はがき10円封書20円切手のころ明るき一生(ひとよ)を念ひてありき
午年の見本切手もはり出され初春の気は郵便局に生ず
(斎藤典子 ひとひら)
点線の枡目へぴたと切手貼るようにはゆかずわれの気持ちは
十円分足りず戻って来た手紙 出したくもあり出したくもなし
(荒井孝子 乙女座)
個性的であればあるほど好まれて日本にはない三角切手
シートから一枚切手切り離す瞬間今年の秋が始まる
(森 直幹 夏の終わりに)
切手なくメール便にて来る封書つみおきて開く三日の後に
八十円切手のキジバト飛べるのか色なき空の下にたたずむ
(寺島弘子 かなしみ色の切手)
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短歌人12月号。12月の扉より。今月のお題は「切手」
左上に切手貼るとき目を逸らす風流美人図傘さす女(近藤かすみ)
午年の見本切手もはり出され初春の気は郵便局に生ず
(斎藤典子 ひとひら)
点線の枡目へぴたと切手貼るようにはゆかずわれの気持ちは
十円分足りず戻って来た手紙 出したくもあり出したくもなし
(荒井孝子 乙女座)
個性的であればあるほど好まれて日本にはない三角切手
シートから一枚切手切り離す瞬間今年の秋が始まる
(森 直幹 夏の終わりに)
切手なくメール便にて来る封書つみおきて開く三日の後に
八十円切手のキジバト飛べるのか色なき空の下にたたずむ
(寺島弘子 かなしみ色の切手)
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短歌人12月号。12月の扉より。今月のお題は「切手」
左上に切手貼るとき目を逸らす風流美人図傘さす女(近藤かすみ)