「毎日新報」記事(不二越関係)整理(2006年11月作成)
出典
ⓐ「記事リスト 朝鮮女子勤労挺身隊と勤労動員」(編集：愛知県朝鮮人強制連行調査班）
ⓑ『「朝鮮女子勤労挺身隊」記事集成』(『毎日新報』『京城日報』1943~1944 編集：安秉直）、
発行：名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会
ⓒ「山田昭次先生から送られてきた記事」
1944年
ⓐ5/2 （広告）京城職業紹介所／必勝挺身／不二越鋼材株式会社（富山市)
ⓐ5/9 （行政等）富山県不二越鋼材（株）朝鮮女子勤労挺身隊第1次として、慶尚北北道（浦項と大邱）から〇〇名入社
ⓑ6/4 (見出し）徴用とは違う／進み出よう／女子挺身隊／京仁でも募集、内地に派遣することに
（記事）「国民学校卒業程度の学力を持った17歳から20歳までの未婚の娘…7月上旬に内地の富山県〇〇軍需工場へ送るつもりだ」「一般に誤解している女子達の徴用とはまったくその性質を異にするもの」「徴用とは違う/進み出よう／女子挺身隊/京仁でも募集、内地に派遣することに」
ⓑ6/7 (見出し）女子挺身隊になれ／婦女徴用だと誤解してはならない
（記事）「内地の富山県〇〇軍需工場へ派遣するつもりであるが、志願者の資格は、国民学校卒業以上の者で、満17歳以上20歳以下、未婚女子でなければならない」「この工場にはすでに慶尚南北道の女子挺身隊が行って、とうに活躍をし、良い成績を上げている」
ⓐ6/8 （行政等）富山県不二越鋼材工業（株）半島出身女子勤労挺身隊第2次として、慶尚南道普州から〇〇名入社
ⓑ6/14 (見出し）半島女性の闘魂躍動／勤労の戦列に駆参／女子挺身隊に自願応募殺到
（記事）「京城府では…京畿道鉱工部長、部内各女子中等学校長、国民学校長等200余名を徳寿国民学校へ招請し、女子勤労挺身隊について具体的施策を協議し」「今回募集する挺身隊員は満16から20歳までの未婚女性に限り…7月3日頃京城を離れ、内地の富山県不二越〇〇工場へ向かい」
ⓑ6/14 (見出し)『輝ける奉公の道』保京城府労務課長談
（記事）｢不二越工場は環境や保健衛生、風紀等、各般の施設がまことに立派なので、父兄達はこの点を大いに安心してくれるように望む｣｣
ⓑ6/14 (見出し)『父兄の理解を』小野徳寿国民学校長談
（記事）「今回の挺身隊は、高等科1年と2年の在学生と、6年以上の卒業生を主として編成する方針であるが、…子どもたちは時局認識が徹底しているが、父兄達は未だに理解できずにいる人が多い。…父兄の理解を願って止まない」
ⓑ6/14 (見出し）諸施設は完備／不二越〇〇工場／木村氏談
（記事）「20畳敷きの畳の部屋に12名ずつ収容します。衛生施設は極めて良く、食事も〇合〇勺で腹一杯食べさせます。」「半島女性の闘魂躍動/勤労の戦列に駆参/女子挺身隊に自願応募殺到」
ⓑ6/20 (見出し）勤労の場へ来たれ／仁川でも挺身隊募集
（記事）「京畿道の指示で、府内各国民学校出身女子で13歳以上18歳までの未婚女性挺身隊を募集することになり、…協議会が開かれた」「今回の女子挺身隊の勤労の場所は、内地富山県にある〇〇工場で、出発は7月3日頃だ。」「出発前に各学校講堂で『ニュース』映画と同工場の作業風景の映画を女子挺身隊員とその家族に無料で見せてくれる」
ⓑ6/23 (見出し）朝鮮女性の美徳／内地工場で絶賛／金平民生部長帰任談
（記事）「不二越工場で生産戦士として身を捧げている半島出身女子勤労挺身隊の勤労状況と労務管理の実際を視察するために…不二越で勤務している半島労務者の近況を次のように述べた。…朝鮮慶南北出身の○○名は愛国第12寮に収容されているが、部屋の広さは、1人当たり2畳の割りで広く、1部屋7､8名ずつ使用している 」
ⓐ6/25 (見出し)「女子挺身隊／安心して行け／(富山の)工場設備は日本一
ⓐ6/29 （広告）京城府／女子勤労挺身隊及寮母募集／富山市〇〇〇工業(株）
ⓐ7/2 （行政等）「京畿道、女子勤労挺身隊道庁会議室で盛大な壮行会後、富山県不二越鋼材工業（株）に出発(人員150名）」
ⓑ7/5 (見出し）挺身隊の名誉を知ろう／乙女の決意を古市府尹に披露十六歳の少女の決意の手紙
（記事）「京城府が内地富山県不二越〇〇工場に派遣する女子挺身隊員を募集するや…」「私は出発前、会社から13円、学級から2円50銭をもらいましたが、それを昨日飛行機基金として献金しました」「本人が行きたくても父母が許してくれなくて、不幸にも参加できない人もいて…」
ⓐ7/6 （行政等）「富山県不二越鋼材（株）半島出身女子勤労挺身隊、第3次として京畿道京城仁川から〇〇名入社」
ⓐ7/8 （行政等）「京畿女子挺身隊／目的地安堵、入場式(富山）」
ⓐ8/8 （記事）「女子挺身隊現地報告会（富山）」
ⓑ10/28 (見出し）戦う半島女子挺身隊 現地報告①
（記事）｢記者がここ富山市○○工場に半島女子挺身隊員を訪問したのは…。…〇〇名の半島女子挺身隊のかわいい娘たちも一翼を担っているのだ｣「第1次として慶尚北道浦項と大邱から〇〇名が去る5月9日に来て、第2次として6月8日に慶尚南道晋州から〇〇名。そして第3次が去る7月6日に京畿道班として、京城、仁川から〇〇名がやってきた」
ⓑ10/30 （見出し）戦う半島女子挺身隊 現地報告② 家庭と同じ寮生活／朝夕／父母がいらっしゃる方角に拝礼
（記事）「朝五時―皆さん、起床時間です」「6時50分から職場に出動する」「行進曲に合わせて、ああ、山越え、海越え、はるか千里の道を、挺身のためにやって来た…と歌いながら行進する。…このように職場へ行進しながら歌を歌うのは、我が半島女子挺身隊だけ」「工場では朝7時から夕5時まで仕事をする」「7時40分になると就寝前の掃除と点呼をして、朝礼同様、夕礼をする。この時間にも神前に拝礼し、“海ゆかば”を合唱。そして、火を消して正座して1日の反省をする。」「9時に消灯し正座し1日の戦時活動が終わるのだ」
ⓑ10/31 (見出し）戦う半島女子挺身隊 現地報告③ 明朗、職場の戦友愛／繊手の指先に／咲く増産戦不滅の花
（記事）「この訓練は前後6ヶ月だが、はじめの1ヶ月を前期訓練。その次の1ヶ月を中期訓練。その次の4ヶ月を後期訓練という。前期訓練は入社訓練ともいい、内地生活と集団生活を目標に、生活指導に全力を尽くし、皇国女性としての態度と団体訓練の力を体得するために努力する。その次の1ヶ月即ち、中期訓練では作業指導と生活指導を緊密に連絡させ、『産業女性』としての生産増強に邁進する意欲を培う」「4ヶ月間の終業補導訓練が始まり、本格的な現場作業をし、日割り生産目標が指示され、1日にどれほど仕事をしなければならないかという責任分量まで指定されるのだ」｢富山市の〇〇工場を視察して、…彼女たちは少しも不安なく、ひたすら明るく、愉快に働いているということを記者は直接見たので、故郷のお父さん､お母さん方は少しも心配する必要はないと思います｣
1945年
ⓐ1/24 （広告）京城府／来たれ職場は女性を呼ぶ／女子挺身隊を募る／内地富山県不二越工場。京城府庁勤労課、第2回女子挺身隊、募集、就業地：富山県不二越鋼材工業(株)募集。期限2月14日
ⓐ2/15（行政等）女子挺身隊の選考。京城府庁勤労課、女子挺身隊選考官は生田府勤労課長と富山県不二越鋼材工業(株)の派遣人
ⓐ2/25 （行政等）京城府女子挺身隊〇〇名富山県不二越鋼材工業(株)に出発
ⓐ2/27 （行政等）全南、第2次女子挺身隊〇〇〇名、富山県不二越鋼材工業(株)に出発
ⓐ3/27 （見出し）戦う半島女子挺身隊／第2回隊員引率者宮田訓導帰任談（富山）
ⓐ4/27 （見出し）挺身隊報告展覧会（富山）
ⓐ6/7 （見出し）富山県不二越鋼材工業(株)女子挺身隊1名死亡
ⓐ8/9 （見出し）勤労挺身隊結成・沙里院
C10/27 (見出し）女子挺身隊たち帰国／ 大部分皮膚病で不健康／ 厳重抗議しようと27日父兄大会
「男子は差し置いて幼い娘の乙女たちまでも女子挺身隊という美名の下に、遠く日本に強制就職させた日本人の搾取とあがきは、我々に未だに生々しく残っている。幸いにも日本富山県不二越へ行っていた600名の乙女は、京畿班200名をはじめとして全部帰ってきた。
帰ってきた乙女たちを見ると、日本の官庁の宣伝とは全く異なり、顔は言葉にならないほどやせて、その上熱病にかかり毛髪が全部抜け落ち、全部が(2字不明)始めとして見るからに残酷なほどに皮膚病にかかり、一般の日本帝国主義の欺瞞政策と搾取に憤慨が新たになる。これから、これらいわゆる挺身隊員の全治回復には3ヶ月を要するだろうと言う。
これに憤慨した父兄たちはこの対策を講究し、併せて前記不二越工場が閉鎖することもなく、自転車工場に転換して現存する以上、これに対する損害賠償を請求し、厳重な抗議を提出することになり、27日午後五時から太平通り2丁目、朝野商会で父兄大会を開くことになったので、父兄は全部出席することを願う。」
<項目別集約>
（１）国の関与・不二越との一体性
<解説>京城府の勤労課が不二越への強制連行に直接関与していることが判る。不二越への勤労挺身隊、寮母の募集を京城府がおこなっている。挺身隊の選考では、京城府勤労課の職員と不二越の社員が一緒におこなっている
ⓑ1944/6/14 京城府では…京畿道鉱工部長、部内各女子中等学校長、国民学校長等200余名を徳寿国民学校へ招請し、女子勤労挺身隊について具体的施策を協議し
ⓑ1944/6/20 京畿道の指示で、府内各国民学校出身女子で13歳以上18歳までの未婚女性挺身隊を募集することになり、…協議会が開かれた
ⓐ1944/6/29 京城府／女子勤労挺身隊及寮母募集／富山市〇〇工業(株）
ⓐ1944/7/2 京畿道、女子勤労挺身隊道庁会議室で盛大な壮行会後、富山県不二越鋼材工業（株）に出発（人員150名）
ⓐ1944/7/5 京城府が内地富山県不二越〇〇工場に派遣する女子挺身隊員を募集するや…
ⓐ1945/1/24 京城府／来たれ職場は女性を呼ぶ／女子挺身隊を募る／内地富山県不二越工場／京城府庁勤労課、第2回女子挺身隊、募集、就業地：富山県不二越鋼材工業(株)募集期限2月14日
ⓐ1945/2/15 女子挺身隊の選考／京城府庁勤労課、女子挺身隊選考官は生田府勤労課長と富山県不二越鋼材工業(株)の派遣人
（２）家族の反対
<解説>家族の反対が広範に存在していることが伺える。
ⓑ1944/6/14 子どもたちは時局認識が徹底しているが、父兄達は未だに理解できずにいる人が多い。…父兄の理解を願って止まない
ⓑ1944/7/5 本人が行きたくても父母が許してくれなくて、不幸にも参加できない人もいて…
（３）欺罔
<解説>不二越社員の木村氏が「腹一杯食べられる」と欺罔して連行してきた。原告たちが見せられた「不二越の映画」が実際に存在していることが判る。
ⓑ1944/6/14 不二越〇〇工場木村氏談「二〇畳敷きの畳の部屋に12名ずつ収容します。衛生施設は極めて良く、食事も〇合〇勺で腹一杯食べさせます。」
ⓑ1944/6/20 出発前に各学校講堂で「ニュース映画」と同工場の作業風景の映画を女子挺身隊員とその家族に無料で見せてくれる
（４）軍隊式管理
<解説>早朝5時起床から、午後9時就寝まで、軍隊的規律で生活させられていた。原告が口々に訴えていた「初期訓練の厳しさ」が現れている。お花やお茶を習う時間があったのか？
午前5時 起床→布団を片づけ、作業に着替える（10分間）／
5時10分 掃除、廊下の雑巾掛け→洗面台で髪を梳き、歯磨き／
5時40分 部屋の中に整列して立ち、朝の敬礼。朝の点呼。ラジオ体操／
6時30分 講堂に集合して、朝の拝礼。「皇国臣民の誓詞」→食堂／
6時50分 職場へ出動―愛国寮の前に整列→「決死増産頑張りましょう」→行進／
7時00分 仕事開始／
午後5時 終業→機械と道具を整理／
5時20分 隊伍を作って行進→愛国寮→着替え→入浴→食事→自由時間／
7時40分 掃除→点呼→夕礼（神前に拝礼）→「海ゆかば」合唱→正座→就寝／
9時00分 消灯
ⓑ1944/10/30 「朝5時―皆さん、起床時間です」「6時50分から職場に出動する」「行進曲に合わせて、ああ、山越え、海越え、はるか千里の道を、挺身のためにやって来た…と歌いながら行進する。…このように職場へ行進しながら歌を歌うのは、我が半島女子挺身隊だけ」「工場では朝七時から夕5時まで仕事をする」「7時40分になると就寝前の掃除と点呼をして、朝礼同様、夕礼をする。この時間にも神前に拝礼し、“海ゆかば”を合唱。そして、火を消して正座して1日の反省をする。」「九時に消灯し」
ⓑ1944/10/31 「この訓練は前後6ヶ月だが、はじめの一ヶ月を前期訓練。その次の1ヶ月を中期訓練。その次の4ヶ月を後期訓練という。前期訓練は入社訓練ともいい、内地生活と集団生活を目標に、生活指導に全力を尽くし、皇国女性としての態度と団体訓練の力を体得するために努力する。その次の1ヶ月即ち、中期訓練では作業指導と生活指導を緊密に連絡させ、『産業女性』としての生産増強に邁進する意欲を培う」
（５）ノルマ
<解説>原告たちがノルマに追われて仕事をさせられていたことが判る。
ⓑ1944/10/31 4ヶ月間の終業補導訓練が始まり、本格的な現場作業をし、日割り生産目標が指示され、1日にどれほど仕事をしなければならないかという責任分量まで指定されるのだ。
（６）死亡、病気
<解説>不二越で1人が死亡し、帰国した少女たちが栄養失調で、皮膚病にかかり無惨な姿だったことが判る。
ⓐ1945/6/7 富山県不二越鋼材工業(株)女子挺身隊1名死亡
ⓒ1945/10/27 帰ってきた乙女たちを見ると、日本の官庁の宣伝とは全く異なり、顔は言葉にならないほどやせて、その上熱病にかかり毛髪が全部抜け落ち、全部が(2字不明)始めとして見るからに残酷なほどに皮膚病にかかり、一般の日本帝国主義の欺瞞政策と搾取に憤慨が新たになる。これから、これらいわゆる挺身隊員の全治回復には3ヶ月を要するだろうと言う。
出典
ⓐ「記事リスト 朝鮮女子勤労挺身隊と勤労動員」(編集：愛知県朝鮮人強制連行調査班）
ⓑ『「朝鮮女子勤労挺身隊」記事集成』(『毎日新報』『京城日報』1943~1944 編集：安秉直）、
発行：名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会
ⓒ「山田昭次先生から送られてきた記事」
1944年
ⓐ5/2 （広告）京城職業紹介所／必勝挺身／不二越鋼材株式会社（富山市)
ⓐ5/9 （行政等）富山県不二越鋼材（株）朝鮮女子勤労挺身隊第1次として、慶尚北北道（浦項と大邱）から〇〇名入社
ⓑ6/4 (見出し）徴用とは違う／進み出よう／女子挺身隊／京仁でも募集、内地に派遣することに
（記事）「国民学校卒業程度の学力を持った17歳から20歳までの未婚の娘…7月上旬に内地の富山県〇〇軍需工場へ送るつもりだ」「一般に誤解している女子達の徴用とはまったくその性質を異にするもの」「徴用とは違う/進み出よう／女子挺身隊/京仁でも募集、内地に派遣することに」
ⓑ6/7 (見出し）女子挺身隊になれ／婦女徴用だと誤解してはならない
（記事）「内地の富山県〇〇軍需工場へ派遣するつもりであるが、志願者の資格は、国民学校卒業以上の者で、満17歳以上20歳以下、未婚女子でなければならない」「この工場にはすでに慶尚南北道の女子挺身隊が行って、とうに活躍をし、良い成績を上げている」
ⓐ6/8 （行政等）富山県不二越鋼材工業（株）半島出身女子勤労挺身隊第2次として、慶尚南道普州から〇〇名入社
ⓑ6/14 (見出し）半島女性の闘魂躍動／勤労の戦列に駆参／女子挺身隊に自願応募殺到
（記事）「京城府では…京畿道鉱工部長、部内各女子中等学校長、国民学校長等200余名を徳寿国民学校へ招請し、女子勤労挺身隊について具体的施策を協議し」「今回募集する挺身隊員は満16から20歳までの未婚女性に限り…7月3日頃京城を離れ、内地の富山県不二越〇〇工場へ向かい」
ⓑ6/14 (見出し)『輝ける奉公の道』保京城府労務課長談
（記事）｢不二越工場は環境や保健衛生、風紀等、各般の施設がまことに立派なので、父兄達はこの点を大いに安心してくれるように望む｣｣
ⓑ6/14 (見出し)『父兄の理解を』小野徳寿国民学校長談
（記事）「今回の挺身隊は、高等科1年と2年の在学生と、6年以上の卒業生を主として編成する方針であるが、…子どもたちは時局認識が徹底しているが、父兄達は未だに理解できずにいる人が多い。…父兄の理解を願って止まない」
ⓑ6/14 (見出し）諸施設は完備／不二越〇〇工場／木村氏談
（記事）「20畳敷きの畳の部屋に12名ずつ収容します。衛生施設は極めて良く、食事も〇合〇勺で腹一杯食べさせます。」「半島女性の闘魂躍動/勤労の戦列に駆参/女子挺身隊に自願応募殺到」
ⓑ6/20 (見出し）勤労の場へ来たれ／仁川でも挺身隊募集
（記事）「京畿道の指示で、府内各国民学校出身女子で13歳以上18歳までの未婚女性挺身隊を募集することになり、…協議会が開かれた」「今回の女子挺身隊の勤労の場所は、内地富山県にある〇〇工場で、出発は7月3日頃だ。」「出発前に各学校講堂で『ニュース』映画と同工場の作業風景の映画を女子挺身隊員とその家族に無料で見せてくれる」
ⓑ6/23 (見出し）朝鮮女性の美徳／内地工場で絶賛／金平民生部長帰任談
（記事）「不二越工場で生産戦士として身を捧げている半島出身女子勤労挺身隊の勤労状況と労務管理の実際を視察するために…不二越で勤務している半島労務者の近況を次のように述べた。…朝鮮慶南北出身の○○名は愛国第12寮に収容されているが、部屋の広さは、1人当たり2畳の割りで広く、1部屋7､8名ずつ使用している 」
ⓐ6/25 (見出し)「女子挺身隊／安心して行け／(富山の)工場設備は日本一
ⓐ6/29 （広告）京城府／女子勤労挺身隊及寮母募集／富山市〇〇〇工業(株）
ⓐ7/2 （行政等）「京畿道、女子勤労挺身隊道庁会議室で盛大な壮行会後、富山県不二越鋼材工業（株）に出発(人員150名）」
ⓑ7/5 (見出し）挺身隊の名誉を知ろう／乙女の決意を古市府尹に披露十六歳の少女の決意の手紙
（記事）「京城府が内地富山県不二越〇〇工場に派遣する女子挺身隊員を募集するや…」「私は出発前、会社から13円、学級から2円50銭をもらいましたが、それを昨日飛行機基金として献金しました」「本人が行きたくても父母が許してくれなくて、不幸にも参加できない人もいて…」
ⓐ7/6 （行政等）「富山県不二越鋼材（株）半島出身女子勤労挺身隊、第3次として京畿道京城仁川から〇〇名入社」
ⓐ7/8 （行政等）「京畿女子挺身隊／目的地安堵、入場式(富山）」
ⓐ8/8 （記事）「女子挺身隊現地報告会（富山）」
ⓑ10/28 (見出し）戦う半島女子挺身隊 現地報告①
（記事）｢記者がここ富山市○○工場に半島女子挺身隊員を訪問したのは…。…〇〇名の半島女子挺身隊のかわいい娘たちも一翼を担っているのだ｣「第1次として慶尚北道浦項と大邱から〇〇名が去る5月9日に来て、第2次として6月8日に慶尚南道晋州から〇〇名。そして第3次が去る7月6日に京畿道班として、京城、仁川から〇〇名がやってきた」
ⓑ10/30 （見出し）戦う半島女子挺身隊 現地報告② 家庭と同じ寮生活／朝夕／父母がいらっしゃる方角に拝礼
（記事）「朝五時―皆さん、起床時間です」「6時50分から職場に出動する」「行進曲に合わせて、ああ、山越え、海越え、はるか千里の道を、挺身のためにやって来た…と歌いながら行進する。…このように職場へ行進しながら歌を歌うのは、我が半島女子挺身隊だけ」「工場では朝7時から夕5時まで仕事をする」「7時40分になると就寝前の掃除と点呼をして、朝礼同様、夕礼をする。この時間にも神前に拝礼し、“海ゆかば”を合唱。そして、火を消して正座して1日の反省をする。」「9時に消灯し正座し1日の戦時活動が終わるのだ」
ⓑ10/31 (見出し）戦う半島女子挺身隊 現地報告③ 明朗、職場の戦友愛／繊手の指先に／咲く増産戦不滅の花
（記事）「この訓練は前後6ヶ月だが、はじめの1ヶ月を前期訓練。その次の1ヶ月を中期訓練。その次の4ヶ月を後期訓練という。前期訓練は入社訓練ともいい、内地生活と集団生活を目標に、生活指導に全力を尽くし、皇国女性としての態度と団体訓練の力を体得するために努力する。その次の1ヶ月即ち、中期訓練では作業指導と生活指導を緊密に連絡させ、『産業女性』としての生産増強に邁進する意欲を培う」「4ヶ月間の終業補導訓練が始まり、本格的な現場作業をし、日割り生産目標が指示され、1日にどれほど仕事をしなければならないかという責任分量まで指定されるのだ」｢富山市の〇〇工場を視察して、…彼女たちは少しも不安なく、ひたすら明るく、愉快に働いているということを記者は直接見たので、故郷のお父さん､お母さん方は少しも心配する必要はないと思います｣
1945年
ⓐ1/24 （広告）京城府／来たれ職場は女性を呼ぶ／女子挺身隊を募る／内地富山県不二越工場。京城府庁勤労課、第2回女子挺身隊、募集、就業地：富山県不二越鋼材工業(株)募集。期限2月14日
ⓐ2/15（行政等）女子挺身隊の選考。京城府庁勤労課、女子挺身隊選考官は生田府勤労課長と富山県不二越鋼材工業(株)の派遣人
ⓐ2/25 （行政等）京城府女子挺身隊〇〇名富山県不二越鋼材工業(株)に出発
ⓐ2/27 （行政等）全南、第2次女子挺身隊〇〇〇名、富山県不二越鋼材工業(株)に出発
ⓐ3/27 （見出し）戦う半島女子挺身隊／第2回隊員引率者宮田訓導帰任談（富山）
ⓐ4/27 （見出し）挺身隊報告展覧会（富山）
ⓐ6/7 （見出し）富山県不二越鋼材工業(株)女子挺身隊1名死亡
ⓐ8/9 （見出し）勤労挺身隊結成・沙里院
C10/27 (見出し）女子挺身隊たち帰国／ 大部分皮膚病で不健康／ 厳重抗議しようと27日父兄大会
「男子は差し置いて幼い娘の乙女たちまでも女子挺身隊という美名の下に、遠く日本に強制就職させた日本人の搾取とあがきは、我々に未だに生々しく残っている。幸いにも日本富山県不二越へ行っていた600名の乙女は、京畿班200名をはじめとして全部帰ってきた。
帰ってきた乙女たちを見ると、日本の官庁の宣伝とは全く異なり、顔は言葉にならないほどやせて、その上熱病にかかり毛髪が全部抜け落ち、全部が(2字不明)始めとして見るからに残酷なほどに皮膚病にかかり、一般の日本帝国主義の欺瞞政策と搾取に憤慨が新たになる。これから、これらいわゆる挺身隊員の全治回復には3ヶ月を要するだろうと言う。
これに憤慨した父兄たちはこの対策を講究し、併せて前記不二越工場が閉鎖することもなく、自転車工場に転換して現存する以上、これに対する損害賠償を請求し、厳重な抗議を提出することになり、27日午後五時から太平通り2丁目、朝野商会で父兄大会を開くことになったので、父兄は全部出席することを願う。」
<項目別集約>
（１）国の関与・不二越との一体性
<解説>京城府の勤労課が不二越への強制連行に直接関与していることが判る。不二越への勤労挺身隊、寮母の募集を京城府がおこなっている。挺身隊の選考では、京城府勤労課の職員と不二越の社員が一緒におこなっている
ⓑ1944/6/14 京城府では…京畿道鉱工部長、部内各女子中等学校長、国民学校長等200余名を徳寿国民学校へ招請し、女子勤労挺身隊について具体的施策を協議し
ⓑ1944/6/20 京畿道の指示で、府内各国民学校出身女子で13歳以上18歳までの未婚女性挺身隊を募集することになり、…協議会が開かれた
ⓐ1944/6/29 京城府／女子勤労挺身隊及寮母募集／富山市〇〇工業(株）
ⓐ1944/7/2 京畿道、女子勤労挺身隊道庁会議室で盛大な壮行会後、富山県不二越鋼材工業（株）に出発（人員150名）
ⓐ1944/7/5 京城府が内地富山県不二越〇〇工場に派遣する女子挺身隊員を募集するや…
ⓐ1945/1/24 京城府／来たれ職場は女性を呼ぶ／女子挺身隊を募る／内地富山県不二越工場／京城府庁勤労課、第2回女子挺身隊、募集、就業地：富山県不二越鋼材工業(株)募集期限2月14日
ⓐ1945/2/15 女子挺身隊の選考／京城府庁勤労課、女子挺身隊選考官は生田府勤労課長と富山県不二越鋼材工業(株)の派遣人
（２）家族の反対
<解説>家族の反対が広範に存在していることが伺える。
ⓑ1944/6/14 子どもたちは時局認識が徹底しているが、父兄達は未だに理解できずにいる人が多い。…父兄の理解を願って止まない
ⓑ1944/7/5 本人が行きたくても父母が許してくれなくて、不幸にも参加できない人もいて…
（３）欺罔
<解説>不二越社員の木村氏が「腹一杯食べられる」と欺罔して連行してきた。原告たちが見せられた「不二越の映画」が実際に存在していることが判る。
ⓑ1944/6/14 不二越〇〇工場木村氏談「二〇畳敷きの畳の部屋に12名ずつ収容します。衛生施設は極めて良く、食事も〇合〇勺で腹一杯食べさせます。」
ⓑ1944/6/20 出発前に各学校講堂で「ニュース映画」と同工場の作業風景の映画を女子挺身隊員とその家族に無料で見せてくれる
（４）軍隊式管理
<解説>早朝5時起床から、午後9時就寝まで、軍隊的規律で生活させられていた。原告が口々に訴えていた「初期訓練の厳しさ」が現れている。お花やお茶を習う時間があったのか？
午前5時 起床→布団を片づけ、作業に着替える（10分間）／
5時10分 掃除、廊下の雑巾掛け→洗面台で髪を梳き、歯磨き／
5時40分 部屋の中に整列して立ち、朝の敬礼。朝の点呼。ラジオ体操／
6時30分 講堂に集合して、朝の拝礼。「皇国臣民の誓詞」→食堂／
6時50分 職場へ出動―愛国寮の前に整列→「決死増産頑張りましょう」→行進／
7時00分 仕事開始／
午後5時 終業→機械と道具を整理／
5時20分 隊伍を作って行進→愛国寮→着替え→入浴→食事→自由時間／
7時40分 掃除→点呼→夕礼（神前に拝礼）→「海ゆかば」合唱→正座→就寝／
9時00分 消灯
ⓑ1944/10/30 「朝5時―皆さん、起床時間です」「6時50分から職場に出動する」「行進曲に合わせて、ああ、山越え、海越え、はるか千里の道を、挺身のためにやって来た…と歌いながら行進する。…このように職場へ行進しながら歌を歌うのは、我が半島女子挺身隊だけ」「工場では朝七時から夕5時まで仕事をする」「7時40分になると就寝前の掃除と点呼をして、朝礼同様、夕礼をする。この時間にも神前に拝礼し、“海ゆかば”を合唱。そして、火を消して正座して1日の反省をする。」「九時に消灯し」
ⓑ1944/10/31 「この訓練は前後6ヶ月だが、はじめの一ヶ月を前期訓練。その次の1ヶ月を中期訓練。その次の4ヶ月を後期訓練という。前期訓練は入社訓練ともいい、内地生活と集団生活を目標に、生活指導に全力を尽くし、皇国女性としての態度と団体訓練の力を体得するために努力する。その次の1ヶ月即ち、中期訓練では作業指導と生活指導を緊密に連絡させ、『産業女性』としての生産増強に邁進する意欲を培う」
（５）ノルマ
<解説>原告たちがノルマに追われて仕事をさせられていたことが判る。
ⓑ1944/10/31 4ヶ月間の終業補導訓練が始まり、本格的な現場作業をし、日割り生産目標が指示され、1日にどれほど仕事をしなければならないかという責任分量まで指定されるのだ。
（６）死亡、病気
<解説>不二越で1人が死亡し、帰国した少女たちが栄養失調で、皮膚病にかかり無惨な姿だったことが判る。
ⓐ1945/6/7 富山県不二越鋼材工業(株)女子挺身隊1名死亡
ⓒ1945/10/27 帰ってきた乙女たちを見ると、日本の官庁の宣伝とは全く異なり、顔は言葉にならないほどやせて、その上熱病にかかり毛髪が全部抜け落ち、全部が(2字不明)始めとして見るからに残酷なほどに皮膚病にかかり、一般の日本帝国主義の欺瞞政策と搾取に憤慨が新たになる。これから、これらいわゆる挺身隊員の全治回復には3ヶ月を要するだろうと言う。
