気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2013-12-16 19:03:33 | 朝日歌壇
履歴書を茶色いペンで書いてきたマスブチ君が職場に馴染む
(横浜市 原田彩加)

木枯しに車を誘導する男車とだえて足踏みしおり
(三原市 岡田独甫)

小春日のニコライ堂に登る道バッハのチェロ曲似合う道なり
(東京都 三戸悠紀)

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一首目。履歴書を茶色いペンで書くとは、常識はずれ。しかし、そんなマスブチ君も職場に慣れてきたことを作者は喜ぶ。上句の具体的な行動で、マスブチ君の人柄がわかる。マスブチというちょっと珍しい名前もリアリティがある。
二首目。労働の歌。車を誘導して動いているときは、寒さが紛れるが、車がとだえるとしんしんと冷気がしみて足踏みしてしまう。この歌も現実味があっていい。
三首目。ニコライ堂は東京神田駿河台にある。数年前、新年歌会のために上京したとき、一度だけ行ったことがあるが、たしかにバッハの曲が似合いそうな雰囲気があった。
http://www.geocities.jp/ynicojp2/seido-haikan.html

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2 コメント

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Unknown (かすみ)
2013-12-17 16:03:58
風信子さま

よいところにお住まいなのですね。私は一度行ったきりです。旅人と長く住む人では見る眼がちがうでしょう。

『雲ケ畑まで』の坂の歌というと、最後の「上るより下るが難き坂道のなかほどあたり風を見てゐる」でしょうか。あの歌は、まったく話題にのぼらない歌でした。自分では好きです。
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Unknown (風信子)
2013-12-17 10:12:18
こんにちわ。ニコライ堂は家のすぐ近くなので、面白く読みました。住んでいるとこういうとらえ方はしないなとか、人にって材料の料理法が違うから歌はいろいろあっていいのだとか思いました。
私は「坂」が登るのも詠うのも苦手なので、かすみさまの『雲ケ畑まで』の中の「坂」のお歌は本当に感心しました。
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