フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

2005年7月27日 やさしい花 発売

2015年07月22日 21時41分47秒 | 奥華子


買ってきました。華ちゃんのニューシングル「楔-くさび-」(←つーか発売日現在アマゾンで売り切れだと!?)。まあインディーズ時代の人気曲ですし、音源はぬたりももう持ってますけどね。

しかし、この曲を10周年記念に持ってくるか普通?

いや、ぬたりを知らずにネットサーフィンでここに辿り着いた人に勘違いされかねないので説明するが、もともとぬたりはこの「楔」という曲は好きである。ここまでエッジの効いた歌詞をそのまま載せた曲には、ぬたりはそんなにお目にかかっていない。これを作った時に華ちゃんはまだまだ20代半ば。そう考えるとすげえなあ、と心から思う。

別れの夜、お互いがお互いを好きな気持ちは変わらないのに、なぜかすれ違って、お互いがお互いを思やりながら別れていく。♪愛しい気持ちが溢れて 貴方を壊す前に とそんな言葉で語られる別れを描く。

♪不思議だね どうして人はすぐに 守れない約束をするのだろう
 人の心を繋ぎ止めるものなど どこにもないと知っているのに

♪心を繋ぎ止めるものは約束じゃない
 約束は自分への気休めなのだろうか・・・

♪もう会いたくなっても もう息が出来なくなっても
 貴方を呼ばないと約束するから
 貴方を呼ばないと約束するから


これらの歌詞が畳みかけられる。この曲が心に刺さったならば、その意味に愕然とせずにはいられない。そしてこの曲のタイトルは「約束」ではないのだ。「楔」である。その言葉は、歌詞の何処にも登場しない。なぜこの曲が「楔」というタイトルなのかは考えればすぐに分かるが、それでもこの歌詞に「楔」というタイトルをつけたセンスは只者じゃない。我が身を滅ぼさんとした勢いで誰かを好きになって、その人を思い切らなければならないのなら、やはり我が身を滅ぼさん勢いでわが身に楔を打ち込まなけれなならないのである。


・・・とまあ、真面目に語るのはこの辺にして。
あまりの真面目なテンションに、おそらく多くの人が読むの途中で止めちゃって、こんなとこまで読んでないと思いますが、しかしまー、この曲、どー考えてもエッジが効きすぎちゃってますよね。
ぬたりがさださんと華ちゃんにハマって思うのは、エッジが効いてる曲は、刺さらない人は案外多い、ってこと。ぬたりはこの「楔」にしてもカップリングの「花火」にしても身を切られるような名曲に感じるのだが、多くの人にはそんなことはない。せいぜい「良い曲かもとは思うけれどもそこまでか?」という感じだろう。
まあ、この2曲に関しては我ながら個人的に名曲だわなあ、という自己分析も出来ている。我が身を滅ぼさん勢いで誰かを好きになる、そんな経験がぬたりにもあった。そして我が身を滅ぼさん勢いで思い切った過去もだ。だからこの曲を聞くと心の奥が鈍く疼く。
ただ、あの経験はかなり特殊な思い出だろうと思う。であれば、特殊な経験のない人の心に刺さりようがないってことでもある。上では「心に突き刺さったら愕然とする」と書いたが、裏を返せば「突き刺さらなきゃ愕然とは出来ない」ってことでね。こういう破滅的な恋愛は今の流行でもないし、経験者は少ないだろう。となれば、この曲を「良い」と思える人も少なくなるだろうという事。ぬたりが大感動する隣で、特になんてことなく聞いている人がいる。ぬたりにすれば「何故この曲で感動できない!?」という感じ。隣の人にすれば「この曲でなぜそんなに感動できるの?」という感じ。考えてみれば不思議なことだけれども、考えてみれば当たり前のこと。世の中って面白く出来てますよ。
コメント
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