分類:観
鹿島町を見て歩こう ④ 《鹿島町久保地区》
久保の磨崖仏 鹿島街道沿いにある久保の磨崖仏(まがいぶつ)は、久保と船戸の境界地点にあり岩壁を龕(がん)形に彫り窪めた中に半肉彫(はんにくぼり)で掘り出されています。 《地元の人から岩薬師と呼ばれ、側に合計4体が確認できる》
像は4体あって、高さは最大で1m34,5センチほどあります。 久保の金光寺境内にある中山観音堂内に納められている棟札によると、造立年代は貞享5年5月18日(江戸時代・西暦1688)とあるので、この年 「元禄」 と年号が改まっているので元禄元年でもあります。
《市の文化財に指定されている》
その頃には岩薬師にお堂が存在し、近村の人々が厚く信仰していたようです。 お堂は一説によると、小名浜代官が罪に問われて薬師前を通った折、もし無罪になったらお堂を建立する旨心願し、やがて代官は咎(とが)を逃れて無事に元の職に戻ったために、薬師前に立派なお堂を奉納したということも伝わっています。 長い年月の中で、現在ではお堂そのものは在りませんが、磨崖仏は風化されていく危険性はあるものの、当初からの原型は保たれているものとし、市指定文化財としてその価値を得ました。