気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人10月号 秋のプロムナード その1

2011-09-28 23:32:05 | 短歌人同人のうた
空たかく抛りあげたり しばらくはわれが映りてゐたる鏡を

生も死も杳くありたり桃の実の熟るる匂ひがゆふやみに満つ

(原田千万 桃の匂ひ)

目瞑れば私の歳の亡母が居て堕落も懈怠もゆるしてくれぬ

よく生きるとはどのようなことだろう 大夕立にほぐれゆく羊歯

(高野裕子 三十一文字の憂鬱、あるいは愉楽)

いちめんの瓦礫みながらかへりたる燕ふたたびこの浜に来い

白波をめぐりにたてて泳ぎをりうしなひしもの背に生えるまで

(金沢早苗 八月の木)

口笛を吹きて仲間を集めむかリヴァー・フェニックスはもうゐないけど

ノンシャランと唱へてみたり陽はすでに天空にある八月の朝

(大越泉 ノンシャラン)

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短歌人10月号。秋のプロムナードから。
まだまだ続きます。

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