フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

知らない奴を騙すのもまた商売の基本也

2016年05月03日 22時07分34秒 | つぶやき
おかあちゃんの車がそろそろ買い換え時期、ってんで、あれこれと検討をしているんだけれども、昨今の日本の車選びは、「ハイブリッドか否か」という選択をするようになってますね。
通勤が5キロ程度、年間走行距離は5000キロくらい、というおかあちゃんの使い方であるので、ぬたりはおかあちゃんに対し「一度ハイブリッドに乗ってみたい、という気持ちがないなら、無駄金使うだけだからやめた方がいい」とアドバイスをしてますね。
普通の車よりハイブリッドはお得なのか、という前提を日本で疑う人が少ないからハイブリッドじゃなきゃ売れない、という今の日本の車販売事情になっていると思うんだけど、本来「お得になることがある」という程度で、ハイブリッドってそもそも全ての人にお得な車な訳じゃない。
ハイブリッド車をものすごく単純化すれば、「本体価格は高いけどガソリン代で取り返す車」である。だからこの部分が大きくスポイルされた場合、ただ単に高い本体価格を払わされるだけで終わる。要するに、あんまり車乗らない人が買うべき車じゃないんだよこれ。このため、おかあちゃんには勧めづらい車になっている。
一方、ぬたりは走行距離は多いわけだから乗り換えのメリットはあるだろうという感じはするのだが、ぬたりはハイブリッドに乗ることにそれほど意義を見いだしていない。何故かと言えば、軽と比べてハイブリッドに乗り換えることに経済的な妙味を見いだせないからに他ならない。
計算をしてみよう。
ぬたりは通勤距離は往復で80キロである。単純に年50週5日勤務と考えれば、80km×5日×50週=年間走行2万キロとなる。まあ多い方だろう。
次にガソリン代の計算。燃費に関して、ぬたりの今の愛車をおおむね20km/リットルとすると、ぬたりは年間1,000リットルのガソリンを買う計算になる。ガソリンが1リットル110円だとすると、ぬたりの年間ガソリン代は11万円。
で、これにハイブリッドを導入して、燃費が10km/リットル改善されたとする。同じように計算すると、年間燃料代は73,333円で36,667円の削減にしかならない。こう書くと、あれれ? 思ったほどの削減にはならないな、と思う人も多いと思う。
次に値段差を考える。
ぬたりの乗っているホンダN-WGNを、同じような構成で今買おうとすると概ね本体価格は1,400,840円になる(G Lパッケージ、あんしんパッケージをオプション)。で、同じホンダでたとえばフィットのハイブリッドに乗ろうとすると、そのベースモデルの値段は1,690,000円。その差は約29万円となる。上記の計算に従えば、10年乗らなきゃペイできない計算になる。お得か?それ。
もちろん他にも考えるべき事情はある。フィットハイブリッドのベースモデルは装備が貧弱で選びづらいから、実際の価格差はもっと広がるだろう、とか、ハイブリッドは購入時に免税が受けられる、とか、軽自動車は税金含め維持費がそもそも安い、とかね。まあこのあたりは多少細かい話になるし、今回は省く。
さらに無視できないファクターが存在する。ハイブリッド車に搭載される大型バッテリーである。
ことバッテリーに限った話ではないにしても、バッテリーというものは使えば使うほど劣化する。この劣化のスピードというものは案外早い。皆さんも携帯やスマホのバッテリーの劣化で体感していると思う。スマホのバッテリーとハイブリッド車のバッテリー。大きさは違うが、どちらもリチウムイオンバッテリーを使っている。基本的には同じものだ。
これの劣化もしくは故障や交換のリスクはハイブリッド車の場合避けては通れない問題になる。大容量のリチウムイオンバッテリーはそもそも高価であるし、また、車体の奥に搭載された大型のバッテリーの交換に伴う労力は大きく、労力は工賃にそのまま直結する。
これらの状況を加味して、ぬたりが乗るべき車は何ですかね? と考れば、ハイブリッド車の購入にぬたりが踏ん切れないことはお分かりいただけると思う。
まあ、この計算は軽に乗ってるぬたりの計算。普通車に乗ってる人となれば燃料代の改善はこんなもんじゃないだろうから、元を取るのにぬたりほど時間がかからない。リッター10キロくらいの車と、リッター25キロのハイブリッド車を比べるなら、同じ計算でも差額はもっと詰まってくるはずだ。
ただし、いずれにしても、これは「走行距離が多い」ということを大前提としている。如何に燃費の差が大きくなろうと、乗らなければ差はついてこないのだ。年間数千キロしか乗らないなら元を取るのは相当大変になる。だからと言って乗れば乗るほどバッテリー劣化の不安は増大する。
ハイブリッド車に乗ればお金の節約になるとは限らない、って事は車選びの時に念頭に置いておいた方がいいと思う。お金の節約という点だけを考えるなら、軽自動車という道があり、こちらの方が故障時の部品代等の金額的リスクが低い。軽じゃなくてハイブリッド車に乗るなら、自分は何故軽では駄目なのか、をきちっと考えないと無駄金を使うことになる。狭くて使えない? 一度タントやN-BOX、スペーシアを見ておくことをオススメするぜ。何? ミニバンじゃないと家族で出掛けられない? 軽なら4人、コンパクトカーなら5人乗れるがお前の家族は何人いるんだよ。
もちろん、ハイブリッド車の固有の感覚とか燃費アタックに楽しみを見いだす人もいて、これはこれでアリな車選びだとは思うけれども、これは「趣味」に対する出費だからね。そういう趣味を持った人の絶対数ってのは少ないわけで、車を買う人の多くは道具としての購入。今の「ハイブリッド車じゃなきゃ売れない」という、言ってみれば猫も杓子もハイブリッド車、という日本の新車販売の状況を見るに、どれだけの人がこういう計算をちゃんとして車を選んでいるんだか首を傾げざるを得ないですけどね。

まあいいけどね。こういう風な考えができない人はせいぜい「ハイブリッドはお得」とかと盲目的に騙されて無駄金を使うが良いさ。そうやってメーカーとディーラーを潤わせてやってくださいな。どこも経営大変みたいだからね。
コメント (2)
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