表題のコタールは、カミュの「ペスト」での登場人物。
彼は、犯罪者でどこかから逃れてきて、オランの街へ流れ着いた。
と言う設定だけどね。
すると、くだんのペストが猖獗を極め、って流れだ。
ところが、彼、まわりが騒ぎ出すと、なぜか、居心地がよくなってくるんだよね。
誰も彼もが、お互いを監視、とまではいかないかも、だけど、疑いの目で見るわけだ。
あいつ、ペストじゃね、くらいの話だね。
俺にうつすなよ、って具合だ。
オランの町中の人々が、そんな気分になっていることに、彼は、安堵する。
ってシーンが、面白くてね。
ペストは死をもたらすから、怖いはずなんだけど、しかし、ペスト禍が終息すると。
コタールは、犯罪者としてどこかへ収監される、んだよね、たぶん。
終わってほしいけど、終わってほしくない、みたいな。
これ、犯罪者という設定だけど、僕的には、ごくごく普通の、よくありがちな。
つまり、他者を疑う、恐れる、訝しむ、みたいな心理で暮らしてる、そんな姿を想像し。
「犯罪者」という設定でなくても、どこにでもいそうな、そんなキャラと見ると。
ということで、面白くて、いつか、このブログに書いてみたいな、なんて思っていたんだ。
なにせ、わが方も、今や、相互監視みたいな気分、濃厚な社会の住人、でしょ。
どこかの店先に張り紙したり、誰だか、ガラスを割っちゃって、みたいな映像、流れていたな。
そもそも、social distanceだっけ、距離を空けろ!距離を、ってなもんだ。
ひょっとしたら、本質を突いている、そんな標語かもしれないよ、なんて悪魔の囁きにも。
なりそうな。
そこで問われる人間力、なんて続けると、どこかの賢人みたいだけどね。
ところで、表題。
このコタール、フランス語ではどんな意味なのか、ってのが、なぜか興味深くて。
例えば、山田、なら、山と田んぼ、でしょ、当たり前だけど。
そんな具合に、コ・タール、なんて書くと、co tard、で「共に&遅い」となる、とかね。
なんか、寓意的な名前だったら、おもしいろな、なんてね。
朝から、そんなことが気になっていたわけだ、平和だね。
いずれにしても、「ペスト」や「COVID-19」やは、普段見れない姿かたちをわかりやすくしてくれて。
って、当たり前といえば当たり前か。
さて、朝刊のお休みの今日、素敵な一日にしますよ、きっぱり。
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