なぜ、砂丘地を超える津波を予想しないのか?
金沢市は「津波避難地図」をホームページ上に発表したが、日本海沿岸部の安原・二塚地区の避難地図を検討してみた。
金沢市は最大津波高を「金沢港3.7m」「金石3.8m」とし、このレベルの津波によっては、安原・二塚地区は海岸・河岸のごく一部を浸食する程度で、住宅地はもちろん、田畑への被害もないと、地図に描いている。
しかし、なぜ3.8mが最大津波で、それ以上の津波が来ないのか。石川県のホームページによれば、石川県に津波の影響を与える断層を①日本海東縁部(山形沖)、②能登半島東方沖(富山沖)、③能登半島北方沖、④石川県西方沖(加賀市沖)の4ヶ所としている。
波源名 想定マグニチュード 最大津波(金石 金沢港)
①日本海東縁部(山形沖) 8.5Mj 3.8m 3.4m
②能登半島東方沖(富山沖) 8.0Mj 2.5m 3.0m
③能登半島北方沖 8.1Mj 3.4m 3.4m
④石川県西方沖(加賀市沖) 7.8Mj 3.6m 3.7m
金沢市危機管理課の担当者は金沢市沿岸を襲う津波が3.8mを越えない理由として、「4つの断層で起きる地震は単発的で、震源域の水深が浅い」ことを挙げ、砂丘地(標高10m)を超えるような津波はないと断定している。
さらに、安原・二塚地区で最も標高の低い佐奇森町(標高2.5m)、下安原町(標高2.8m)、専光寺町(標高2.9m)、福増町(標高3.5m)、赤土町(標高3.8m)、豊穂町(標高3.9m)、稚日野町(標高4.1m)でも、安原川から浸水しないとしている。
したがって、金沢市危機管理課は最大津波高を6m,8m,10m,12mと想定した津波被害のシミュレーションさえしていないし、砂丘地を超える津波が発生した場合の浸水状況、その場合の避難方法、その場合の「指定・拠点避難場所」の有効性などについて、まったく検討していない。
しかし、「現代科学の知見」は自然の猛威によってくり返しやぶられており、科学者・行政はその度に「想定外」と言い訳をしてきた。「羮(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く」と言われようが、津波が標高10mの砂丘地を超えて、住宅地に浸水する可能性を排除せず、対策を立てるのが、「防災計画」であるにもかかわらず、金沢市危機管理課はこのような視点を欠落させている。
危機管理課は、「費用対効果」論を払拭し、津波対策を抜本的に建て直すべきだ。
金沢市は「津波避難地図」をホームページ上に発表したが、日本海沿岸部の安原・二塚地区の避難地図を検討してみた。
金沢市は最大津波高を「金沢港3.7m」「金石3.8m」とし、このレベルの津波によっては、安原・二塚地区は海岸・河岸のごく一部を浸食する程度で、住宅地はもちろん、田畑への被害もないと、地図に描いている。
しかし、なぜ3.8mが最大津波で、それ以上の津波が来ないのか。石川県のホームページによれば、石川県に津波の影響を与える断層を①日本海東縁部(山形沖)、②能登半島東方沖(富山沖)、③能登半島北方沖、④石川県西方沖(加賀市沖)の4ヶ所としている。
波源名 想定マグニチュード 最大津波(金石 金沢港)
①日本海東縁部(山形沖) 8.5Mj 3.8m 3.4m
②能登半島東方沖(富山沖) 8.0Mj 2.5m 3.0m
③能登半島北方沖 8.1Mj 3.4m 3.4m
④石川県西方沖(加賀市沖) 7.8Mj 3.6m 3.7m
金沢市危機管理課の担当者は金沢市沿岸を襲う津波が3.8mを越えない理由として、「4つの断層で起きる地震は単発的で、震源域の水深が浅い」ことを挙げ、砂丘地(標高10m)を超えるような津波はないと断定している。
さらに、安原・二塚地区で最も標高の低い佐奇森町(標高2.5m)、下安原町(標高2.8m)、専光寺町(標高2.9m)、福増町(標高3.5m)、赤土町(標高3.8m)、豊穂町(標高3.9m)、稚日野町(標高4.1m)でも、安原川から浸水しないとしている。
したがって、金沢市危機管理課は最大津波高を6m,8m,10m,12mと想定した津波被害のシミュレーションさえしていないし、砂丘地を超える津波が発生した場合の浸水状況、その場合の避難方法、その場合の「指定・拠点避難場所」の有効性などについて、まったく検討していない。
しかし、「現代科学の知見」は自然の猛威によってくり返しやぶられており、科学者・行政はその度に「想定外」と言い訳をしてきた。「羮(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く」と言われようが、津波が標高10mの砂丘地を超えて、住宅地に浸水する可能性を排除せず、対策を立てるのが、「防災計画」であるにもかかわらず、金沢市危機管理課はこのような視点を欠落させている。
危機管理課は、「費用対効果」論を払拭し、津波対策を抜本的に建て直すべきだ。