気まぐれ日記☆着物の小部屋

2007年耳下腺癌の手術で顔が変わり、生活が一転。街歩きと着物と芝居のブログをどうぞ宜しく♪

舞台・酔いどれ天使

2021-09-11 17:17:31 | 芝居

9月7日 ラッシーママさんと明治座「酔いどれ天使」へ。

本当に久しぶりに良い舞台を見た満足感でいっぱい。

誘って下さったラッシーママさんに感謝です。

 

 コロナ前、芝居は月に3本ぐらい、音楽会や小さな舞台も入れれば年間50本は見ていた。

舞台は私の生きがいの一つ。でもコロナですっかりご無沙汰。

生きがいの一つを失いどうなるかと思ったが、今は何とか慣れて、

2、3か月一度の観劇でお茶を濁している。

コロナが流行り始めてからは劇団新感線の芝居2本と歌舞伎4、5回。演劇を見る会で2本の芝居、寄席が1回ぐらい。

新感線と歌舞伎以外では、2年ぶりに面白く見ごたえのあるお芝居だった。

 

 このところ演劇情報に疎くなってたので、殆ど予備知識が無く、事前に調べもしなかった。

黒澤明監督の映画「酔いどれ天使」のリメーク版ぐらいにしか考えていなかった。

ところがチラシを見ると脚本が私の大好きな蓬莱竜太。

以前見ているのが、こまつ座「木の上の軍隊」、鶴屋南北戯曲賞を受けた「母と惑星について、および自転する女たちの記録」。

両作品とも揺れ動く心の中を巧みで優しい言葉で表現、心に沁みる印象的な舞台だった。

監督は三池崇史。詳しくは知らないけれどバイオレンス映画で有名な方。

この二人がタッグを組んで戦後の混沌とした時代を描くなんて素晴らしい

 

 舞台は戦後すぐの闇市。ここでの顔役は若い松永。

松永のケガを治療した冴えない町医者真田は、腕は良いが酒好き。

松永は真田に肺病を指摘されるも聞く耳を持たない。

そこへ刑務所から松永の兄貴分が出所し、ショ場争いで闇市は更に混沌としていく。

病状が次第に悪化していく松永は、頼りにいていた親分にも裏切られついに・・・・

幼馴染のギンは二人で故郷に帰ろうと勧めているが・・・・

配役が豪華 松永(桐谷健太)

      町医者真田(高橋克典)

      美代(田畑智子)

      ぎん(佐々木希)

      兄貴分(高島政宏)

 

 最初はこのコロナの時代に闇市が舞台?と少し違和感があったのだが、

話が進むうちにグイグイと引き込まれていった。

全員が役柄にあう配役であり、特に桐谷健太の鬱屈したエネルギーの表現と格闘シーンが生き生きしていた。

高橋克典は、人生諦めている人にしては若い感じがしたが、演技で補って違和感なし。

田畑智子の芝居は結構見ているが、本当に上手。

兄貴の妻だったけれど もう言いなりにはならないという意志の強さと、

酔いどれ医者と共に生きる決心が、医者のねじ曲がった心を溶かしてゆく。

佐々木希のぎん、ビックリした。

可愛いだけの女優さんかと思ったら発声も素晴らしく、片足不自由でいつも杖をついている姿が自然。

ダンサーの夢破れ闇市の飲み屋で働いていてもいつも松永を励ましている。

うらぶれた役なのに、暗いストーリーの中で唯一華があった。

高島政宏、この方の舞台は初めて見た。

嫌われ者のやくざの迫力が最初の一言で伝わった。流石!!

 

 舞台全体が見事に調和がとれ、あの時代のエネルギーと切に「生きたい!!」と

という人々の願いが感じ取れるお芝居だった。

 熱気あふれる舞台に興奮冷めやらずって感じでした。

 

帰りは甘酒横丁をブラブラ。以前の賑わいは全く無かったですね。

有名なたい焼き店も閑古鳥。

水天宮へ。安産祈願とか犬帯を締める時に祈願する場所なのだけれど、

今はコロナ終焉祈願です。「コロナに罹りませんように、早く終わりますように」

どこかでお茶をと思ったのですが、パフェのある所は狭そうで、お値段もびっくり価格。

最初にお弁当を食べた公園で、コンビニアイスのパフェ。

初めてこういうアイスを食べたけれど、甘すぎず適量で美味しかった。

暫しお喋り。

入場者は用紙に住所氏名を書かなければならず、最初にここで書いたのだけれど、

ラッシーママさんの字が綺麗な事に驚いた。私が恥ずかしいぐらい上手。

失礼ながら以前ちらっと拝見した時よりずっと上手に書かれていた。

 

お芝居見て、散策して、お喋りして、気分が晴れる一日でした。

この日だけ晴れたのもラッキーでした。

 

おまけ

甘酒横丁で買った、鳥忠の卵焼き。

だし汁が沁み出て甘醤油味。歌舞伎座前にあった「弁松」の味に近いので、これが江戸風の卵焼きの味なのかな。

 

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ラッシーママ)
2021-09-11 19:52:48
流石に歌舞伎や芝居に奥深い銀河さんの感想、素晴らしいです。
私も同じ芝居を観ていても、話しの中からここまでは読み取れず銀河さんとのキャリアの違いを感じます。
面白く見ごたえのあるお芝居だったと言ってくれて、誘った私も嬉しいです。

芝居の後の「甘酒横丁」や「水天宮」の散策も楽しかったですが、アイスを食べながらの公園も良かった。
久し振りに一緒に観劇し、お喋り出来ストレスも発散できました。

私の字が上手と褒めて頂き嬉しいです。
リュウマチになって何十年も前から右手の指が痺れてて、不思議なのですが針は持てるのですが鉛筆が持てずで字が震えてしまうのです。
何年か前から更に左手の指も痺れ、両方の指が痺れて一時は卵を取るのさへ両方の手を使わないと取れなかったのですが
何時の間にか左手の痺れが取れたと同時に、右手の痺れも取れて鉛筆がきちっと持てるようになり
以前の字に比べたら一寸は益しだと思います。

コロナも収束し、気兼ねせずに出かけたいですね。
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Unknown (ビオラ)
2021-09-11 20:56:16
ほんと、銀河さんお芝居の解説がお上手。
今までたくさんのお芝居や歌舞伎を見てきたからこそ言える感想なのでしょうね
生きがいとまで言う観劇が自由に見られなくなって久しいこの頃でしょうが
ラッシーママさんと素晴らしいお芝居を見て
近くを散策し楽しくおしゃべりできてコロナ禍のストレスが
少しは発散できたようで良かったです。
水天宮では安産祈願でなくコロナ終息祈願とは時代ですねぇ(;^_^A
返信する
Unknown (yasukon)
2021-09-11 21:46:09
こんばんは!

ラッシ-ママさんがアップされていたのを拝見しましたがお二人とも分かりやすくアップされていて感心します。
私もラッシ-ママさんが書かれていたように歌舞伎は縁のない世界と思っていました。
でも金毘羅歌舞伎に影響され、そのころ銀河さんの歌舞伎の感想を拝見させて頂き身近に思えるようになりました。
お芝居もしかりです。
今 なかなか地方にまでは公演がありませんが将来を楽しみにしています。
金毘羅歌舞伎も来年こそは・・と願っています。

ずっと下の「久々のお買い物・・」にコメント入れました。読んで頂くと嬉しいです。
返信する
ラッシーママさん (☆銀河☆)
2021-09-12 18:52:22
 先日はありがとうございました。
私の感想は適当ですよ。最近は感想も書かずにタイトルだけなんて事もあります。
ラッシーさんこそいつも見たお芝居をブログに正直に感想を書いてらっしゃって、とても参考になります。
昔から芝居を見ているのですが、同好の士はほとんどおらず、
好きになって欲しいといろいろな方を機会を作ってお誘いしました。
ラッシーさんが同好の士になってくださって嬉しいです。

明治座、立地が良かったですね。浜町公園も良かったし、散策も楽しかった。
気分転換できて楽しい一日でした。

本当に気兼ねなくお出かけできる日が早く来るといいですえ。
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ビオラさん (☆銀河☆)
2021-09-13 14:22:14
 有難うございます。でも思った事を羅列しただけで、感想というほどでもないのです
面白い芝居を見た時は人に知らせたくなり、
それもブログを始めた理由の一つなのですが、
最近はタイトルだけという事も多く、サボり気味でした。
コロナ明けの暁には、もっと見る本数を減らそうと思っています。
人気のあるお芝居はチケットを取るだけで大変。
そんな労力を減らし、一本一本を楽しんでいければいいかなと思ってます。
ラッシーさんのおかげですっかり気分転換しました。

今はお寺や神社に行くと、笑)
返信する
yasukonさん (☆銀河☆)
2021-09-13 14:34:20
 こんぴら歌舞伎!!
一度だけですが、行っておいて良かったです。
幸四郎(当時は染五郎)の「女殺し油の地獄」でした。
あの薄暗い舞台で油にまみれながら若い男が女房を追い回すシーンは凄惨で、ゾッとするような美しさもありました。
yasukonさん来年また行けるといいですね。
感想是非聞きたいです。
遠いけれど、私も体力あるうちにうちにまた行きたいなぁ。
早く自由に動きたいですね。

↓のコメントも拝見させてください♪
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Unknown (tona)
2021-09-18 09:22:56
数えきれないほどたくさんの趣味をお持ちの銀河さん、一番の生き甲斐は舞台だったのですね。
良く纏まった感想はさすが今までのたくさん鑑賞されたうえでの賜物、評論家のようです。
年間この関係だけで50も。週1回の鑑賞だったとは。コロナで途中どんな悲哀を味わったことでしょう。
終わったらさあ!とまた立ち上がって舞台だけでなく以前の大活躍をされるのでしょう。
このさ中でも家の中や近所でたくさんの喜びを見つけていらっしゃるでしょう。
美味しそうな卵焼きです。東京の事なら何でもご存知で頼もしい存在で!
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tonaさん (☆銀河☆)
2021-09-18 15:35:52
 こんにちは。
そうなんです。生きがいでした。
去年今年はコロナのために芝居は少なく、
また3、4年前からは高額なものは減りつつはありました。(歌舞伎は3階のAかB、オケピネットでお安いチケット探したりで)
コロナ後はたぶん月1,2本に抑え、寄席か音楽会が1回ぐらいに抑えたいと思っています。
行き過ぎると感想を書く暇もないのです。
人気の舞台はチケット取るのも大変。もうそんな気力がなくなったので、時々にします。
忘れたものも多いのですが、心のひだの様に何かが蓄積されていればいいなぁと思います。

卵焼きの写真大きすぎて・・・でも出汁が効いて
本当に美味しいのです。
人形町にはもう1軒卵焼きの美味しい店があったのですが、もうどこだったか忘れてしまいました!
また新年会で都内散策したいなぁ~と思いました♬
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