このブログでは安倍前首相の「桜」問題を何回も何回も取り上げてきた。この事件と戦後日本最長安倍政権とがあまりにもミスマッチ過ぎて、日本政治・有権者の恥に思えるからである。最近では検察審の「不起訴不当」事件としてこれを取り上げたが、本日の朝日新聞も『「桜」不起訴不当 安倍氏は喚問で説明を』という社説を載せている。この問題は「政治とはなんぞや」「政治権力の歪みはどう起こってくるか」など、青少年の政治学習などにも絶好の教材になるはずだ。以下に、この朝日新聞本日社説の後半、触り部分を抜粋する。中部地方ではこの新聞を取っていない人が多いと思うところからだ。なお、僕はけっして朝日が好きという者ではない。特に外信記事に、その視点に疑問を感ずることも多いと申し上げておく。ニュース元も限られた、安易極まるアクセス報道ばかりに見えるのである。
『(前略)桜を見る会をめぐる問題は、前夜祭だけではない。そもそも、税金で賄われる内閣の公的な行事に、各界の「功績・功労」に関係なく、時の首相が後援会関係者を大勢招待すること自体、私物化というほかない。招待者名簿の不透明な廃棄など、ずさんな公文書管理や、疑惑に答えない説明責任の軽視など、長期政権のうみが凝縮されているといっていい。
前夜祭をめぐる安倍氏の国会での「虚偽答弁」は118回にのぼった。立法府の行政に対するチェック機能を掘り崩す深刻な事態だ。ところが、安倍氏は昨年末、自身の不起訴を受けて国会で通り一遍の弁明をしただけで、野党が求めるホテルの明細書や領収書などの資料提出にも一切応じていない。
やはり、ウソをつけば偽証罪に問われる証人喚問で安倍氏に真相をただすしかあるまい。政治への信頼回復のため、与党は閉会中審査に応じるべきだ。』
日本は民主主義国になって、やっと70年。その前は国民ならぬ臣民だけが存在し、女性の参政権もなかった。これがつまり、国の主権者である国民が納めている税金の使い道にも疎いままで、自らの諸権利にもまだまだ無自覚ということにも繋がっているのだろうか。安倍がやったように税金で行われる国家行事「桜」に自分の後援会員、山口県人をどんどん増やして来られて、与党議員や官僚がこれを永年認めてきたのも(これも政治主導?)、この国の民主主義の弱さから来る「暗黒政治」という実態をさえ象徴しているように思われる。国家首班のやりたい放題と言えるのだから。まして、こういう重大な事件への国会質問の直後に起こった「招待者名簿の不透明な廃棄」とか、「ホテルの明細書や領収書」の提出拒否とかこそ、一体どう表現したら良いのだろう。多数与党を頼みとした「暗黒政治」の暴挙ということになるのだが、与党には多少とも民主主義に準ずる政治家はいないのだろうか。
どんな物事にも内容的に軽重がある。そして、この桜にまつわる諸々の経過は、こんな事を「不起訴」として許しておいたら選挙と地位だけという権力亡者のやりたい放題の国家になっているという理屈を示している。だからこそこの五輪が、国政最大の目標、国民の命を賭けてまでやる理由も説明されずに強行開催されているのは、古のこんな「人を食う」故事をも示すことになってしまった。
「苛政は虎よりも猛々し」
この映画のことは聞いたことがありましたが、内容がちょっと分かりました。「ガツン!」という形容も含めて。僕も観てみます。楽しみです。
桜問題を中心に「安倍を牢屋に入れろ」という声が一部に上がっています。彼の退陣は、コロナが通りすぎるまで一時その子分に政権を預けた積もりなのか、それとも、検察が彼にこう言い含めでもしたのだろうか。
「秘書の略式起訴だけでは本来、不十分。これよりもはるかに罪が軽い民主党政権「首班」・小沢一郎の検察審騒動とも釣り合いが取れない。一時謹慎して、世の動向、判断を仰げ!」
黒川「検事総長」事件で三権分立の起訴権を一手に預かる己に手を突っ込まれた検察は、安倍のこの「大罪」に煮えくり返っていたはずだ。ちなみに、立法の国会における多数派が、行政権つまり内閣も握る議院内閣制の国では、司法権が内閣に握られたらたちまち三権分立無し、独裁の成立になるはずです。安倍はその寸前まで行っていたわけです。だからこそ、後者もあり得ると僕は思っているんです。
やはり、安倍を牢屋に入れろ!
日本は民主主義の国だろうか?⑩
映画「パンケーキを毒見する」をみてきました。ガツンと来ました! このご時世、よくぞ作ってくれました。企画と製作された者の皆さんに称賛を送ります。
この10年で日本が先進国とは言えぬ状態になり、国民が不幸になったこと、その政治を支えてきたのが国民自身であること。国民不在の国会、金と権力にまみれた政治。緊迫した映像が続きます。
彼らが望むのが「選挙に行かない人」、それが政権続行を支えること。不安と貧困におかれる若者。選挙と自分たちが全くつながらない。政治への不信。
何とまあ、呆然とさせられました。こんな心地の悪い映画は、感覚的な若者には受けないでしょうなあ。でも、逆に注目してくれることを願ってもいますが。
次は「安倍前首相」をお願いします。