今年は1月に4本のお芝居を見ることになってしまった。
1月の4本は5年前、耳下腺ガンの手術を待つ落ち着かない日々に、
仕事の合間を縫って見に行った数とタイ記録だ。
ひと月に見る数の多さに挑戦しているわけではないけれど、
毎年新春浅草歌舞伎を一緒に見に行く友人のほかに、
もう一人「毎年浅草歌舞伎を一緒に見たいわ~」という友人が現れ、
俄然一月が忙しくなってしまった!!
1月4日 「新春浅草歌舞伎 ・昼の部」 浅草公会堂にて
出演・亀治郎、愛之助、亀鶴、壱太郎、春猿、男女蔵ほか
演目 「南総里見八犬伝」
「廓文章」
昼の部は中学時代の友人と楽しむ。
二人とももちろん着物です。
事前に「里見八犬伝」は私の好きな物語と友人にメールしたら、
友人は子供の頃から愛読書だったと返事してきた。
時代ですね~。今の子供たちに八犬伝と言っても何だかわからないでしょうね。
市川猿之助のスーパー歌舞伎で里見八犬伝は見ており、
今回は宙吊りなどの派手な演出はもちろんなく、数場面の抜粋であった。
でもさすがに最後の場8人の犬士が揃う場面は若々しく力強く、
御正月らしく華やかで、舞台と一体となって賑わいを楽しんだ。
「廓文章」 は放蕩により勘当された伊左衛門が、身をやつした姿で遊女夕霧に会いに来る。
主人公は夕霧に嫉妬したり、心変わりを疑ったりと、くどくどと女をかき口説くが、
女々しい男がうじうじしている様にしか見えなかった。
これは愛之助の力量不足。うじうじしていても、かわいらしさや、優しさや、愛嬌や
夕霧への一途な思いを表現できる役者でないとつまらない芝居に見えてしまう。
浅草公会堂前の絵看板
公会堂内部。
1月11日 「寿初春大歌舞伎」 平成中村座
浅草駅から川沿いの道を歩くと、「江戸時代の芝居小屋」を意識した仮設劇場が見えてくる。
ここは、入り口で履物を脱ぐという、今の普通の劇場とは全く違う空間。
椅子も小さく、劇場も狭いけれど、狭い分とても温かみがある。
(本公演のちらし)
実はこれは若手育成のための試演会。
公演1週間前にチケットを売り出した。
私は偶然、売り出し前日にこの催しがあるのに気が付き、申し込んだ。
出し物は第一部「寿曽我対面」 (ことぶきそがのたいめん)
衣装なし、化粧なしの素で、全員黒紋付き袴で演じる。
これが何とも素晴らしく美しかった。
舞台装置は夜の公演で使用したものそのままで、派手な舞台装置の前に
キリリと紋付き姿の役者さんが勢ぞろいする。
金銀極彩色の装置の前に並ぶ黒紋付きは、日本の伝統美を感じさせ、ドキドキする。
さすがに女形と見えを切る場面では衣装と化粧の力を感じたが、
これはこれで、足さばきや手の動きが良く見えて、いいものであった。
また、観客が温かく、新人を見守る空気がとてもよかった。
役者への励ましの掛け声が次々かかって、気持ちよかった。
第2部は演じた役者さんの感想と、勘三郎、七之助、橋之介、獅童などの座談会。
指導した弥十郎が感極まって泣いてしまったり、出演の若手があまりの嬉しさに
泣きじゃくってしまったり、歌舞伎にかける若手の情熱を思い知らされた。
試演会で大役を演じるって、想像以上にすごい事なのですね。
浅草の街中からのスカイツリー
1月17日 「新春浅草歌舞伎・夜の部」
通し狂言「敵討天下茶屋むら」
伊織と源次郎兄弟は父の仇をさがす旅を続けている。
で、主人公は仇を探す兄弟か、仇、どちらかと思いきや、
なんと悪の権化と化した伊織、源次郎兄弟の下男(亀治郎)の所業にスポットライトが当たる。
本当に悪いやつで、実の兄や主人を殺し、なけなしの金を奪って逃げる。
悪さと残忍さと、そして滑稽な場面が沢山ある。
最後は亀治郎が舞台狭しと駆け巡り、馬は暴走、舞台を飛び出し、客席を逃げ回る。
観客の盛り上がった事!!!
お正月らしい派手な演目でした。
昼より、夜の部の方が面白かったわ。
グリーンは1月17日の歌舞伎見物に。
赤い帯の方は22日、伝統文化を学ぶ会に着て行った。
(伝統文化と言っても、いまの社会情勢やら、沖縄、アイヌの歴史やら、
手当たり次第の講義内容です)
この紬、地味だけど、無茶苦茶温かくて、真冬用。
寒い地方の紬なのでしょう。
最初はゴワゴワだったけれど、着ているうちに柔らかくなってきた。
でも、普段殆ど着物を着ないので
ただ、ふんふんと聞いているだけ。
ちっとも,身に付きません。
お着物着て歌舞伎に行く日が来るのでしょうか?
羨ましい限りです。p(*^-^*)q
私はたったの1度しか歌舞伎観賞していないですが、判らないわりに魅力を感じました。
銀河さんが行かれたその時々素晴らしさが伝わってきました。
特に若手育成のための試演会の演じた人と後の座談会が聞いていて感動しました。
相変わらずステキに着物を着こなされている銀河さん。
銀河さんの着物たち、幸せね。
面白そうな会ですね。
makoさんもお正月に着物を着たではありませんか。
もっと気楽にたくさん来て下さい。
私は、気楽に着る時は半幅が多いです。
付け帯も使いますよ。
もう少し年を取って手が動きにくくなったら
お気に入りの帯は全部つけ帯にしてしまおうかと
考えています。
着物で歌舞伎・・・・makoさんなら楽勝です。
「きれいね~」「すごいわ~」「かわいそう~」「悲しい~」と
目の前の舞台に浸りきって楽しむことだと思っています。
感情表現がしつこい位に過剰なので、わかりやすい
ですね。
わかりやすいから、いまでも大人気の伝統芸なのでしょうね。
試演会は初めて行きました。
どちらかと言うと有名人が出てくる座談会がお目当てだったのですが、
とんでもない、試演会自体の素晴しさに酔いました。
着物をほめてくださって有難う。
我ながら、私の所に来た着物は幸せと思います。
でも・・・・手入れに時間がかかります!!
そろそろ減らす方向にしなければ・・・・
銀河さんは着物の着こなしはいうまでもなく
歌舞伎を見る目も確かなようで尊敬です
ひと月に4本もご覧になるほどのお芝居好きだからこその「見る目」なのでしょうね
どちらにもあまり縁のない私なので一層素晴らしく映ります
一つは仕事に復帰したい!!
もう一つが、何とか着物を着る!!
でした。
首の回りや顔がダメージを受けていても、着る方法を必死で考えました。
着物は、私の社会復帰の手始めで、元気の象徴でした。
演劇もそうですが、
つくづく趣味を持っていてよかったと思いました。