気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人1月号 1月の扉

2012-12-28 00:37:01 | 短歌人同人のうた
疲るれば大の字になるていたらく秋はひそひそ雲ひとつ連れ

逝きし子から脱出したい十八日目 無理しなさんなと雲のひとひら

(栗林菊枝 端くれ)

夜ぞらとぶ雲の速さよこはいもの知らずだつたねたのしかつたね

図書館のわすれもの箱の底にありふるきオカリナ夕ぐものいろ

(金沢早苗 まぶしき雲)

晴天を見上げて飽かず<雲一つない>ということほんとうにある

天窓に雲見ゆる歯科クリニックあると聞きたりいつか行きたし

(加藤隆枝)

見渡せば霞か雲かはた雪か塗りつぶされて都市は書き割り

すじ雲の秋なつかしく人は居てメリヤス加工看板のこる

(柏木進二 雲井)

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短歌人1月号、1月の扉。今月のお題は「雲」。