OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ミート・ザ・テレビヒーロー

2016-03-21 17:07:19 | Ventures

バットマン c/w ナポレオン・ソロのテーマ / The Ventures (Dolton / Liberty / 東芝)

昨日書いたとおり、幼馴染みの急逝から故人についての諸々を回想すれば、とにかく子供の頃から海外ドラマ、つまり我が国で放送されていた殊更アメリカ制作のテレビドラマが大好きだった事が思い出されます。

もちろん、それは日本のテレビ局各社が自前の制作番組を充分に供給出来なかったという事情があったにせよ、その質的な充実度においても、アメリカからの輸入物には勝てないところがあり、例えば昭和30~40年代に少年期を過ごしたサイケおやじと同世代の皆様であれば、そこでは普通に見られるゴツイ車、大きなテレビや冷蔵庫、ソファーにベッド、イカシたファッション、さらには如何にも豪華で大盛りに思えた食べ物や甘~いお菓子等々がドラマの物語展開の面白さ共々、幼心に刷り込まれてしまったわけですが、それを醒めない夢と思い続けられるか否かは、やはり十人十色の感性でありましょう。

その点、故人は短過ぎるとしか思えない人生において、最期までそれに夢中だったという幸せがあったと思いますし、実際にサイケおやじは子供の頃からアメリカ産テレビドラマのあれやこれやを教えられ、蘊蓄を仕込まれては、尚更に楽しく物語を鑑賞する事が出来たと感謝する他はありません。

さて、そこで本日掲載したのは、ちょうどサイケおやじの少年期に我が国でも人気を集めた輸入テレビドラマのテーマ曲をカバーした、如何にも「いただき屋」の称号も懐かしいベンチャーズの人気カップリングシングルです。

なにしろA面が「バットマン / Batman theme」、そしてB面が「ナポレオン・ソロのテーマ / The Man From U.N.C.L.E.」であれば、そのワクワクドキドキ性感度の高さは説明不要と思いますが、両曲共にテレビバージョンの主題歌を如何にもベンチャーズらしく仕上げてあるわけで、それが世に出た1966年当時の流行というか、実はその頃に量産されていたスパイアクション系の映画やテレビドラマの関連テーマ曲ばかりを集めたLP「バットマン」から、日本独自でシングルカットされた1枚という事情は、それが我が国のテレビ放送でもウケていたからに他なりません。

ただし、だから言って、収録曲が所謂エレキギターにどっぷりのサウンドであろうはずもなく、それでも「ベンチャーズらしく」と書いたのは、その頃の担当プロデューサーであったジョー・サラシーノの深読みしたコマーシャル的な方法論とベンチャーズのメンバー各々、つまりはノーキー・エドワーズ(g)、ドン・ウィルソン(g)、ボブ・ボーグル(b)、メル・テイラー(ds) という全盛期の4人との意思の疎通があればこそ、女性コーラスやキーボード等々の他にもセッションプレイヤーの参加が公然の秘密(?)とされるアレンジ&演奏の妙を楽しめるというところ♪♪~♪

それがA面収録の「バットマン / Batman theme」では、基本がR&Rの典型的な構成の中、執拗な低音弾きによるギター&ベース主体の音作りと早いテンポを尚更に白熱させるドラムスの痛快さはベンチャーズサウンドのひとつの在り方ですし、だからこそ、些か存在感の薄いリードギターやちょっぴり腰が引けたようなキーボードが許容されるのかもしれません。

実はご存じのとおり、この「バットマン / Batman theme」はリアルタイムのアメリカでは競作バージョンが数多作られた中、マーケッツのバージョンが一番のシングルヒットになっていますので、聴き比べも興味津津!? 詳しくは皆様が聴いてのお楽しみとさせていただきます♪♪~♪

一方、B面ながら「ナポレオン・ソロのテーマ / The Man From U.N.C.L.E.」は、なかなかにエレキギターが主役というか、ベンチャーズならではのリズムギターやメロディフェイクの楽しさには中毒性がありますよ♪♪~♪ と同時にサウンドプロデュースの「細かい芸」も味わい深いと思います。

ちなみに日本盤シングルは昭和41(1966)年の発売だったんですが、件のテレビドラマ「バットマン」は同年にフジテレビで放送が開始され、また少年画報では「怪鳥人間」のタイトルでコミカライズの漫画連載もされていたと記憶していますし、「ナポオレン・ソロ」に関しては既に前(1965)年から日本テレビで放送されていたので、親しみ易さもありましたですねぇ~♪

もちろん両ドラマ共にシリアス&コミカルな要素があった事も、忘れられません。

ということで、昨夜は故人の通夜に列席し、様々な事を思い出してしまったんですが、それも諸行無常という、この世の真理の絶体であれば、安らかな冥福を祈るばかり……。

あの世でも、大勢のヒーローに逢って下さいね。

合掌。

コメント (6)
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