気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2012-12-03 20:06:56 | 朝日歌壇
数多なる閲覧者と居て図書館の静寂(しじま)を独り親しみ過ごす
(春日井市 小川洋栄)

軍艦の名の付く通り多くしてこの町なぜか時雨が似合う
(舞鶴市 吉富憲治)

ケイタイの灯りに顔の明るめる女は冬の闇を背に負ふ
(小松島市 関政明)

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一首目。すんなりとよくわかる歌。私も図書館の静寂が好きだ。公共の場所で、よくしゃべる人は苦手。歌としては、わかりすぎる感じもあるが、よくまとまっていると思う。
二首目。舞鶴市は同じ京都府なのに、行ったことがない。むかし軍港だった名残なのだろう。一度行ってみたいと思わせる歌のちから。
三首目。ケイタイは懐中電灯の役目も果たしている。ケイタイでだれかと繋がっていても、そんなに幸せそうには見えない女性。明と暗の対比が面白い。下句、漢字とひらがなが一字ずつ交互に出るのが気になるのだが、ここはどうしようもない感じ。