分類:観 鹿島町を見て歩こう ⑯ 《久保地区》 鹿島町久保字西ノ作 久保中山観音 磐城三十三観音は、第一番を平の北目(如意山普門寺)から始まり、大三十三番目の富岡町(岩井堂)で終わりますが、鹿島町にはその内の二堂があります。 今回は、その内の十六番札所 「久保の中山観音」 を紹介します。 《ご詠歌》・二首あります ・中山と聞いてのぼりて朝日さす、森のこかげに立つは白波 ・あさひがた夕日にもれし中山は、波のひびきにまつ風の音 《金光寺の裏手にある中山観音堂》
ご詠歌に 「白波」 とか 「並のひびき」 と詠われていますが、現在の場所からは太平洋を見ることができませんし、中山という地名もありません。 昔、観音堂は久保と神白(かじろ)の境にあたる栗木平(くりきだいら)という山地に祀られていて、この場所には今も巨石や赤松の大木が存在し、太平洋を眺望することができます。 「中山」 というのは、栗木平は前後が山に挟まれていたので堂のあった所を「中山」に見立てて名付けられたようです。 《金光寺全景》