マジョルカピンク

水曜どうでしょう。大泉洋。大谷翔平。大好き

インドなんて二度と行くか!ボケ!!

2010-11-30 20:52:38 | 
先日書店でこんなタイトルの本を見つけまして。
タイトルと表紙(ターバンを巻いたおっさんの笑顔どアップ)のインパクトにつられ購入し読んでみましたが。

いやー面白すぎる!

帯に「電車で読んではいけませ~ん!だって吹き出しちゃうよ」という注意書きがわざわざあったにもかかわらず、うっかり地下鉄ん中でひらいて本当に「ブっ」と吹き出してしまいました。
ニートの青年が失恋のショックと現状打破のため(?)一念発起してインドに出かけるのですが、そこで散々な目に遭うという大爆笑必至の旅エッセイです。

とにかく文章がすっごく上手くて、独特のとぼけた味わいがあるんだよね。描写も上手くて行った事ないインドの情景がぶわーっと想像できる。
散々インドやインド人に対して悪態ついてるんですが、そのイジリ方には愛がありますね。酷いタイトルですがサブに「…でもまた行きたいかも」と可愛くフォローしてありますし。悪口言えばいうほど逆にインドに興味が湧いてきて、読んでいるほうとしては本当にそんな所なの?と思わず確認したくなりますわ。

まあこの本読むとインド人の殆どが嘘つき・詐欺師・金の亡者みたいに思えますが(笑)、ここほどではないかもしれませんが、観光地って大なり小なりそれに近いとこあるよなあ。
国内でも国外でもパックツアーの工程の合間合間に行きたくもないお土産屋さんや地元の工芸品の工場に連れていかれたりとか、勝手に写真撮ってお金要求するとかね。
そういうのは本州の温泉地でも、香港でもタイでもイギリスでもありました。日本人てのはいいカモに思われるのかもしれません。
しかしこのエッセイの面白さは、騙されても騙されてもメゲることなく地元民とコミュニケーションをとり続け、逞しくなりしまいには交渉術まで身につけてしまったこの作者の成長ぶりにありまする。

調べるとインドだけでなく中国やアフリカ、南米などにも出かけ旅行記を書いているようなので、ひと通りチェックしてみたいと思います。
自己啓発疲れ、スピリチュアル本疲れだった私にこれは大変楽しい刺激になりました。
今年一番笑った本です。

太陽の墓場

2010-11-29 21:31:31 | 映画
一夜にして雪景色になってしまいました。天気予報どおり。
本格的な冬将軍到来。今日は真冬並みの寒さです。週末までには一旦雪は溶けるとのことですが。今からツルツル路面とか勘弁してくれ。今年は早い。早いよ~。

先日大島渚監督作品の「太陽の墓場」(1960年製作)をDVDで見ました。
DVDのパッケージによれば、大阪の釜ヶ崎があいりん地区へと名称を変えるきっかけともなった問題作とか。真偽のほどはわかりませんが。

いわゆるドヤ街で刹那的に暮らす底辺層の若者の話です。
戦後と言っても昭和30年代になっていて、一方では太陽族とかみゆき族などリッチな遊び人が多く現れ、青春を謳歌していた時代のはず。
ところがこの地域は高度成長期を迎えても戦後すぐの混乱期のような荒みっぷり。
その日暮らしの貧しい人々が多く住み、日々日銭を稼ぐので精一杯。身体を売る者、血を売る者、戸籍を売る者、ヤクザ、チンピラ、淫売、詐欺師、犯罪者、外国人などが長屋のようなところでひしめきあって暮らしていて、見ているだけで息苦しいわ。
これは確かに街のイメージダウンにはなりますわな。
戦後の繁栄の陰に、こういう暗部もあるという告発的な意味合いで製作したのかな。
「太陽の季節」とか「狂った果実」とか、ああいう路線に対するアンチテーゼかもしれません。タイトルからしてそんな感じだし。
まったく知らない女優さんだったのですが、ヒロインの炎加世子さんが印象的。目力があって女豹みたいにワイルドで、生命力に溢れています。魅力的です。
チンピラのリーダー役で若き日の津川雅彦さん、優しい好青年役でささきいさおさん(宇宙戦艦ヤマトの主題歌歌ってた人)も出演されてます。


最終回ぜよ

2010-11-28 20:12:54 | テレビ
1年の長きに渡って放送されました大河ドラマ「龍馬伝」も今日が最終回。
いや~日曜夜8時の視聴習慣も今日が最後かあ。
長い長いと思ってましたが、月並みですが過ぎてみればあっという間。
祝・大泉洋、音尾琢真大河ドラマ初出演ってことで見始めたのですが、ドラマじたいが素晴らしく、毎週毎週感動しながら見ておりました。
これまで大河ドラマにはまったことは少なく、途中から夢中になって見た「新撰組!」、「篤姫」意外はほとんどスルーだった私。それが「龍馬伝」に関してはほぼ全話オールクリア。
なんといったらいいですかね。
すごく面白いドラマだったかと言われると、またちょっと違うような気がしますが。テレビドラマのクオリティの高さを見せつけられたというか。現場の熱気が画面に伝わってくるような、迫力ある作品でしたねえ。
以前も何度も書いたんですがこのドラマに出ている人で、大根役者一人もいないです。つーか毎週毎週登場する役者さん皆さんがベストな演技を見せてくれるので、おなかいっぱいって感じでしたな。
この作品で新境地を拓いた方、注目を集めた方たくさんいらっしゃったんじゃないでしょうか。
前半は大森南朋さん、佐藤健さん、宮迫さん、中盤は原田泰造さん、後半は伊勢谷さん、青木崇高さん。皆さん本当に素晴らしかった。一世一代の演技でした。
4人いらしたヒロインの中では蒼井優さんのお元が一番良かったかな。「竜馬がゆく!」などではあまり出番ないですけど、龍馬伝では隠れ切支丹という設定にして役柄に深みをもたせていましたね。存在感がありました。
そして大泉さん音尾さんにとっても、代表作のひとつになりましたね。ありがたいことです。役者として大きく成長させてくれました。
何より福山さん、お疲れ様でした。
これほどのヒーロー役ってそうそう巡り合えないと思うんです。
これまでにもたくさんの役者さんが龍馬を演じてきていますが、その決定版と言えるんじゃないでしょうか。当たり役でした。優しく純粋でしたたかで。この上なく魅力的な龍馬でした。
こんな熱く男っぽく、見ごたえある大河ドラマってもうしばらくないでしょうね。あ~あ寂しいなあ(泣)

球形の荒野

2010-11-27 23:24:59 | テレビ
お昼に何気にHTBの「ほんわか」を見ていたら突然タコ星人に扮した人が出てきて驚く。ミスターなの?と思いきや、日ハムの武田勝投手だったよ。
噂には聞いてたけど、本っ当に水曜どうでしょう好きなんだね!一体野球選手でテレビ番組でここまでコスプレする人がいたでしょうか(笑)しかもこれ本人が是非やりたいって言ったんでしょ?HTB的にこんなありがたいゲストいないですよね。タコ星人のあと「たっくん」までやってたしさー。ずっと「1/6の夢旅人」かかってたし。同じ藩士としてすごくシンパシーを感じますよ。ありがとう武田選手。

昨日今日二夜連続で放送された「球形の荒野」見ました。
松本清張作品、そして昭和懐古ものにハズレなし。
全体的に地味な抑え目のトーン、抑制されたお芝居が良かったです。
松本清張の代表作によくみられるのが、戦中・戦後の混迷、混沌が発端になって、その後高度成長期に事件が起きる、というパターン。
日本の社会にとって「敗戦国」という烙印は、戦後懸命に生きた日本人たちにとって十字架のように重くのしかかっているのかなあと。もちろんそれをバネに頑張ってきたからこそ急激な繁栄があったのですけれど。
豪華な出演者が揃い、見ごたえのある作品でした。中でもヒロイン役の比嘉愛未さん(NHKの朝ドラに出てた方よね)は、昭和の深窓の令嬢的な清楚で上品な雰囲気が出ていて素敵だったと思います。

ほしいものはなんですか?

2010-11-27 00:38:25 | 
エッセイ漫画の名手益田ミリさんの「ほしいものはなんですか?」
先日書店でみかけて即買い。一気に読みました。
もうホントにね、いつもこの方の著作を見て思いますが、あなたは私?って感じですよ。共感!この一言に尽きます。

アラフォー専業主婦のミナ子とアラサー独身一人暮らしのタエ子。
立場は違えど悩める二人の女性。そこそこ幸せ、そこそこ充実。でも何か物足りなく、ぼんやりと不安。
「このまま歳をとって。“何にもなれずに終わるのかな”…」
「どうして女の人は習いごとをしたがるの?」「人生をマシなものにしたいからじゃない?」
「わたちたち、いつの間にか張り合わされてる。自分のもちものを見せ合ったって、しょうがないのに」
もう全世代の女性が共感できるグサグサくる台詞が満載だ。
何気ない日常を淡々と、ほのぼのタッチで描いているのだけなのに、妙に心に突き刺さる。
女どうし、本当は異性よりも深く分かり合える存在なのに、なんとなくある程度の年齢になると「幸せ比較ゲーム」に否応なしに巻き込まれていく気がするんだよね。
自分は自分と言い聞かせつつ、なかなか世間と自分自身との折り合いの付け方が難しくなってくる感じ。
相手も自分の生き方も認めつつ、できれば穏やかな心で生きていきたいものです。

この本、ミシマ社ってところから出版されているんですが、挟んであるチラシや栞が手描きの文字とイラストでなんとも可愛らしく癒されます。こんなアンケートハガキなら思わず感想書きたくなってしまう。社のマークまで可愛いです。