気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2006-10-09 23:55:00 | 朝日歌壇
眠り初めし吾のメガネをはずしくるる孫の仕草よ寝たふりをする
(日置市 切手清夫)

ずさんなる仕事叱れば「ですよね」と同意も手抜きこの若き部下
(和泉市 長尾幹也)

眠れぬと深夜にMac(マック)立ち上げてネットするらし八十路の母は
(出雲市 土屋郷子)

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一首目。作者と孫のやさしい交流がわかる作品。初句、三句の字余りや、文語と口語の混合が気にならないでもないが、作者の住所氏名がとても気に入った。
二首目。「ですよね」とカッコで括ったのが、意味を強くしている。内容も共感できる。「仕事を」「手抜きの」としてもよいところを、助詞を抜いて、ぷつぷつ切れる感じを出している。
三首目。いまはこういう八十歳もいるのだろうなと感心した。「ネットする」というのは、気持ちの悪い言葉だが、今はこういう言い方をするのだろう。この歌には合っていると思う。八十歳の母がネットでおかしなものを買わないか、家の中のことをペラペラ喋らないか、これもまた心配だろう。



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4 コメント

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Unknown (つたまる)
2006-10-10 01:07:40
先日は、アドバイスありがとうございました☆

いま、例に漏れず?近藤芳美さんの初期作品読んでます。



さてさて、

今回の掲載歌、

二首目が気に入りました。

わたしもまだまだ27なんですが、

注意されないと、

自分の言葉遣いは治りませんね・・・。





追伸。

おはずかしながら、

拙短歌のURLを記しておきます。

ただ読んでくださいましたら、

それだけで幸いです♪

http://www.sky.icn-tv.ne.jp/~tutamaru/sub171.html

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Unknown ()
2006-10-10 09:40:33
一首目、とても微笑ましい歌ですね。

俵万智さんの『プーさんの鼻』を読んで以来、すっかり、子、孫の歌が好きになりました。

〈私〉を詠む短歌にとって、〈私〉の〈家族〉は大変大きな意味を持ちますよね。味わいのある歌にしやすく、読んでよし、詠んでよしの歌種だと思います。

こんなアット・ホームで心温まるドラマを、三十\一音に収めるところが、短歌のだいご味ですよね。



「切手」さんは「切手晴夫」さんだったらもっと面白かったのに。なんちゃって。



つたまるさん。はじめまして。僕もまだ始めて間もないんですが、色々な方の短歌を読んで勉強したいものです。

インターネットだと、東郷雄二さんという方の短歌評論がお薦めです。

解りやすく、読み応えがあって、選ぶ歌人が旬。短歌誌にも何度か寄稿されている学者さんなんですが。



今度、僕も「短歌研究詠草」に投稿してみようと思います。「うたう☆クラブ」には投稿しましたが。



十\一月号、一月号をお楽しみに。
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Unknown (かすみ)
2006-10-10 15:35:59
つたまるさん HPのイラストにちょっとびっくりしました。



森さん 短歌でよく「つきすぎ」と言いますが、切手晴夫はつきすぎなので、清夫くらいがいいかと思いました。以前、ショウジハルコさんという知り合いがいました。
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Unknown (つたまる)
2006-10-11 00:53:43
近藤さん、

イラストで驚かせてしまいました^^;

今期は、イラストのような、ちょっと気だるいアドルトな歌を多く詠めたら、と思ってます☆



森さん、

はじめまして!

東郷さんのHP紹介ありがとうございます☆

拝見しました。

じっくりじっくり読んでいきます♪

これからもヨロシクお願いしますm(。-_-。)m
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