マジョルカピンク

水曜どうでしょう。大泉洋。大谷翔平。大好き

3番目の殺人

2017-09-20 17:26:27 | 映画
秋は映画の季節。今年に入って全然見たい映画やらないし~と腐っていましたが、9月に入って興味深い作品が次々と上映されます。
最低でも「3度目の殺人」「散歩する侵略者」「ユリゴコロ」は絶対見たい。
で、18日の祝日夕方から時間が空いたもんで、さっそく「3度目の殺人」を見に行って参りました。

久々に見ごたえのある作品でした。大満足。
是枝監督作品ということで注目を集めていますが、多分賛否があるだろうと思います。観客も選ぶだろうと。
しかし、この結末を観客の創造力に委ね丸投げしちゃう感じ。大好き。見てスカっとする映画も感動して泣ける作品も好きですが、この作品のように「こ…これで終わり?真相は?」っていう作品も同じくらい好きなんだよなあ。そしてこの感覚を劇場で体験するのは久しぶりかなと思います。
↓以下激しくネタばれしています未見の方お気を付けください。
謎だらけな事件です。
映画の中で、監督は観客が今回の事件とその前科になった事件についてそのあらましや解決の糸口になりそうな事象を提示してくれてはいます。ですからある程度のところまでは推理が可能。
しかし肝心な箇所はグレーでぼけているので、どんな真相にたどり着いたとしても決め手に欠けると思います。そもそもそういった新犯人探し、謎解きミステリのような楽しみをさせないよう実は監督もその真相は決めないで書いているのかもと思いました。
罪とは、人を罰するとは、生まれてこないほうがいい人間とは。
3度目の殺人とは言わずもがな、自らを死刑になる方向へ持っていくように誘導させた?三隅自身のことでしょうね。裁判員制度だったというこの事件、結局真相や新犯人は二の次になり、粛々と裁判は進み予想された通りの判決が下るこの無力感。まるで見ている観客も三隅の死刑に関わったような後味の悪さが残ります。
作品の中で中国の小話が出てきますね。盲目の人たちが象を触ったら、その触った部位で同じ象でもまるで感想が違っていた。そりゃあ大きい象の鼻だけ触った人と耳だけ、脚だけじゃ全然違う意見になる。今回のテーマもそこなんでしょう。ひとつの事件をみんなで推理し構築させようと躍起になるものの、一人一人見方は異なるしその全貌を誰も把握していない。実際の事件や裁判も、案外そうなのかなと思います。辻褄の合う、誰もが納得のいくストーリーを導き出そうと弁護士にしても検察にしても自分たちの有利なようにすすめようとしますが、その真相は神のみぞ知るといったところ。意外と全く知られていない事実や動機が隠されていて、本来の真実と表向きの判決とは全く違っているのかも。私自身、普段事件の裁判などに於いて、犯人の生い立ちや動機やらで情状酌量の余地があったりするというのも中々興味深いなあと思っております。人を殺したのは同じなのに、理由があれば罪が軽くなるというのもどうなのかと。殺人は殺人なのにね。
というわけで、この作品、見終わった後も良い意味で非常にモヤモヤします。で、やはりこの作品を見た別な人と、語りたくなりますね。私はこう思うけど、あなたはどう?と。
私自身、数々の疑問があり今もまだ考え中です。
カナリアとか十字には特別な意味がありますかねえ。あと咲江がかなりファムファタール的というか謎に包まれていると同時に作品的にも色々背負わせ過ぎのような。足が悪い設定は目撃情報を得やすいから?生まれつきとか、幼い頃屋根から飛んだとか…嘘をつく子という情報じたい本当かな。あと食品偽装の話とか近親相姦の話とか、三隅が人の心を読めるような設定はちょっと唐突に感じましたね…。だからこそ、急な展開に重盛同様観客もこの三隅や事件の闇の深さに慄いてのめり込んでいくんですが。そのくせ観客に対してフェアじゃないと思うのが、被害者の男性の人物像には全く触れないし、三隅の実の娘さんに至っては全く姿を現さないという。見ていて、少ない情報を頼りに事件をたどる観客の心はゆらゆらと揺れていくわけです。役所さんの熱演も相まって、殺したのか殺してないのか全く読めない。わからない。
近親相姦の話は、ちょっと飛び道具的な感じがしました。あの母親と娘の関係、そんな闇が潜んでいるようには感じられないんだけど…。父親を殺したいほど憎む対象の裏付けとして、後から出てきた理由のような気がして、こういう問題は扱いが難しいですね。
あと父親以上に歳が離れた三隅と咲江はなんでそんなに親しくなるのかな。ちょっと理解しかねる。咲江は北海道大学を受験しようとしていて、相当三隅の影響を受けているようなので。

本筋と関係ないけど、北海道ロケを敢行しており寂れた不景気な町の代表みたいな扱いで留萌が出てきます。舞台も冬でいかにも寒々しく地の果てのよう。北海道はこれまでもたくさんの映画の舞台になることが多いですが、ポジティヴな場所に描かれることが少ないのが寂しいですね。
寒い、貧しい、人が少ないとかそんなんばかり。まあそれだけに人生を見つめ直したり、重厚な作品の舞台に使われることも多いわけですが、もうちょっとこう夏の北海道とかさ、良いところも表現してほしかったり(;^ω^)どうでもいい話でごめんなさい。

とにかく役所さんの演技が凄いのひと言ですね。表情が豊かで、神々しかったり怖かったり…翻弄されますわ。役者として演じていて楽しかっただろうと思います。
同じように福山さんも素晴らしい。重盛役は一見クールを装っていても、内面はどこかで人間を信じていたり優しさも持ち合わせていたり、弱さもある。一人の人間として三隅に心を寄せ、真実を知りたいと苦悩する難しい役を頑張っておられました。
好みが分かれるので万人向けではないのですが、色んな人と語り合いたい作品です。邦画の中では今のところ今年のベストだと思います。

簡単に運休にするけど

2017-09-19 18:03:27 | 日記
連休中実家に帰っていたのですが、昨日は台風の接近に伴いほぼ全道全域においてJRは特急列車などが軒並み運休。私が乗るはずだった大雪やライラックも運休となり、急遽朝高速バスで札幌に帰ってまいりました。何回目だよ~もうウンザリ。
言いたくないけど言わせてもらうわ。JR北海道はやる気がなさすぎる。まだ来てもいない台風の起きてもいない被害に怯えて大したことないのに全線運休。連休中ですよ?乗客を舐めてんのかと。
バスで来る途中ですが、雨も風も全然大したことなくて、まあ予想通り。こんなちょっと雨風があるぐらいの天気で運休してたら、しょっちゅう休んでなきゃいけません。冬なんて毎日運休でしょうが。乗客の迷惑も省みず、何か起きたら責任が怖いとばかりの腰の引けた態度。ムカつくわ~。確かに一部、被害はありました。浜益とか登別とか伊達とか?でもそれで全道運休にする理由はなんですか?また天気予報も大袈裟すぎる。北海道、北海道って言ったって北海道一つで他の県5つ6つ分くらいあるでしょう。広い北海道を一括りにしないほしいな。うちの田舎から札幌までっていうとほとんど北海道を右から左に斜め横断するような路線だけど、どこも被害出てないし全然大したことなかったんで。
あと以前から本当に疑問なんですが、勝手に運休にしておいて高い切符買っているのに、こちらから出向かないと払い戻しってしてくれませんよね?名前や連絡先を聞いておいて、運休したらきちんとアナウンスして、返金するのが筋なのでは?JR北海道って本当にズレていると思います。赤字解消なんて到底無理な話ですね。営業努力が全然見られないわ。

翔平 メジャーへ

2017-09-14 15:54:00 | ファイターズ
一昨日札幌ドームに行ってきました。
ずっと遠征ばかりで本拠地は久々。
もう上位争いはおろかロッテさんと熱い最下位の譲り合いを繰り広げているディフェンディングチャンピオン我らがファイターズですが(-_-;)昨日からかもう終盤戦ということでね、秋の祭典と銘打って様々なイベントを行ってなんとかもう一盛り上がりさせようと頑張っておりました。
昨日は約10日程ぶりに大谷選手が先発マウンドへ。
わたくし、またしても会社から大急ぎでドームへ向かい、汗だく(笑)
平日のゲームだと動員はたかが知れているのですが、やはりファンの皆さんも大谷選手を生で見られるののもあと僅かかな?と思っての事。昨日も前回同様たくさんのファンが球場に詰め掛けました。
前回は4回途中で4点とられ炎上してしまったのですが、今回はまずまずのナイスピッチング。
コントロールに難はあったものの、それはいつものこととして…160オーバーを4度ほど計測し最高速度は163!加えて昨日は高速フォークや曲がりまくる高速スライダーが冴えわたり、変化球がお見事でした。
実際ピッチングを見るまでは不安でいっぱいで。また甘く入ったところを一発打たれて炎上しないかとヒヤヒヤ。でもなんとか78球を一安打無失点で切り抜け、その後若手の打線が爆発し7対0で完封勝利。ついに今季初勝利まで手にすることができました。ここまで、今期長かったですね…。でも最上の結果で本当に良かった。
私自身、生で観戦した今季の試合の中ではこの日がベストゲームかな。打線がつながり点が入りまくると見ていても楽しい。
最後には札ド初アーチの2年目ルーキー横尾選手と大谷選手のヒーローインタビューまで見れて言うことなし!
若い二人のインタビューはまあチーム成績の事もあってでしょうが、神妙で非常に優等生的でした。特に大谷選手は申し訳ない、を連発。色々とファンに伝えたい気持ちを飲み込んでの「申し訳ない」なのかな。WBCに出られなかったこと。怪我をして長期離脱となりチームに迷惑をかけたこと。ファンの方々に満足いくプレーをなかなか披露できなかったこととか…。そして…。
その翌日ほぼ一斉にメディア各紙が今オフでのメジャー挑戦を報じましたね。

ええ。ええ。わかっていましたとも。寂しくて堪らないけど、泣きそうだけど、しゃーない。応援する。
昨年オフから。昨年日本一になったその瞬間から。大谷選手にとって、ハムで為すべきことはもう無くなった、本格的にメジャー挑戦へ舵取りすることになるだろうと。
だからこそこの1年は渡米前の大切な1年になるはずでした。
結局WBCに出場する夢も叶わず、他球団の野球ファンからは憎まれ、揚げ句左脚まで大怪我をして。大谷選手の野球人生始まって以来の最悪の年だったのでは。
当初全治1ヶ月から1ヶ月半と診断されていた肉離れも言われていたよりずっと重症で、チームにもかなりに悪影響を与えてしまいましたね。
今年ファイターズが不振に喘いでいたのも、主力の怪我や不調が大きいのですが、そもそもその不調を招いたのも、WBCの騒動の折チームやファイターズの選手たちに集まったヘイトによる影響も少なからずあったのではと思うのが私の見解です。球場移転問題、そして大谷選手のメジャー移籍の件など雑音が多すぎたように思います。

本人はまだ詳細を明らかにはしていませんが、まだシーズン中で10月1週目まで試合も続きます。それまでは口を閉ざしたままだと思うのですが、おそらく周囲の関係者や報道陣はわかっていて、こうして情報を小出しにしてくるのかなと思います。
立つ鳥跡を濁さず、というのは日本的な美学ですね。そりゃあ移籍前年を圧倒的な成績で締めくくりメジャーへ行くというのが理想といえば理想でしょう。ダルもマー君もマエケンもそうでしたし。
でも本人は日本での成績というものをあまり重視していないようですし、行けるときに行った方がいいと私は思う。
メジャーの規約もコロコロ変わり、トランプ政権後は移民などへの圧力は強い。今後外国人選手への風当たりはますます強くなるかもしれないのです。
確かに日本の宝を安く買い叩かれるのは解せないし、相応の金額の提示があってしかるべきなのですが、本人が行きたがっているこのタイミングで若い時に挑戦させてあげたいのです。そもそも松坂選手やダル、マー君のような超大型契約は個人的にはちょっとビッグマネー過ぎると思う。もらった分リスクも大きく、うまくいかなかった場合の反動も大きい。お金は結果が出ればあとから必ずついてくる。
茨の道かもしれないけど、これまで数々の不可能を可能にし、実力で批判を黙らせてきた彼の事。今度も夢を実現させ頑張ってほしい。彼の夢は「メジャーに行くこと」だけではない。その先の「メジャーで活躍し世界一の選手に」です。その夢を応援します。どこにいても、何をしていても。


二刀流

2017-09-01 19:19:27 | ファイターズ


昨日札幌ドームに行って来ました。
今シーズン初の大谷投手の登板を見るためにです。
チームはなぜか8月調子を上げ連勝中。しかも相手はダントツ首位のソフトバンク。相手に不足はないといったところでしょう。
去年最後にここで投げたのはCS突破を決めた最後の試合の最後のイニング。165キロを測定した伝説的なマウンドとなりました。
あれから約1年弱・・今の姿を想像したでしょうか。すでに隔世の感がありますね。

60球ぐらいで様子を見ながらとのことでしたので、3回かあるいは4回ぐらいまでか、もしかして順調にいけば5回までとか・・。
とにかく会社を出られるのが早くても18時近いので、ヘタしたらピッチングの姿を拝めないかもと焦りましたね。
地下鉄東豊線は満杯でそんなファンがうじゃうじゃ。ぶっちゃけ上位争いも出来なくなってしまった今の状況で、しかも平日夜とあれば普段ならお客さん少ないです。でも昨日は週末か?と見紛うほどの入りでしたね。すごい熱気でした。
みんなこの日を待ちに待ったと思う。打者として復帰した時ももちろん大喝采で迎えられましたが、昨日はまた格別。
言わずと知れた二刀流ですが、やはり投手時々打者というスタンスだと思うんです。実績やタイトルも圧倒的に投手としてのほうが勝る。
おそらくメジャーも、欲しいのはピッチャー大谷でしょうね。しかし、感覚で得意としているのは打撃の方だというんですから。他の一流選手たちからも投手のほうが凄い、打者の方が凄いと意見が分かれるのが規格外の選手たる所以です。

3回までは、昨年を思わせるような問題ないナイスピッチング。
しかしまさに60球近くなったころ制球が定まらなくなり、カウント悪くして甘めの球がいくようになり、打たれて4失点。
その後降板しました。
ほろ苦いマウンドとなりましたが、でもファンはずっと温かく見守り、大きな声援を送り続けました。
失投はもったいなかったけど、まあ4失点はあまり言い訳できません。
それでも見てて、なんか涙出そうになりましたもん。
ようやく札幌ドームのマウンドに帰ってきてくれた。
メジャーに行く前に、投げる姿を私たちに見せてくれた。
私は満足しました。

メジャーのスカウトが大挙して押し寄せ、いよいよ翔平くんは渡米するのかなと。
入団当初から若いうちに、移籍するだろうなとわかってはいても、いざその時が迫ってくると寂しい・・
本当にどこか移籍が決まったら、号泣してしまうかもしれません。
子どものころから大嫌いだった野球にここまで魅了されたのは大谷選手とファイターズのおかげ。
今年は本人の怪我、WBCに欠場して叩かれチームも低迷と、日本を去る年としては悔しい苦しい年でしたが、
球団もファンも入団の時を約束を守り、本人の希望を叶えさせてあげなくては。
1年でも長くいてほしいのはやまやまだけど、若いうちに挑戦させてあげたいです。
日本で見られるのがもうあとわずかなのか、それともあと1ねんくらい残留するのか。
シーズンが終わるまで不透明でしょうけれども、少しでもこのスーパースターのプレーを見ておきたいと思うのです。