履歴書を茶色いペンで書いてきたマスブチ君が職場に馴染む
(横浜市 原田彩加)
木枯しに車を誘導する男車とだえて足踏みしおり
(三原市 岡田独甫)
小春日のニコライ堂に登る道バッハのチェロ曲似合う道なり
(東京都 三戸悠紀)
***************************************
一首目。履歴書を茶色いペンで書くとは、常識はずれ。しかし、そんなマスブチ君も職場に慣れてきたことを作者は喜ぶ。上句の具体的な行動で、マスブチ君の人柄がわかる。マスブチというちょっと珍しい名前もリアリティがある。
二首目。労働の歌。車を誘導して動いているときは、寒さが紛れるが、車がとだえるとしんしんと冷気がしみて足踏みしてしまう。この歌も現実味があっていい。
三首目。ニコライ堂は東京神田駿河台にある。数年前、新年歌会のために上京したとき、一度だけ行ったことがあるが、たしかにバッハの曲が似合いそうな雰囲気があった。
http://www.geocities.jp/ynicojp2/seido-haikan.html
(横浜市 原田彩加)
木枯しに車を誘導する男車とだえて足踏みしおり
(三原市 岡田独甫)
小春日のニコライ堂に登る道バッハのチェロ曲似合う道なり
(東京都 三戸悠紀)
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一首目。履歴書を茶色いペンで書くとは、常識はずれ。しかし、そんなマスブチ君も職場に慣れてきたことを作者は喜ぶ。上句の具体的な行動で、マスブチ君の人柄がわかる。マスブチというちょっと珍しい名前もリアリティがある。
二首目。労働の歌。車を誘導して動いているときは、寒さが紛れるが、車がとだえるとしんしんと冷気がしみて足踏みしてしまう。この歌も現実味があっていい。
三首目。ニコライ堂は東京神田駿河台にある。数年前、新年歌会のために上京したとき、一度だけ行ったことがあるが、たしかにバッハの曲が似合いそうな雰囲気があった。
http://www.geocities.jp/ynicojp2/seido-haikan.html
私は「坂」が登るのも詠うのも苦手なので、かすみさまの『雲ケ畑まで』の中の「坂」のお歌は本当に感心しました。
よいところにお住まいなのですね。私は一度行ったきりです。旅人と長く住む人では見る眼がちがうでしょう。
『雲ケ畑まで』の坂の歌というと、最後の「上るより下るが難き坂道のなかほどあたり風を見てゐる」でしょうか。あの歌は、まったく話題にのぼらない歌でした。自分では好きです。