土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

栄華を尽くした「ヴェルサイユ宮殿」

2011-10-02 06:02:57 | パリ(,France)

                                                (ラトナの泉水)
 パリ市街地から南西方向に約25kmあり、車で約40分で行きます。
 電車で行く方法もありますが、最寄りの3駅から少し歩かなければなりません。
 ゆえに値段は高いのですが観光バスで行きました。

 宮殿の建物形状は 「凸」 になっており、
 それぞれ左側から 南翼殿、真ん中の突き出た部分を中央殿および北翼殿と呼びます。
 面積は800haでほぼ山手線の内側部と同じ広さです。

 建物内部はルイ14、15、16世および16世の王妃マリー・アントワネット
 により絢爛豪華に飾られ、それらの絵画、彫刻および家具調度品は、その当時、
 世界中から調達された最高級の材料および画家、建築家および造園技師により
 建造されました。

 また、宮殿前に広がる壮大な庭園(苑)には泉水、噴水、緑の絨毯のような芝生、
 数十万本の木々、庭園、運河および彫刻(像)があり、目を奪われるような光景です。

 中央棟の前から見るこれらの建造物は本当に素晴らしく一日そこにある階段に
 座り、眺めていても飽き足りないようです。
 ここに1日ボーとしていれば至福の時間が過ごせるようです。
 
 蛇足ですが、この文言もどこかで使いました。
 ペルーの「空中都市マチュピチュ」です。
 リャマの横でボーと眺めていました。 が、
 電車の時間があり(ホテルの数が少なく予約できませんでした)後ろ髪を
 ひかれる思いで立ち去りました。
 ・・・・・・・・・・
 造形美もそれはそれで素晴らしいのですが、
 やはり私は自然が、日々織りなす 山、川、天空、星、雲
 および 動、植物の 「自然美」のほうが、より感動を覚えます。

 閑話休題
 この壮大な庭園の自然も造られたものではありますが本当に素晴らしいものです。
 一方、宮殿の装飾品は贅沢の限りを尽くし、 以前に投稿したように、
 これらは国民の血税が使われており、この浪費がやがて1,789年7月14日の
 「フランス革命」につながって行き、王政は滅亡の道を招いたのです。
 同年10月5日暴徒化した民衆が怒涛のごとくヴェルサイユ宮殿に押し入り
 一切の傑作や調度品は持ち出されたいったのです。建物は残りました。

 さて、建造の歴史ですが
 1,623年 ルイ13世が狩猟用別邸として建造を命ず。
 1,661年 ルイ14世が最初の増築工事を着手。
 1,710年 宮殿内の礼拝堂の開会式。
 と、ここで主建造物は完成。それは、莫大な国費を注ぎ込み
 約半世紀に亘って造られたのです。
 そのごも修復作業は施工され1,966年ころいったん終了しました。

 私が訪ねたときは、ちょうど
 2,004年からさらに17年間かけての(2,020年までの予定)修復が行われていました。
 掲載写真は2,011年6月末のものです。

 
 なにはともあれ、ご覧ください。



 冒頭写真の大写しです。
 緑の絨毯、彫刻、運河および木々。
 「角刈り」および「左右を対称」に造るのは「フランス庭園」の特徴だと思います。
 著名なところはどこ行っても「角刈り」で「左右対称」です。


 上記写真の反対側に宮殿があります。
 外壁は落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
 建物内部は絢爛で豪華過ぎて、私はちょっと違和感を感じますが。
 今回で2回訪れました。3回目は庭園のみにしましょう。


 上記写真の南翼(写真右側)前に広がる「南の苑」


 同上


 中央棟の上記庭園に面した「鏡の回廊」
 長さ73m、幅10m、高さ12.5mあります。


 以上。プロローグ。 
 ・・・・・・・・・・

 さー中に入りましょう。
 正面入り口に鉄柵の門がまずあります。


 鉄柵門から反対側をみています。
 前に見える建物は厩舎です。
 往時は6,000頭の馬がいたそうです。


 上記鉄柵門をくぐると遠くに金色した門があります。
 舗道は石畳です。


 「王の格子門」と呼びます。
 何か崇高な外壁の建物とは調和してない感じがします。


 「王の格子門」をくくると「王の内庭」です。
 舗道は大理石張りに替わりました。修復中の建物が見えます。
 宮殿内建物の見学順路としては向かって右側の北翼→中央棟→南翼 or 庭園です。


 まず通されるのが「ヘラクレスの間」と呼ばれる
 15mx15mくらいの大きな部屋で、側面とや天井全面に彫刻や絵画が貼られています。
 柱はアカンサス模様のコリント様式です。その柱頭や柱脚は
 大理石や金箔の青銅が用いられています。
 天井画にも圧倒されます。


 円形浮彫には棍棒をもったヘラクレスが表されています。


 「ヘラクレスの間」次の間が礼拝堂の階上入り口で
 礼拝堂が見渡されます。
 ルイ16とマリー・アントワネットの結婚式はここで催しされました。
 当時ルイ16世は16才、マリー・アントワネットは14才だったと言います。
 この解説は無料のヘッドホーンを貸してくれ、
 日本語放送のダイヤルに合わせて聞いています。


 同上。天井画は目を見張る素晴らしいものでした。
 とにかく見学者が多く、彼らも写真を撮っていますので
 一所に立ち止れない状態です。


 礼拝堂から中央棟へ行くには先ほどの「ヘラクレスの間」を通ります。


 ここは「豊穣の間」とよばれ、奥に楕円形の円形浮彫の
 豪勢の像があります。


 豊穣の間の天井画です。


 「豊穣の間」の隣が「ウエヌスの間」です。
 ウエヌスとは「神々と精霊を支配に従える者」だそうです。
 ルイ14世の立像です。


 ルイ14世=太陽王の紋章です。


 「ウエヌスの間」の次が狩猟と航海の女神「ディアナの間」です。
  英語では「ダイアナ」です。


 ブルボン家の紋章アイリス=あやめ です。


 「戦争の間」の天井画。この位置が中央棟の北側端です。


 この赤い靴はいた人物こそ「ルイ14世」です。
 「アポロンの間」太陽神アポロンと同一化したといいます。


 上記からみた北の苑。


 同上 


 敵を打ち破り栄光の女神から冠を授けられる馬上のルイ14世の
 楕円形の浮彫。


 上記 鏡の回廊。


 鏡の回廊の中ほどにある「円窓の控えの間」
 下記「王の寝殿」の隣にあり、王の日常生活の延臣たちが
 起床の儀や就床の儀に参列すための部屋。
 ルイ14世はこのように細かなことでも儀式化したと言いいます。 


 「王の神殿」ルイ14世がここを寝所と改築しました。
 内庭と庭園に面した明るいところで、
 以前はルイ13世の、小さな城の大サロンでした。


 中央棟の左端=南翼側の「平和の間」右端の「戦争の間」と対をなしています。
 「戦争の間」は鏡の回廊中央部の「王の寝殿」への通路であり、ここは
 「王妃の寝殿」への通路をなしています。
 緑色大理石の暖炉の上の楕円形の絵の主は
 ヨーロッパに平和をもたらすルイ15世が描かれている。


 ここが「王妃の寝殿」です。
 カーテン、寝台・椅子の掛布は季節ごとに替えられたそうです。


 銀細工の食器が配された王妃の食卓。


 「王妃の貴族サロン」
 中央の肖像画はルイ15世。


 マリー・アントワネットと3人の子供たち。
 実際は4人で次女は1歳で逝去。長男と次男も7歳と10歳で逝去。
 残されたのは長女マリー・テレーズ王女のみでした。


 中央棟と南翼の接点が「載冠式の間」
 この絵画はナポレオン1世の載冠式であり
 これはルーブル宮にあるもののコピーです。
 この絵にはローマ法王ピオ7世に背負向けたナポレオンが描かれている。
 ナポレオンの支配力を示すものと言われている。


 上記の大写し



 さー庭園に出てみましょう。
 中央棟の左右に配置された池の内、左側のもの。


 手前は「ラトナの泉水」。前記しましたように、ここの階段に座り
 ボーとするのは至福の時です。


 同上。至福の時間を味わっている人たち。


 同上


 中央棟と北翼。


 中央棟と南翼。


 南翼の前面にある「南の苑」


 南翼前から「南の苑」の右半分を望む。


 同上、左半分。対称形です。


 同上、右半分の手前を見ています。
 建屋地面高さとは段差があります。


 南翼前の花壇


 同上


 同上。メンテナンスをする人
 
 
 ここで一応終わりです。


 見つけました。
 耳みたいなバックミラーの観光バス。


 同上


 同上


 ヴェルサイユの目抜き通り。


 同上
 中央分離帯の木は菩提樹だと思います。


 セーヌ川を見ながらパリに戻ります。


 セーヌ川を渡ります。


 生活河川なので積み込みようの建設資材が見られます。


 この写真のグルネル橋とこの先のビル・アケム橋の間は中の島になっており
 アメリカに贈った「自由の女神」縮小版があります。(写真中央に)


 上記、ビル・アケム橋です。
 2層構造の併用橋になっており、下層は車道と歩道
 上層はメトロ6号線が地上に出ています。


 上記の橋を過ぎるとエッフェル塔が見えます。


 オルセー美術館です。この橋の名はレオポール・セダール・サンゴールで
 歩行者専用になっています。


 これから観光バス終点のジャンヌダルク像のある交差点に向かいます。
 お疲れ様でした。

 
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