アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

「統合・共同訓練参加時の着意事項」を読む

2013年11月19日 | 小松基地(日米共同演習)
「統合・共同訓練参加時の着意事項」を読む

『アジアと小松』39号で、第6航空団(小松基地)所属の1等空尉のレポート(航空自衛隊の月刊部内誌『飛行と安全』2012年7月号)について報告しました(下記)。

 情報公開制度によって、件の「統合・共同訓練参加時の着意事項(第6航空団 福田隼)」を入手しました。「北陸中日新聞」が主要に問題にしたことは航空自衛隊がRFA(レッドフラッグアラスカ)演習でB52戦略爆撃機の援護訓練をおこなっており、専守防衛を原則とする自衛隊の枠をはみ出しているということでしたが、全文を読んでみると、それ以外にも、注目すべきことがいくつか書かれていました。

F15は最新鋭機!
 福田隼は「第6航空団にはF15近代化改修機が配備されており、FDL(戦闘機データリンク)、HMD(頭部装着ディスプレイ)、AAM-5(国産ミサイル)、等といった新規装備品を運用しつつ、…統合訓練や演習、RFA演習を始めとする日米共同訓練など、多種多様な訓練への参加」と書かいている。そう、小松基地に配備されているF15戦闘機は改修され最新鋭機となっているのだ。

米軍機の緊急着陸は隠蔽か?
 もうひとつは、小松基地でおこなわれた日米共同演習で、米軍機の燃料が少なくなり、緊急着陸したことについて書いています。この緊急着陸がいつの共同訓練で発生したのかはわかりませんが、小松基地問題研究会は2002年以降すべての「緊急着陸報告書」の開示請求をおこなってきましたが、日米共同演習時の米軍F18戦闘機の緊急着陸は報告されていません。もしかすると、米軍機の緊急着陸など、外からは見えない「事故」は隠しているのかもしれません。

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『アジアと小松』39号
 『北陸中日新聞』は航空自衛隊の月刊部内誌『飛行と安全』(2012年7月号)に掲載された、第6航空団(小松基地)所属の1等空尉のレポートを公表した。

 1等空佐は「RFAにおけるOCA(攻勢対航空)ミッション中における出来事です。航空自衛隊(JASDF)のF15編隊は、B52のEF(援護戦闘機)として果敢に先陣を切って経路を啓開し、粘り強く戦闘を継続してB52を援護し続けているつもりでした。…しかし、気がつくとB52は、とうの昔に任務を達成して多の編隊と共に帰投してしまっていました。残されたJASDF編隊は、退却時に他の編隊から支援を受けることができず、不必要な被撃墜を受けてしまいました。…B52の爆撃が成功した時点で各編隊が一斉退却する計画を正しく理解できていなかった。」と書いている。

 B52は戦略核爆撃機で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とともに、米核戦略の3本柱である。小松基地所属のF15戦闘機が戦略核爆撃機B52を援護する訓練をおこなっていたのであり、まさに専守防衛の枠をはみ出した、米空軍との核攻撃訓練である。
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