気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2008-02-04 21:56:39 | 朝日歌壇
此の世より彼の世に永く住まう子の五十回忌の近づきにけり
(つくばみらい市 久保志津)

幸せを渡さるるには小さすぎる窓よりジャンボ宝くじ受く
(さいたま市 吉田俊治)

正座して絵本に見入る四歳のおしりの下の10本の指
(広島市 志喜屋美穂)

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一首目。先に亡くなった子供の忌日を思う親の気持ちは切ないだろう。それが五十回忌ともなると、作者も相当高齢になっておられると想像できる。お子さんはいくつでなくなられたのだろう。親より早く亡くなった子を言いあらわすのに、こういう言い方もあったのかと感心したが、悲しい。親はいつまでも忘れることが出来ない。
二首目。小さな窓口から、大きな幸せを持ってくるかもしれないジャンボ宝くじを買う歌。ジャンボ宝くじというネーミングも、よく考えれば面白い。庶民のささやかな夢を買うのは、小さな窓で、その大小の比較がおもしろかった。
三首目。おしりのしたの足の指の様子から、四歳の子が夢中になって絵本を見ている様子がわかる。数字が具体的に入って効果をあげた歌。

外来の患者の血圧計りつつ「ギョーザ食べた」と看護師は問ふ
(近藤かすみ)


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