気まぐれ日記☆着物の小部屋

2007年耳下腺癌の手術で顔が変わり、生活が一転。街歩きと着物と芝居のブログをどうぞ宜しく♪

エビせんの嫌いな犬・今年の芝居のメモ

2021-12-31 00:50:17 | 芝居
  静かな年末です。

 
 でも25日は若手の弦楽四重奏を聞くために隣の市にお出かけ。

途中、駅前にテレビのコマーシャルに出てくるような白い犬がベンチの前にチョコンとお座りしている。賢そう!

隣には犬と肩組むようにして奥様、そしてベンチには中年のご主人が「食べな」と言って何か差し出しているが、犬は正面を向き端然と座ったまま。

よく見ると小さなエビせん。「食べな」「食べな」と言っても身動きもしない。

最後に仕方なく、本当に仕方なくという感じで口を開いた。
でも口を動かすわけでもなく、口を閉じまた端然と座っていた。

考えるに、この犬絶対にエビせんが嫌い!
人間には「止められない止まらない」かもしれないけど、この犬には迷惑至極。
証拠に全く口を動かさない。もっと欲しいという態度も絶対に見せない。

「なんでこんなものくれるんだ?でもご主人好きだし仕方ないか~」と言う雰囲気。
なんとオットリした優しいワンちゃんでしょう。
犬の気持ちを考えながら歩いていると何だか可笑しくなってきた。
こんな犬なら飼ってもいいかと少しだけ心が動いた。


数日前の青空。(ちなみに三角屋根の家は我が家ではありません)
吸い込まれそうな深い青色が印象的。見とれてしまった。

🍎🍏🍏
    
人間国宝・中村吉右衛門が11月28日に77歳で亡くなった。

この本では吉右衛門がインタビューに答えながら、小さい頃の思い出、ジャズ好きだった学生時代、歌舞伎との向き合い方、印象派の絵画、歌舞伎の先輩、師匠、仲間等について肩ひじ張らず語っている。

 面白かったのは若い頃ジャズが好きで、演奏している写真が雑誌に載った時の世間の反応。
歌舞伎役者が西洋かぶれの音楽に傾倒しているようでは、これからの歌舞伎はもう将来が無いと識者から批判された。

だが彼は「歌舞伎は時代により変化していくもの、新しい時代を知らない歌舞伎役者こそ歌舞伎を衰退させる」と言い、生涯その姿勢を貫いた。(図書館の本なのでもう前に返却してしまったので言葉は違うかも知れない)

そして人間国宝になった。
人情の機微と、人間の誇り、気高さ、おおらかさ、そして愚かさ、現代にも通じる魅力的な表現が魅力の役者になった。

 私が一番惹かれる歌舞伎役者が吉右衛門だった。
亡くなってから彼の代表作がいくつか挙げられていたが、ほとんど見ていた。

 私が初めて娘を連れて行ったのは吉右衛門の「松浦の太鼓」。
忠臣蔵の討ち入りを今か今かと待つお殿様を軽妙に演じ、二人で笑った。

 熊谷陣屋では我が子の首を愛おしそうに抱く姿が忘れられない。

昨年の11月国立劇場で最後の「俊寛」を見た。
その前から弱くなった気がしていて、これが見られるのも最後かと勝手の思っていたが本当に亡くなってしまい残念で仕方がない。

 今沢山の若手が出てきていますが、彼の心と技を継ぐような方が数多く出てきて欲しいと思う。

今日はオリンピックなど、今年の思い出を軽く書こうと思ったけれど、吉右衛門で終わってしまった。


🍏🍏🍎 最後にまだ報告してなかった今年後半の芝居。

 都心に出るのが怖くて、近くで見られる演劇を見る会に入ったが、
予定も演目も自由にならず不便。
すぐに辞めるとは言わないけれど、とりあえず様子を見てます。

9月24日
 「花火鳴らそかひらひら降ろか」 秋島市民会館 劇団銅鑼 演劇を見る会にて鑑賞。

10月30日 劇団新感線 
ひたすらこの公演を待っていた。

中村倫也君、動きがスピーディで殺陣の多い新感線に合わない気がしていたが
意外と良かった。
平安朝の衣装を着ると、本人の意図する所ではないと思いうが、かわいらしかった。
相変わらず、周囲が豪華。ヒロインは吉岡里帆(狐姿がピッタリ!)、敵は向井理、竜星涼や浅利陽介も出演していて相変わらず派手な音響と豪華な舞台だった。快感!!

11月20日 「マクベス」 劇団東演 演劇を見る会
 ロシア人のワレリー・ベリャーコビッチ演出

マクベスからヒントを得た舞台は劇団新感線で5回も見ているので(題名はメタルマクベス)ちゃんとしたマクベスの内容もよく分かり、面白かった。
但し前衛的でかつスピード感がある舞台でだったので、高齢者の多い演劇を見る会会員たちは狐につままれたようでもあった。

演劇を見る会でもこんな作品を選ぶのね。
会員を辞めようかと思ったけどもう少し様子を見ようと思った。

11月21日 国立劇場「一ノ谷ふたば軍記」

  友人から思いがけず招待状を頂き、歌舞伎好きの友と出かけた。

 通称「熊谷陣屋」熊谷次郎直実は中村芝翫。堂々としたセリフ回しが気持ちよい。
途中必ず退屈する所があるのだけれど(セリフが良くわからないので)
本当に良く出来た歌舞伎だと思う。

さて、来年は自由に動き回り、お芝居も自由に行くことが出来るでしょうか?
先行きわかりませんね~。
とりあえずお正月歌舞伎は行きたいと思っています。

もう大みそかとなってしまいました。
煮豆と酢の物は作りましたが、今日は煮物など頑張ります。

今年も拙いブログを見て下さってありがとうございました。

皆さま良いお年をお迎えください!!
















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磨く

2021-12-18 23:18:58 | 展覧会
「磨く」の意味を調べてみた。

① 物の表面を研いで滑らかにする。

②こすって汚れを取ったり、艶を出したりする。
 「歯を磨く」「床を磨く」

③念入りに手入れして美しくする。
 「肌を磨く」

🍎🍎🍎

 19日の東京は雪が降るという予想もあったが、一日中暖かい日差し。

ソレ~とお布団を干し、カーテン洗いに精を出す。

それを見た夫も何か手伝わなくちゃと思ったらしく、2階和室の大掃除を始めた。箪笥の上の埃を払い、照明器具を外して拭き・・・だんだん大ごとになっている。

はからずも年末大掃除の様になってきた。

私がトイレの便座をゴシゴシ磨いている時に、夫が「鏡台の鏡見てごらん」
と声をかけてきた。

 手を洗い、行ってみると まぁ見事に隅から隅までピッカピカ。
私の顔まで美人に見える(笑) 磨くって気持ちの良い行為なのね。



 思い出したのが昔読んだ随筆。

その方の家では月に一度「磨き屋さん」と呼ばれる方が来ていたそうだ。

下駄箱の引き戸から、あらゆるドア、その取っ手、建具の桟、などなど。
普段気が付かない所を磨き上げていく。

「磨き屋さん」の帰った後の気持ちよさ、爽快感、を書いておられた。


 もう一つ思い出したのが、昔デパートに勤めていた時の掃除のおばさん。

おばさんなんて書くと妙齢の方を想像するが、たぶん50代初めごろの方。

私はデパートの本館ではなく、5、6階建ての小さな別館に事務所があり、
本館と頻繁に往復していた。

 その時見た光景が忘れられない。
人の使用の少ない別館の女子用トイレの洗面台を一心不乱にゴシゴシと磨いていられた掃除のおばさん。

 いつもきれいなトイレだなとは思っていたけれど、こんなに力を入れて
ゴシゴシとピッカピカになるまで磨いていたなんて!!
誰が見ているわけでもない洗面台をこんなに綺麗に磨き上げるなんて!!
唖然として見ていた。凄い!!プロの仕事だと思った。

磨くってこういう事なんだと、その時初めて気が付いた気がする。

今日の掃除で「磨く」を思い出した。
「磨く」の意味は③の「念入りに手入れして美しくする」がどれにも通じ、ピッタリだと思う。

いつも磨いていれば家も顔も心も何もかも美しくなりますね。
なかなかできませんが・・・・💦

🍎🍎🍎

そして午後は友人が来て編み物。

年末が慌ただしく過ぎていきます。

春に生まれたカモ君たち、9羽のうち5羽がまだ近くにいて、時々姿を見かける。あと4羽はどうしたのかしら?

先週日曜日14日は三渓園に。5年ぶりくらいかな。

この茶室の横の山道がこの時期公開されていた。

三渓園を建てた原三渓は生糸貿易で財を成した実業家。
美術品収集家、茶人として有名。
三渓園は自宅として建て、古建築を移築してきたが、より多くの人に楽しんでもらうため明治39年、庭園を無料開放した。(明治のお金持は大衆のためにお金を使うのですね~)
存命中は前田青邨、下村観山、横山大観などの支援をしている。三渓園には京都、鎌倉などから移築された建物群が巧みに配置されている(重要文化財10棟など)

わが家からは2時間ほどかかり遠いのですが、広い園内にいるとどこかに旅行した気分になり好きな庭園です。
ランチは久々の中華街で。
梅蘭のミニコース。デザートにマンゴープリン付き。
焼きそばの中に具のあんが入っている。

中華街はとても混んでいた。
なぜか昔からの地味な店も行列で、入れなかった。


ブログを書く意欲を無くしていたけれど、
書き始めると話題が出てくるものですね。








コメント (8)
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京都紅葉の旅 5

2021-12-03 01:02:11 | 旅行
  ☆写真を画像の良いものに変更しました!

28日

朝食はコメダ珈琲五条店のモーニング
ここは接客も感じが良く 今まで何度も利用したことがある。

今日の予定は鞍馬方面。叡山電鉄の展望列車きららに乗って二ノ瀬駅で降ります。

白龍園
 ここは昔から不老長寿の白蛇の宿る聖域とされていたが、いつしか熊笹と竹藪の荒れ果てた地となっていた。
1962年、この地を手に入れた故青野正一氏はその地に伝わる歴史伝説を知り、古い祠の復元、整地、開発を決心。生涯をかけ山をよみがえらせた。

白龍園の素晴らしい点は金に任せて庭園を造ったのではないという事!
この地を愛する地元住民や 青野氏の会社の社員の総力を結集し作られた事!

「京都人の密かな愉しみ」と言うテレビ番組で庭師見習の林遣都君が親方と共に手入れするのがこの素晴らしい庭。見る事ができるらしい!!
 
春と秋に一般公開すると聞き、夫が早速申し込んだ。
1回2時間、50人のみ。 静かにお庭を堪能できます。

雨上がりの白龍園は紅葉がキラキラ光り、苔は水分を含みシットリ。

新入社員の時のこの庭の責任者となり、それから60数年この庭を手入れし続けた庭師のおじいちゃんが、ニコニコと入場者を見守っていた。

時々「テレビに出てましたね」なんて声をかけられたり、入場者に頼まれスマホで写真を撮ってくれたり。本当に気さくなお爺ちゃん。
最初知らなくて、我が家も写真をお願いしたが残念ながらボケボケ写真(笑)

ご覧ください。このおじいちゃんが先頭に立って作った庭です。
             
                                                 


 





                                               

今回の旅行で一番心が揺さぶられたお庭です。

どんなに世の中が変わっても、日本の美しさは変らない。
変わらないものがあるって、嬉しいですね。
日本に生まれて良かったと思わせる景色を堪能しました。

 

駅に戻り、叡山電鉄に乗り鞍馬へ
駅前には大きな天狗さん

鞍馬寺
1200年の歴史を持つ鞍馬寺は、義経と天狗を巡るパワースポットとして有名。

この雰囲気高尾山の参道に似ている!


義経の供養塔

松明を持った男たちが集落を練り歩く火祭りが有名な由岐神社。

鞍馬駅から出町柳駅に戻り、阿闍梨餅本店で「阿闍梨餅」と「満月」を買う。
満月は本店のみ、土日しか売ってないらしい。行列だった。

29日

混んでいるのでやめようと思ったけれど、紅葉の時期の永観堂は必見。
・・・・やはり混んでいて落ち着かない。でも本堂は入らないとね。

永観堂の本尊は「みかえり阿弥陀」と言う仏様。
後ろを歩いてくる人々に慈愛を捧ぐと言う事で振り返ったお姿の珍しい仏様。
優しいお姿で好きなのですが、今回お顔がはっきり見えるのが不思議。

そうか!!照明が明るくなったのね。
より美形になった阿弥陀様を見て、心が晴れ晴れ、嬉しくなってしまった。


ここの散紅葉は本当に美しい。

晩秋の紅葉の散った早朝に来たことがあるが、殆ど人がおらず、落ち葉を踏みしめ歩いた記憶が忘れられない。

南禅寺境内

水路閣・・・・蹴上からバスで四条烏丸の永楽堂で佃煮のお土産を買う。

 

蹴上に来ると必ず金地院の入口に掲げてある達筆の教えをじっくり見て我を振り返る。・・・・足元を見て着実に日々を暮らしていけという事でしょうか。

1時5分のこだまでゆっくりと帰った。

帰ってからの偶然
① 埼玉の若い時の職場の先輩からハガキが来た。
  3日同じ日に京都に行き、同じ日に清水寺に行ったそうだ。

② 中学時代の友人からlineがきて、
  24日同じ日にトロッコ列車に乗ったそうだ。

皆さん、世の中が少し落ち着くと京都に行きたくなるようですね。

京都の名所は混んでいましたが、数年前ほどではありませんでした。

京都紅葉の旅 終了♬













コメント (4)
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