マジョルカピンク

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探偵は吹雪の果てに

2012-02-04 23:42:48 | 
ススキノ探偵シリーズで昨年すでに読み終わっていた本の感想を。
シリーズ第6弾「探偵は吹雪の果てに」

とにかく驚いたのが驚愕の新展開。
「探偵はひとりぼっち」は、春子が妊娠を告げるという衝撃のラストだったわけで、いよいよ探偵もパパになるのか?と思いきや、なんとこの作品ではいきなり15年ほどの歳月が流れていてちょっとバブルの終わり頃の香りがしたこのシリーズが急に現代ものになって現れた、という感じなのである。探偵は30手前だったのがこれも急に40代なかばのおっさんになってしまった…。春子とはすでに別れて中学生の息子が春子に引き取られているという…。まあ探偵にマイホームパパとか全然似合わないし、一人の女性に縛られないクールな感じでいてほしかったけど、まさか30代をまるっとすっ飛ばしてしまうとは。これは結構ショックだった。
解説者が、シリーズもので急に設定が変わるとか年代がバーっと進んでしまうのは珍しいことではない、というような趣旨の事を仰ってますがこれはあんまりだ。
私の想像ですが、「探偵はひとりぼっち」と「探偵は吹雪の果てに」の間、作者の心境に相当の変化があったのかなと思われる。
とはいえ、この作品は面白い。今のとこシリーズ中で自分的には一番面白いと思う。
道央または道北あたりの寂れた真冬の田舎町。文化もないし人の心も荒んでる。警察も役所も町ぐるみで利権がらみの犯罪の共犯者みたい所で探偵が孤軍奮闘するんですが、その閉塞感、手詰まり感がもうたまらない。ススキノじゃないので桐原組にも頼れず相棒の高田もちょっとしか登場しない。凍てつく町に吹雪に保守的な人々。もう寒々しいったらありゃしない。こんなふうに田舎の自治体の腐敗を赤裸々に描いた作品もあまり見ないと思うので色々な意味でも興味深いし、大立ち回りもある。映画化するとしたらかなりスケールの大きな話になりそうで面白い。
ですがですが。
これさーススキノ舞台にしてるわけじゃないからススキノ探偵シリーズって言えないんじゃないかって気がするよね。
それに地方の田舎町が舞台って言ってもこの内容じゃ、どこもロケ先貸してくれないよう気がするんだよね。イメージ悪いもん。相田や高田や松尾など、シリーズに欠かせないメンバーがあまり出てこないのもちょっとねえ。いやーアレンジ次第ではなんとかなるのかな??高田と二人で行ったってことにすればなんとかなるかなあ。



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