マジョルカピンク

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許す・許さない

2018-01-26 17:49:29 | 政治・時事
自分語りになりますが…自分はバブルを経験した世代です。
北海道は他地域に比べあまりその恩恵を受けなかったように思いますが、私の様な者でも正社員になれて、なんとかやってこられたのもその時代のお陰かと。何とも言えない軽佻浮薄な時代で、映画「バブルへGO!」に描かれているような、今の若い人が見たら「はあ?」と首を傾げたくなるようなチャラチャラした不思議な時代を生きました。ただ今振り返ってみればそうだったなあと感じますが、その当時はそれなりに不安定な暗い時代だと思っていたものです。その後まさか世の中がグローバル化した後、格差が広がり二極化し、ポピュリズムが台頭し、ミサイルが頭上を通過するような時代が訪れるなんて、全く思いもしないことでした。私が若かったころ、右翼というのはほとんど死語でした。特攻服のような格好で街宣車でやってくる不気味な人たちというイメージです。
何が言いたいかというと、文春砲を受けて引退を発表した小室さんの件でつくづく隔世の感を感じた。世の中はすっかり変わったということについて語りたいのです。

昔話ばかりでなんですが、私の若い頃は「金妻」なるドラマが流行り、不倫というものはひどくありきたりなことでした。ちなみに私自身に不倫の経験は全くなく、なんなら普通の恋愛経験もあまりないような(^^;昔から女子力低い自分なのですが周りは実に盛んで、昔は社内、友人・知人など多くの人がそういうことをしていたと思います。もちろん芸能人もそうでした。
昔も今も変わらず、芸能メディアは芸能人や有名人の不倫の話を報じてきました。で、その度に騒がれてきたのですが、昔はなんというかスキャンダルも芸能界の華というか…。何か手の届かないスターたちの華やかな恋愛模様を興味本位にネタとして楽しむ余裕があったような気がします。
でも今はちょっと雰囲気が違って、芸能人が起こす数々の不祥事(たとえばクスリとか暴力沙汰とか警察の御厄介になるようなこと)と不倫が同列に語られることが多いと思います。
私自身としては、仮に私が結婚したとして、不倫されたらやっぱり悲しいし、自分の親がそんなことしてても嫌だし、といった嫌悪感はありますが、それはそれ。世の中色んな人がいて色んな考え方があるんですから、夫婦間でコンセンサスがとれているならいいんじゃないのという考え方です。本人のプライベートな問題だし。倫理に反していると言われたって、恋に落ちてしまったものは仕方ないのではないですか?まあそういう感情には馴染みが無いので本音のところあんまりわからないけど。理解はできる。第三者がとやかく言うことじゃないと思います。
ですから最近の、不倫した芸能人有名人を晒してとにかく叩く風潮はあんまり好きではありません。今回報道を受けて大御所が引退というウルトラC的決着になってしまったので、逆に文春が叩かれていますが…私はこの不倫報道の件ではそこだけを切り取って仰々しく後追い報道をするテレビ、ネットとそれを真に受け叩く視聴者が悪いと思うのです。
ベッキーと川谷さんの時はめっちゃ叩いていたじゃん。でも小室さんは可哀想( ノД`)シクシク…っていうのは本当に差別的。私見ですが、不倫問題は特に女性に対して世間は厳しく、男性には甘いように感じるのです。日本は昔から公然とお妾さんや2号さんと呼ばれる存在が社会的にも半分認められているような風潮もあり、またワイドショーの主な視聴者層の主婦の方たちからは、不倫する女性というのは自分の旦那を奪うかもしれない危険な女性であるとみられるとともに、妬ましい存在なのかなと思ったりするのです。
とにかくそんなわけで、最近は不倫する人はクズ!社会通念上許されない!責任を取るべき!みたいなガチガチな論調が多いように思います。でも自分はそういう「許せない」社会ってなんか監視社会みたいなね。窮屈で生きづらい世の中のような気がして、あんまりいいと思わないです。ルールを破ってばかりじゃダメですが、もう少し寛容な世の中になってほしい。

バブルの頃は好景気で人の気分も楽観的で高揚していた…ような気がする。経済がある程度右肩上がりで推移していくと思われていたし、懐に余裕があったのでみんな物を買った。車、家、マンション、別荘、ゴルフ券、海外旅行。家電も色々なものが発売されたし高かった。
若い人はトレンディドラマをロールモデルに、DCブランドでお洒落をし高級車を無理して買い、モノクロのお洒落な部屋に住んだ。エネルギッシュでよく遊びよく働いた。「24時間働けますか」というコピーが流行り、栄養ドリンクを飲みながら天井知らずの残業代を稼いだ。イタリアンでティラミスに舌鼓。ディスコでユーロビートを激しく踊った。
徹夜で働いたあと海に行ったりスキーに行ったりしてデートを楽しんだ。クリスマスには高い一流ホテルの部屋を予約し、高級なディナーを楽しみ高額なプレゼントを贈り合った。こんだけお金使っていれば、そりゃ景気も良くなるはずよ。
昔はそもそも安い服って売ってなかったし、そういうものはダサかった。高級品イコールいいものだった。ダサいと言われるのは致命的なことだった。
あのころの日本は完全に調子に乗ってた。でも社会に活気はあったよなあ。
現在じゃ世間の波に取り残され、会社では使えないとお荷物気味のバブル世代だけど、今もカラ元気と楽天さだけはあると思うし、派手にお金を使って経済をけん引してきたという自負がある。いつの時代もそうだと思うけど、自分の人生が充実していれば他人がやらかした人生なんてそうそう気にならないはず。ネット社会で人々の隠された悪意が表面化したせいかもしれませんが、些末な事象でいちいち炎上し大騒ぎになるのは、行き場のない鬱屈した思いを抱えた人々が、他人を(特に人前に出ることを生業としている有名人)糾弾し叩くことによって、なにか溜飲を下げるような気持ちになるからではないかな。自分も少しそういうところあるもの。
世間と一緒になって、「社会通念上あるまじきことをしたとされる人」しかも普段は会うことも無い雲の上の存在の、地位も名誉もお金もある一見光り輝いて見えるような有名人を「社会のルール」を盾に叩くのは、自分があたかも一段上の人間になったようで、楽しく気分もいいのだと思う。でなければこんなにあちこちで炎上なんてしない。
でもそれは幻想にすぎないんだよね。本当の事なんか誰にもわからないし、たとえそれが本当でその本人に非があったとしても、本人やその家族、あるいは関係者、百歩譲ってファンでもなければ、意見する権利なんかないんじゃないかな。許すも許さないもない。今の時代はあれもこれも許さないという窮屈な社会で、色々緩かった私の世代からみるとまるで恐怖政治のように違和感を感じるのです。
不倫したって「世間をお騒がせして」なんて謝る必要もないと個人的には思うし。
今回の小室さんのことに関しては、不倫の追求のはずが妻の介護が大変で…という話にすり替わってしまい、小室ファミリーで一世を風靡した稀代の音楽家がこんなことで引退とは、とインパクトも大きく世間に同情を誘う展開になってしまった。本来なら違う問題がごっちゃになってしまい、なんだかなあと私自身は残念に思うのですが。まあこれをきっかけに不倫不倫と有名人を追い込むような世論は変わってほしいと思うし、もっと芸能とかの話題じゃない方面で色んな議論が起こり色んな意見を享受できる自由な世であってほしいと思う。


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