フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

総決算 ~ラブライブ! The School Idol Movie~

2015年07月02日 15時14分34秒 | ラブライブ!


という訳で、劇場版「ラブライブ!」である。
始めに言っておくが、ぬたりがこの映画を見る前のテンションはド低調。作品が大きくなるのはいいんだが、それに合わせてファンのオイタもあちこちで聞くようになり、それはこの映画においても色々と散見された。故に「なんでこうなっちゃうんだろうなあ…」という残念な思いが随分とあり、それがテンションにもそのまま繋がったと言えた。
とは言え、「Snow halation」からの長い付き合いとなる作品である。見てしまえばそれなりに心地良いのは実際のところ。2010年冬からの4年半の付き合いは、やっぱり伊達じゃないわな。素直に面白かったです。
類型的、記号的、お定まり、とまあ、悪口を言う気になればいくらでも言葉は思い浮かぶが、なんといってもこの作品はキャラクターが固まりきっている。だから舞台さえ与えてあげれば、後は勝手にキャラが動いて話を作り上げていく。そこに破綻はあまりなく、故に作品的には安定感がある。また、そのように動いている姿をこちらとしても安心して見ていられる。そんな作品にはきちんと仕上がっている。
何しろアニメ界ではそれなりに売れた作品だから、映画化の予算もおそらくはかなり潤沢に与えられたんだろう。
実際ライブシーンはすごいことになってます。
恐ろしいまでのクオリティと圧倒的と言える絵の密度と迫力。予算の額を素直に出来に比例させたと言えますな。
まあ、ラブライブの首脳陣がお金儲けに対する誠実さがあると言いますかね。ビジネスモデル自体が10人に千円使わせるのではなくて1人に1万円使わせるモデルだから、それ自体はそんなにお上品ではないにせよ、ではその1万円をどのように出してもらうか、については比較的誠実。まあリピートキャンペーンみたいなのはやってるけども、週替わりの先着プレゼントだから可愛いもんだし、総選挙みたいなことにしても一人最大何票という縛りがあるから、数百枚数千枚一人で買わせるシステムにはなっていない。もともと採算度外視でCDシングルのPVのクオリティをあげていたわけだしね。そういった、「見えるところにちゃんとお金を使う」と言う姿勢は映画でも健在。ファンなら必見の作品であるのは確かですな。

さ、褒めるのはこの辺にして・・・

多分こんなことを思ったのはぬたりだけだろうけれども、ぬたりはこの映画がこう叫んでいるように聞こえて仕方がなかった。
この作品は、ファンタジーなんだぞ、と。
ファンタジーというのは褒め言葉でもあるし貶し言葉でもある。ファンタジーなればこそ実現できる世界ってのは確かにあるし、肝心な設定を「ファンタジーだから」でうやむやにされれば首を捻りたくなる時もある。ドラクエやFFで魔法が使えても誰も突っ込まないけども、現代劇で魔法が使えたらそこに何らかの説明が欲しくなる、要はそういう事。
この作品は実在の地名や店が随所に存在する。主人公も女子高生、アイドルだって日本にはたくさんいる。けれども各種設定にファンタジー要素が非常に強く、現実社会でどうなのか、というような事が、至る所で破綻している。もちろんアニメ作品にファンタジー要素が全くないものは存在しない。けれどもラブライブ!はその要素が非常に見えやすくなっている。それをファンタジーと読み解くかご都合主義と片付けるか。本来とても見る人を選ぶ作品だったと思うけどなあ。公開初日、翌日の動員と興行収入で1位を獲得するような性質の作品じゃないと思うんだけどなあ…。

さて、そろそろ筆の調子が逆風になりつつあるところで・・・

さて、1年前、ぬたりはブログで映画化に際し、こんなことを言っている。
「・・・9人で旅行してキャッキャウフフで旅先でライブやったりなんかして、ってこれじゃプロットがまんま「映画 けいおん!」なんだが。」
素人が予測できるストーリーでどうすんのさ。
つーか映画化さえすれば会社の金使って海外に行けるとか思ってんじゃねーのか? アニメ制作者は。
とにかくもう、付け足し感強引感は最後まで拭いきれなかった。いくら舞台を用意すればキャラが勝手に動くと言ったって、テレビで卒業式までやっちゃって、もうホント残りのエピソードは絞りかすみたいなもん。その中であそこまで作ったんだから褒めていいと言えばいいけど、なんぼ何でも強引すぎ。その強引さをファンタジーとかこの作品の味、と弁護してもいいけど、これだけ評判になった作品なんだから、ぬたりのようなど素人の想定は越えてきてほしかった。ファンタジーなのはいいけど、製作側がそれに甘えるのはちょっと感心しないよね。


以上語ったところで、今回はブログの表題を「総決算」にした。作品の中での映画の位置づけという意味もあるけれども、個人的な意味もある。
ぬたりは、この劇場版をもって、ラブライブというコンテンツにお金を落とすのを卒業します。もうここ1年CDも買ってないしね。
まだ知名度なんて全然なくてCDが2千枚しか売れなかった頃、キャラも安定してなくて見てるこっちが不安になっちゃうようなあの頃。そんな頃から、有数の人気アニメになっちゃった今現在まで、一つの企画の黎明期から絶頂期まで付き合えたという経験は、本当に面白かった。今まではそんな経験なかったし、結婚した今では今後もまず考えられない。

楽しくて貴重な経験をさせてもらったなあ、と心底思います。ラブライブ!スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
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