先日買った「灰羽連盟」のDVDを見終わりました。
GWのメインイベントだったのになあ。
とっとと見終わっちゃったよ。まだGWは長いのに、何すりゃいいのさこれから。
さてこの作品。ヲタなお友達の多いぬたりの知り合い人脈にしても、その名前すらもぬたりの他に知っている人間がいるのかどうか、というくらいの知名度の作品。ぬたりはこの作品と共通のスタッフが多くいる「serial experiments lain」(こっちも知名度的にはかなりアレ、つーかぬたりの周りでは見た人いないでしょ)のつながりでその作品の存在は知ってはいたのね。
しかしながら本放送(2002年10-12月)の時は知らなかったしね。興味は前からあったんだけど、1クールのアニメシリーズってーのはDVDを購入するには万単位の購入資金が必要となる。そもそも地味な作品なんでDVDのプレス数が少なくて買いたくても買えない、そんな状況が続いていた。
で、先日、何気なくア○ゾンを見てたら、この作品のBDが発売された影響で、廉価版DVDも発売されていることを発見。
しかも定価7,350円の35%オフの4,778円で。
とりあえずカートにぶち込んで購入したわけである。いや運が良かった。つーかぬたりが買った直後にアマゾンでは品切れになっちゃったんだけど。
さて、「知る人ぞ知る」みたいな感じのこの作品、感想を一言で言うと
「見る人を選ぶ」
序盤はジブリを思わせるような、どこかほんわかとした雰囲気で話が進む。中盤以降話が盛り上がるんだけれども、それでも派手な描写はあまりない。最終回あたりの描写は毛色が違うけども、盛り上がりと言うよりは、色合いとするとあまりに哀しい描写ではあるだろう。この辺の描写は、どこか脛の傷とか心の傷を隠しながら生きてる人なんかの心には響くんじゃないかと。最終回あたりのとある登場人物の苦悩は、そういう人にとってはあまりにも痛々しいんじゃないかと思う。
それから、第1話を見た方は、多分持つ疑問点と言うのがある。ぬたりが「最終回までにどういう風に明かされるのか」と思って見てたんだから、多くの人も同じように思うんじゃないかと思う。
その疑問、結局最終回終わってもはっきりとは明らかになりません。
いや、多くは状況で説明されるから、見終わった後に様々な状況や設定をもとに自分で考えれば、ほとんど回答にはたどり着ける。
ただし、それが正解という保証はないのね。
そうは言っても視聴者を煙にまく、と言うほどのものでもない。考えれば自分なりの回答にはほとんどの人がたどり着ける(すべてが明らかにはならないが)
作品とすれば全体的には暖かくて優しい雰囲気の作品。OPもノンボーカル曲だしね。
ただ、こういう雰囲気は果たしてヲタ層にはどれだけ需要があるのか。
たとえ話をしよう。
セガサターンに「七つ風の島物語」というソフトがあった。
優しくファンタジックな世界観ながらも、切なく、そして本気の贖罪を体験させるストーリーはまさに名作ともいえる出来だった。
しかもエニックスのセガハード初登場タイトルであったから、もちろん売れる要素は多分に含んでいた作品だった。
でも、売れなかった。
実売本数は3ケタとも言われる商業的には大失敗作になった。開発会社は後日倒産、エニックスもこのソフト以降、セガハードにソフトを発売することは、とうとう2度となかった。
要は、当時のセガハードのメインユーザー層とあまりにずれ過ぎていたことが失敗の原因だった。当時セガのハードを持ってる人は、ほとんどがコアなゲーマーで、こういうファンタジーな作品の入り込む余地がなかったのよね。
結局この作品は、ぬたりを含む、数少ないプレイヤーの心にその印象深く刻みつけただけに終わった。
翻って灰羽連盟の話。
ハルヒからこっちの深夜アニメとかの全体的な嗜好の傾向で考えると、この作品を今のアニメ界に放りこむとかなり方向性的には違う作品となる。万人におススメできるのかどうか、正直分からない、ってのは要はそういうことですね。
更には書き込みが甘い部分も見えなくもないのだよなあ。その所為か、主人公ラッカの感情に付いていけない感じもちょっとした。些細なことだけどね。
とは言えストーリー的には人畜無害で、子供に見せても全く問題のない(ちょっと難しいとは思うが)作品だし、多くの人に見てもらいたい作品ではありますよね。尤もDVDもBDも今やプレミアついちゃってますけど。よくこのタイミングで4千円台で買えたもんだわ俺。
あ、最後にもう一つ。声優の矢島晶子さん。クレしんのしんちゃんやったり絶望先生の糸色倫やったり、相当に演技の幅の広い方だなあ、と思っておりましたが、この「灰羽連盟」のクウ役も、見事な演技でした。
つーか、しんちゃんのも倫のも声に面影全くないんですが。ホントに同一人物の演技なのこれ?