえと液晶画面に175R
地下鉄に地下鉄の神都バスには都バスの神が憑きて静謐
(藤原龍一郎 楽園 角川書店)
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短歌人会の夏の会で、サイン入りで『楽園』を購入。帰りの乗り物の中で、ざっと読んでまたゆっくり読みなおしている。
題詠マラソンで知っている歌もあって嬉しい。
藤原龍一郎氏の特徴として、次のようなことを再確認。
読書量、知識が多いので、それを生かして古いものと新しいものを繋いでいる。俳句とのコラボレーション。体言止めが多い。固有名詞の多用。マニアックな芸能ネタが豊富(175Rは、イナゴライダーだったか)。フレーズの繰り返しが効果を生む。
表紙のデザインは、都会のイルミネーション、高速道路、高層ビルの林立を思わせる。
にぎやかな歌集だ。
ジャズソング口笛で吹く洒落男この月光の値千金
黄昏に沈む世界のよろこびを五感に享けて果てし、と告げよ
圏外という人生をうべなえと液晶画面に175R
地下鉄に地下鉄の神都バスには都バスの神が憑きて静謐
(藤原龍一郎 楽園 角川書店)
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短歌人会の夏の会で、サイン入りで『楽園』を購入。帰りの乗り物の中で、ざっと読んでまたゆっくり読みなおしている。
題詠マラソンで知っている歌もあって嬉しい。
藤原龍一郎氏の特徴として、次のようなことを再確認。
読書量、知識が多いので、それを生かして古いものと新しいものを繋いでいる。俳句とのコラボレーション。体言止めが多い。固有名詞の多用。マニアックな芸能ネタが豊富(175Rは、イナゴライダーだったか)。フレーズの繰り返しが効果を生む。
表紙のデザインは、都会のイルミネーション、高速道路、高層ビルの林立を思わせる。
にぎやかな歌集だ。
藤原さんは僕も好きです。こんなにも面白おかしく、固有名詞を多用する人って少ないですよね。藤原さんの他には島田修三さん、笹公人さんくらいでしょうか。
その作品は、諧謔性に満ちているかと思うと、社会派だったり、心にしみる挽歌だったり、豊富な知識とユーモアには驚かされっぱなしです。
「子規居士来たれ」という結句など、爆笑せずにはいられませんね。
歌集は持っていませんが「セレクション歌人」でぜひ読んでみたい歌人の一人です。
思えば四年まえ短歌人の夏の集会(甲府)にはじめて行ったとき、小池さん、藤原さんに会いました。当時はそんな遠くまで出かけることさえ冒険でした。藤原さんは初心者の私に、大きな身体を折るようにして丁寧に挨拶してくださいました。あれから少しは進歩したのだろうかと思う今日このごろです。
読んでいると、胸の辺りが温かくなってくるようで、近藤さんの心の豊かさが滲み出ていると思います。
僕も短歌を作るんですが、納得のいく短歌が作れずに日々悩んでいます。
何分、まだまだ経験が浅いですから。
それにしても、藤原さんのように、誰に対しても礼を重んじる姿勢はぜひ学びたいものですね。礼は尽くしても尽くし過ぎることはない、ということですか。有名な歌人の一面が垣間見られて大変うれしく思います。
精進いたします。