マジョルカピンク

水曜どうでしょう。大泉洋。大谷翔平。大好き

CUE DREAM JAM-BOREE

2018-08-01 18:05:03 | 大泉洋・CUE
最近疲れ気味。何事においても時間の流れが速く感じてしまい、効率的に進められないでいる。
ブログに書きたいことは山ほどあるのに、面倒だから明日書こうと思い続けて何日も経過してしまう…。いかんいかん。こうしているうちにも短い夏がどんどん過ぎていく。

ファイターズはなんとか2位をキープ中。
でも正直なぜこの位置にいるのかよく分からないぐらい、そこまで好調な感じがしない。
ホークスにすごく良い形で3連勝して、おやこれは…と喜んでいたらあっけなく最下位楽天に悲惨な2連敗。それを払拭するようなオリックス戦の大勝。これはスイープのチャンスと思いきや、昨日は接戦から一転大敗となり、強いのか弱いのかよくわかりません。このファイターズについては後日またじっくり。
同じく大谷選手についても書きたいことはたくさん。先週は2本の特大ホームランと左投手からのヒットも飛び出しましたが、三振が多く、こちらも好調なのか不調なのか良く分かりません。こっちも後日あらためて書きたい。

先週末の金曜日は女3人で豊平川の花火大会へ。
年に一度しか開催されなくなり、今や貴重なイベントとなってしまいました。いやー暑いし適度に風はあるし、最高の花火日和でしたね。今年はベストなポジションを獲得して、本当に楽しく観覧出来ました。例年以上に美しく感じたし、新しい試みの花火もありましたわ。帰りは友人と大いに居酒屋で盛り上がり、久々に酔っ払って、自宅の風呂あがりにすっ転んで手と背中を打って痣を作りました(^^;年甲斐もなくはしゃいだ結果です…恥ずかしい。これぞ自業自得。
そしてその翌日の土曜日(本題はこれ)。
2年ぶりのバカの集まり。「CUE DREAM JAMBOREE」に行って参りましたよ!
かつてはこのジャンボリーに賭ける意気込みときたら私も半端なかったのですが、最近は特に事前準備などもせず、ナチュラルに参戦しています(^^;
サブタイトル「リキーオと魔法の杖」と銘打たれており、なんのこっちゃと思っておりました。毎回テーマがあり、だいたいNACSの誰かが総合プロデュースを担当しますが、タイトルで分かる通り今回は音尾さんでしたね。初プロデュース。後藤利喜男キャラのお芝居なのかなーと思いましたが、会場に入って、おや?ハリーポッターのパロディ?と思いました。貼ってあるポスターがそんな感じなんだもん。うーん(^^;しかし実際はCUEプレゼンツ、ロミオとジュリエットのミュージカル版て感じで…。
元々ジャンボリー自体はファンのための夏祭りというか、歌ったり踊ったりトークをしたり、何のコンセプトもなかったのが、回を重ね大好評を得、規模がデカくなるにつれて「今回のテーマは~」となっていったんですよね。今までだと山田家ジャンボリー、闘魂ジャンボリー、ハリケーンジャンボリー、ラジオジャンボリーetc…オリジナルソングを歌ったり踊ったりは変わらないのですが、メイン企画が毎回異なり、山田家は昔のドラバラの傑作のひとつ「山田家の人々」の番外編だったり、闘魂ジャンボリーはもう一つのマッスルブラザーズのタイガーマスクばりの悲しい生い立ちを映像と舞台で、ハリケーンジャンボリーはTEAM☆NACSの10周年?だっけ?ラジオは東日本大震災で東北の人たちが被災して間もない頃ラジオから聞こえてきたCUEさんたちの北海道の番組に勇気をもらったという話からラジオの力をテーマに。前々回は輪と和をかけて和風なジャンボリー、時代劇の寸劇などもやりました。前回は「悪童」のセルフパロディーをやりましたね。
コンサートのようなノリとNACSさんの活動の軸足であるお芝居も見せ、客も笑わせ、とジャンボリーは実際大変なイベント。今はみんな人気者になってしまい、合同のリハもままなりません。そんな中こんな数万人規模のイベントをなんとか力業で成功させちゃうのが、この事務所のローカルらしからぬ凄いところなのですが、もう正直そんなにやること無くなってきたというか…ネタ切れ気味ですよね。ぶっちゃけていいですか?今回のこのミュージカルは微妙だった…。
利喜男キャラが出てくるとはいえ、内容はオリジナルのお話、曲も新曲ばかり。前述のようにそのお話しもロミオとジュリエットの焼き直し。で、主人公が東李苑さん(最近CUE所属になったのね、知らなかった)と藤尾くんだもん。思い切り笑える話でもないし、本気で感動する話でもないし、安田さんの怪演と大泉さんのアドリブがなければ寒かったのではないかと(^^;
本気のミュージカルなのかおふざけなのか全くもってどっちつかずだったんですよね。
これがたとえば大泉さんが脚本を書いた、山田家番外編は笑いと涙の大傑作でしたし、4年前の時代劇の時はベタなコントに振り切っていて、めっちゃ楽しかった。そのあたり、何がしたかったのかちょっとコンセプトがブレブレだったように思います。でも本人たちもわかっているようで、北川姉さんが「大丈夫みんな?ついてきてる?」とか、大泉さんや鈴木さんが「3回目にしてようやく最後にスタオベが」「こんなゆっくり立ち上がるスタオベ初めて見た」などと自虐的に笑っていたので、詰めの甘さは承知の上だったんでしょう。プロだからわかるわな。
ま、このミュージカル以外はいつものジャンボリー。相変わらず本職でもないのに音楽に関しては何故か素晴らしい。歌も回を重ねるごとにみんな上達していると思う。一部の人たちを除いてはw。
自分的には闘魂ジャンボリーあたりがお客さんの熱量としてはピークだったような気がして、出演者も客も年齢層が高く、おじさんおばさんがバカになって頑張っていたものの少し最近お疲れ気味ってところかな?相変わらずファンの熱狂は変わらないし、全国からたくさんの方が集まってくれて人気は盤石ですけどね。
今回自分はジャンボリー初心者を2人連れて行くといういつもと違ったテンションで臨んだのですが…それだけに友人の反応も心配で。こんなマニアックな集会で楽しんでもらえるのかと。意外に面白かった!と好評だったので、ひと安心したんですけどね。
まあ今後に向けてちょっと心配になる部分もありましたわ。
最終日にはVTRで藤やんたちが登場し、水曜どうでしょうのロケに行くことが発表になったとか。いやー盛り上がっただろうなあ。羨ましい。
今頃4人は旅の空かな?国際免許証どうのこうのって言ってたけど、海外なのかな。新作はすでに撮り終えてたのがあったはずだけど、全然放送されてない…あれは一体どうなったのかな。
昨年の鈴井さんの講演会で聞いた時は、数年かけて少しづつ撮ったけど何が面白いのかわからないみたいなこと言ってて不安だったわ。まさかボツになったのでは。

というわけでこの夏の一大イベントが終わりまして、ホっとしたような、寂しいような…。
ジャンボリーが終わると夏もあと少しって感じがしちゃうんですよね。なんとなく切ないな。

あにいもうと

2018-06-26 19:05:29 | 大泉洋・CUE
石井ふく子×山田洋次という大御所タッグ。古き良き昭和の匂いのぷんぷんする今どき珍しいベタなホームドラマでした。タイムスリップしたかと思うほど。
渥美清さんがやった役を大泉さんが、倍賞千恵子さんが演じた役を宮崎あおいさんがやりました。
楽しい作品だったのですが、まあなんともシスコン、ブラコンの強い兄妹ですね。
とにかく凄いのが出した数字ね。8時~10時という変則的な時間にもかかわらず、10.5%と今どきドラマで二桁は立派な数字。これが北海道では平均17%越えで瞬間最高が22.5%ですと。びっくり。大泉人気衰え知らず。
ファンとしては山田洋次さんに「渥美清さんを思わせる」と言っていただいたのが、何より光栄。欽ちゃんに似ていると言われたり、渥美さんを彷彿とさせると言われたり、喜劇役者としてこれ以上の誉め言葉はないんじゃないでしょうか。マジで大泉さん日本で一番の役者さんになってしまいそう( ノД`)
宮崎あおいさんとの久々の共演も嬉しい。宮崎さんは隠したい過去かもしれませんが、STV絡みで昔「パコダテ人」という函館を舞台にしたコメディ映画で共演しています。あの頃はまだ朝ドラにも大河にも出ておらず、ブレイク前という感じだったんですね。
北海道ローカル時代に、結構色んな方と共演してるんですよ。尾野真千子さんとは鈴井さんの映画で共演していたし、お互い懐かしがっていましたね。アミューズとの関係で「スバらしき世界」?だっけ?音尾さん司会の深夜番組。あの中でアミューズの当時の若手俳優さんたちと色々共演したことも。吉高由里子さんとかも出てましたね。
またこうしてお互い売れてから共演するというのは役者冥利に尽きるのではないでしょうか。

黒井戸殺し

2018-04-14 23:33:22 | 大泉洋・CUE
大泉さんのファンで三谷幸喜好きでアガサ・クリスティーがお気に入りである自分には一粒で2度も3度も美味しいドラマでした。
ミステリーの女王アガサ・クリスティーの3つの代表作のうち、あまりにも有名な「そして誰もいなくなった」「オリエント急行殺人事件」に比べかなり地味なのがこの作品の原作の「アクロイド殺し」
この3作品は衝撃の結末(しかも推理小説史上やったもん勝ちの一度しか使えないトリック)という共通点がありますが、「アクロイド殺し」は読書でこそ味わえる意外な犯人とラストな訳で、映像化するには派手さがないのよね。
なので放送が楽しみではありましたがそんなに期待はしていませんでした(ゴメン)
でも結果、面白かったですね。
キャスティングの妙が大きいと思う。本屋大賞でも上位にランキングした「騙し絵の牙」もそうですが、大泉さんのタレントとしてのパーソナリティを逆手にとった意外性のある役が効いている。
戦後すぐぐらいの時代設定、小さな村、地元の有力者といった舞台設定は横溝正史の世界観を思わせイイ感じ。実際金田一耕助そっくりな作家が出てきたりと、三谷さんのオマージュがさく裂していたと思うわ。グランドホテルスタイルの豪華キャストも嵌っていたし、野村萬斎さんと大泉さんは舞台でも共演したことがあり息もピッタリ。最後の1時間の全員揃った大広間での謎解きはスリリングで、オチがわかっていても目が離せませんでした。このシリーズとても見ごたえがあるので、1年に一度くらい挑戦してほしいな。
まだほれ、「ブルートレイン殺人事件」とか「ABC殺人事件」とかもあるしね。

PARAMUSHIR

2018-03-31 20:46:08 | 大泉洋・CUE
毎年恒例、年度末で絶賛頑張っている最中。
ブログの更新もままならず。とりあえずこの期間愛するNACSさんたちの全国公演があり、わたくしも2/24の札幌公演に行ってまいりました。その舞台、TEAM NACS第16回公演『PARAMUSHIRー信じ続けた士魂の旗を掲げて』が全国を回り明日やっと完走。
この間久しぶりの全国公演ということで、東京公演開催に合わせたタイミングで数々の雑誌で表紙になったり大特集が組まれたり、本当に有難いことですね。3年に1度のお祭りと思って、嬉しく思っていました。
そして、先日の金スマでの特集。

NACSの軌跡と大泉さん以外のメンバーのことも深く掘り下げてくれて、すごく感激しました。ありがとうTBS。
この改編期にゴールデンで2時間もやってくれるとか、感謝しかない。
熱心なファンにとっては良く知る話でも、ライトな視聴者には新鮮だったはず。
文化の少ない地方都市札幌で大人気だった彼らが、東京進出や大泉さんが売れたことによるユニットとしてのバランス。仲間であるとともに役者としてはライバルですからね。色々と複雑だったり戸惑ったり、才能に嫉妬したり。ジャンルを問わずグループが抱える問題だと思うし、深かった。司会の中居君は色んな思いでNACSさんを見ていたかなと思う。

さてその公演ですが、無事に千秋楽を迎えそうとのことで、やっとここに感想を書けるかなと思います。
今回の舞台、私は事前にほとんど前情報を入れないようにしました。
正直言ってNACSさん大好きな私ですが、その活動となるお芝居の公演について、私のお気に入りは大泉さん脚本の「下荒井兄弟のスプリングハズカム」だったり前回の「悪童」だったり。モリは大好きなのですが、正直今の劇団の人気ぶりと作品のレベルが合ってないように感じられ、痛し痒しだよなあと思っていました。できるならこの次も古沢さん脚本、マギーさん演出でやってくれないかしら、とも。外部の人のほうがNACSというチームの面白さや良さをより生かせるような気がするから。だからこの公演は少し大丈夫かな?って。
でも改めて見たら今回森崎さんは原案・演出で、林民夫さん脚本なんだもんね。第二次世界大戦直後の話というのは舞台が始まる少し前に知りました。正直また戦争の話?と思ったり。

そんなこんなで観劇した『PARAMUSHIR』ですが。
素晴らしかったですね。
北方領土問題というのは私たち道民にとっては小さなころから日本固有の領土と教育を受けているし、道内にも島を追われて今も故郷に帰るのを
待ち望んでいる人もいるし。根室などに行けば実際にすぐ近くに島影を見ることができて、本州の人たちよりははるかに身近ではあるけれど。
ぶっちゃけ、相手がロシアでは戻ってくる感じが全くなく、なんというか心の奥隅の小さな棘という感じを個人的には持っています。
そんな道民の私でも実は良く知らなかった第二次大戦最後の攻防ともいえる、この幌筵島での戦いは私自身、不勉強を反省するばかり。この人たちの犠牲があって今の北海道があるのかなと思うと何とも言えない気持ちになります。

テーマがテーマだけに舞台が始まった最初のうちは、内容重くね?とか、さすがにこの題材では笑えない…と思い、NACSらしさが無いのではと心配しちゃいましたが…物語が進むにつれ、どんどん話に引き込まれ、いつものNACSさんらしき5人の群像劇っぽくなってきて、ああ傑作だなと。不謹慎かなと思いつつ5人の会話のシーンではやっぱり絶妙な掛け合いで笑わせてくれたし、それが前線の極限状態でのことだから、尚更、歴史的にもこのあと悲劇が待ち受けているのはわかっているし、もう話の後半では泣けて泣けてどうしようもなかったわ。
私はとにかく平和主義で戦争なんてあってはいけないことだと思うし、戦争はもちろんいけないことだけど「でも大切な人を守るために」というお題目も好きじゃない。人が死んではなんにもならないし、誰かの犠牲の上に成り立っている平和ってちょっと違うと思うからだ。でも誰かの犠牲の上に今の自分があることは紛れもない事実であり、過去を振り返ることによってこのような悲劇を繰り返さない誓いにしたい、とも思う。
この舞台は北海道の劇団NACSがやったことにとても意味があると思う。
第二次世界大戦の日本の悲劇というと、まああり過ぎるんだけど…沖縄、東京大空襲、広島、長崎、硫黄島。悲惨な物語がたくさんあるわけですが、先の大戦で北海道の戦争被害やこのような終戦したあともまだ戦っていた北方領土の話はあまり語られてきていないと思う。
この題材にNACSさんたちのような楽しいチームが取り組み、全国の人たちに発信できたということは画期的なことだったと思う。
おそらく全国のファンの方たちも胸を打たれたことだろうと思う。5人の演技力などについてはもう何の心配もいらない。全国でお仕事を頂けるようになって、本当に力量が上がった。良い舞台でした。5人は本当に立派に成長しました。道民としてファンとして、本当に誇りに思います。



私の好きな探偵

2017-12-18 17:31:51 | 大泉洋・CUE
試写会含めるともう4回見ました。どうですかこのオタぶり。「探偵はBARにいる3」です。
作品自体のレビューはすでに書きましたので割愛し、今日は私がどれだけこの作品を愛しているかという「探偵愛」について、誰も見てないと思いますが熱く独り言を言いたいと思います。

当初オフィスCUEのHPでこの作品の映画化と大泉さんが主演する、と知った時の私の困惑ぶり。最初は題名は知らずアクション&ハードボイルド作品と聞いて「はあ?」でさらにその後原作が「探偵はBARにいる」で舞台が札幌と知った時、さらに驚きました。「探偵はBARにいる」って、あの「探偵はBARにいる」??最初の思いはこうでした。札幌舞台は嬉しいけど…大丈夫かよ?と。

「このミステリーがすごい!」という宝島社から発刊されているランキング本がありますね。今は少しブームも落ち着きましたが、一時はミステリー関係の本の売れ行きを左右するほどの権威にまで上り詰め、ベストセラーをたくさん輩出し、このミステリーがすごい!大賞なる文学賞まで出来たり、その関連本も出回るほどの人気のランキング。まあ「このミス」についてはたくさん言いたいことあるのでまた別の機会にしますが、私は第一回目からこのミスを買って、推理小説を選ぶ時の参考にしていました。一時は洋の東西問わずベストテンに入る本は全部読んだり。
このランキング、審査員に一定数ハードボイルド小説のファンがいると思うんですよね。結構ハードボイルドのジャンルの本がランクインしますもん。で、この1回目か2回目のランキングに
「探偵はBARにいる」が入っていて、大昔買って読んでたんです。東直己さんのこのシリーズは正直謎解きとか驚きの結末とかを期待して読むとはぐらかされると思います。でもこの探偵シリーズの魅力はやはりススキノ歓楽街とそこに住む夜の街の人々の描写。そして今どき流行らない男の美学を貫く粋な探偵本人のキャラ。これに尽きるんですね。
原作ファンだからこそ、私は大変心配しました。洋ちゃん出来るんかいな…。真逆なキャラなんだけど、と。

実際、水曜どうでしょうのサイコロ3でこんなシーンが出てきます。移動中あまりの退屈さに大泉さんお得意のホラ話が始まるんですよね。どういう展開からかいつの間にか大泉さんは東映か日活の往年の大御所俳優さんかなんかの設定で、酒と女とケンカが出てくる映画に主演して~なんて話になるわけ。で、聞いてるミスターやディレクターは大爆笑するわけですよ。今はすっかりグルメな洋さんになってお酒を嗜むようになりましたが、昔はあんまり強くなかったはず。言わずもがな、この頃はおかしな天然パーマに磨きがかかっておりとても女性にモテるようなタイプでもありません。喧嘩なんて、多分したことないんじゃないかしら。大泉さん本人と、あまりに真逆なキャラの話をしているので大ウケするわけ。でもこの映画の話、十数年後に実現してしまうという不思議。どうでしょうの中ではその他にも様々な与太話が役者としてブレイクしてから具現化していたりして、色々予言めいているのが本当に面白いのですが、それも本題ではないのでまた今度…。
とにかく大泉ファンである自分が危惧するほど、その企画大丈夫?という違和感があったのです。

でも出来上がった最初の作品を見てビックリ。原作の世界観そのままに、大泉さんはハードボイルドなススキノ探偵を見事に演じていました。大ヒットもしましたし、1作ではもったいないと思っていたら続編が作られて、本当に嬉しかった。
実は続編の「探偵はBARにいる2ススキノ大交差点」はヒットしたものの、賛否ありました。
1が好評だったため少し悪ノリもあったのかコメディ色が強く、大人の原作ファンには探偵はこんな奴じゃないだろうと突っ込まれましたね。物語の本質と違うところで反原発の政治家や活動家が出てくるのも少しシラけました。正直、シリーズもここまでかと思ったものですが、少ししてから3の制作が発表になり安堵。しかしさっぱり続報がなく、頓挫したのかと思っていました。だから今回の作品の制作過程や撮影状況など情報が小出しで出てきたときは嬉しかったです。

原作の探偵シリーズの小説は10刊ほど出ていますが、正直すでに映画化された1と2以外の作品ははっきり言って映画化は難しい…。何故ならわざわざ映画にするようなダイナミックな展開がなかったり、題材が性的倒錯趣味や猟奇殺人やらヤバくてR指定不可避なものばかり。一番面白いと思っている「探偵は吹雪の中で」は真冬の稚内あたりの原野をロシアマフィアとスノーモービルでチェイスする非常に映画映えする感じの内容なのですが、いかんせん舞台がススキノではない…。道北の田舎町で、しかも良い風に描かれていない。地元ヤクザが利権を握っていて、補助金で成り立っているとりえのない町…だもん。どこもロケで貸してくれないし、ここまでリアリティを大切にしてきたシリーズなのに架空の町にするのもなんだかねえ。
なので3作目どうすんだろと若干不安だったのですが、さすが制作側の人たちはわかっていました。今回は完全オリジナルストーリーとなりました。それが正しい。
簡単に言うと、探偵と相棒高田君と美しいヒロイン、客引きのマギーと新聞記者と色っぽいウエイトレスと、桐原組のヤクザたちと、BARとススキノの街があれば話はなんでもいいという寅さんや釣りバカシリーズの域に達したということですね。試写会の時にプロデューサーの方が仰ってたのですが、この3の公開が遅れた要因として、一旦着手していたにもかかわらず、大泉さんが脚本にダメ出ししたため企画を一から練り直したとのこと。これは非常に嬉しいエピソードでした。大泉さんもこの作品が非常に自分にとっても大切な作品であり、今後も長くシリーズ化していきたいと思うからこそ、妥協なく面白いものを作りたいという姿勢が表れた上でのことだと思って。
大泉さんが脚本に噛んでいるからかなあ…3めっちゃ良いです。
渋さカッコ良さ、コメディの風味どれも絶妙。味がある。大泉さんは喜劇役者としてかなり高い評価を受けていると思うのですが、こういうカッコ良さで魅せることもできるという役者としての幅を証明できました。ファンである自分自身が大泉さんのカッコ良さを信じていなかったというか、このシリーズを映画化しよう、探偵役を大泉さんでいこうとキャスティングした東映、本当に凄いと思うわ。感服します。役者なのに、大泉さんのかつての代表作はずっと「水曜どうでしょう」だったと思う。でも今役者大泉さんの真の代表作はこの探偵シリーズだと胸を張って言えると思います。

最後に、個人的にススキノは思い入れ深い場所。田舎の高校を卒業して札幌に出てきた私にはススキノというところは本当にまばゆくも面白い街。若い頃飲食店でアルバイトもし、ラフィラの呉服店で働いたこともあり、よく飲んで食べて踊った街。大好きな所。ひとつの雑居ビルにイタリアンやスイーツのカフェと風俗の店がテナントで入っているような、猥雑でわちゃわちゃした感じが堪らなく好きです。
その青春時代を過ごした思い出の街を舞台に、好きな小説が映画化され、大好きな地元のスーパースターが主演して、全国で大ヒットしているって。私は夢でも見ているのかな?こんな幸せなことってないですね。あらためて映画に、大泉さんに、ありがとうと言いたいです。