OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

何もかも素敵なエッちゃん♪

2016-03-07 15:19:16 | 歌謡曲

哀愁のレイン・レイン c/w 春の足音 / チェリッシュ (日本ビクター)

女性歌手の美しい声の魅力と云えば、チェリッシュの松井悦子=エッちゃんも決して忘れてはなりません。

ご存じのとおり、公式レコードデビュー時のチェリッシュは5人組のバンド形態でありましたが、結局は一座のスタアであるエッちゃんとグループリーダーの松崎好孝という、後には正式に夫婦となるデュオとしての活動に移り、今日まで広く親しまれているヒット曲を数々放ってきたわけですが、レコード会社も我々ファンも、本音はエッちゃんのソロ活動を強く望んでいたことは言わずもがなでしょう。

しかし、失礼ながら、所謂「お邪魔虫」である松崎好孝の声があるからこそ、エッちゃんの天使の歌声が尚更に美しく輝くのだっ!?!

なぁ~んていう、ご本人からは酷く怒られそうな現実も偽りの無いところです。

さて、そんな思いの中で本日掲載したのは昭和50(1970)年早春のヒット曲「哀愁のレイン・レイン」をA面に入れたシングル盤なんですが、この頃のチェリッシュは未だ正式な夫婦にはなっていなかった所為もあり、如何にものジャケ写からして一目瞭然、件の「哀愁のレイン・レイン」は雨の日の情景の中での別れの歌であり、既に述べたとおりのチェリッシュならではの個性が全開していますよ。

それは作詞:林春生&作編曲:馬飼野俊一が恣意的に歌謡曲寄りのムードを強くしたとしか思えない曲調を提示すれば、哀切の情感も程好いエッちゃんの素敵な美声が強い印象を残すという、狙いどおりの成果なのでしょう。

つまりはエッちゃんと松崎好孝の存在の対比がなければ、それほどのヒットになっていたかは、些かの疑問を覚えるほど、この「哀愁のレイン・レイン」は絶妙で微妙なヒットソングの方程式が実証されたんじゃ~ないかと思うばかりです。

また、B面収録で、同じソングライターコンビが提供した「春の足音」が、当時のチェリッシュのイメージからすれば、相当に重苦しい曲調&アレンジでありながら、エッちゃんだけの心地良いハイトーンボイスによって歌われる時、そこにはミスマッチ的な希望とで申しましょうか、そんな不思議な情感が漂うんですから、たまりません♪♪~♪

まさに、今の時期にはジャストミートの隠れ名曲として、地味ながら、個人的にはB面偏愛に傾きそうになるほどです。

ということで、この1枚あたりから、チェリッシュは歌謡フォークというよりも、急速に堂々の歌謡曲へと方針転換していったように思います。

もちろん、そんなジャンル分けなんか何の意味も無いわけですが、あらためて冒頭の話に戻ってみれば、やはりだからこそエッちゃんのはっきりしたソロレコーディングに期待してしまうのも、これまた自然の法則?

そんな失礼千万な我儘な願望を抱かせるほど、エッちゃん=松井悦子は素晴らしいボーカリストであり、きっちり夫婦関係を築き続けるチェリッシュには、些かの嫉妬と羨望を覚えるのでした。

コメント
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